二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- GOSIC—ゴシック—
- 日時: 2011/07/04 18:06
- 名前: 樹苺 (ID: xrRohsX3)
はい、こんいちはゎぁ(●‾(エ)‾●)ノ
毎度、おなじみ樹苺でーす^^
ってもわかんないよね?笑
今回ゎ、最近小説で読んだ
ゴシックを描いてみようと思いまーす(=゜ω゜)ノ
ヴィクトリカが大好き
っつーことで、今回は殺人事件などが
舞台でゎないですが
まぁ、聖マルグリット学園での
日常を書いていきたいと思います^^
でゎ——どぉぞっ(*´・ω・`)ノ
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- Re: GOSIC—ゴシック— ( No.1 )
- 日時: 2011/07/04 19:06
- 名前: 樹苺 (ID: xrRohsX3)
温かい日差しが差し込む、図書館塔。
「ぐしゅっ」
奇妙な声が響き、誰かが鼻を擦った。
「…誰かが、私の噂をしているのだな…?」
白いフリルをふんだんに使った可愛らしいドレスに身を包んでいた…人形がさくらんぼのような色の口を開き、その顔に合わない声を発した
だが、少女は人形ではない。
ヴィクリカ・ド・ブロワ。
謎に包まれた彼女は、れっきとした人間の女の子なのだ
深い緑色の大きな瞳、見事に輝く金色の長い髪
みるものすべてを魅了するような彼女は、また口を開いた
「…遅い」
外見からは似てもつかない、老婆のようなしゃがれた声でそう言った
彼女——ヴィクトリカは自分の周りに置いてあった本に手を伸ばした
そして厚い表紙をめくると、すごい速さで読み始めた
が、すぐに書物から顔を上げ、周りを見渡した
「遅すぎるではないかっ」
「はっくしゅ」
黒い髪の東洋人の少年が、くしゃみをした
「…誰かが、噂でもしてるのかな?」
きちっと身につけた制服に真面目そうな顔。
彼、久城一弥。
成績優秀で、正義感の強い、東洋からの留学生。
ソヴュールに留学してきて、半年がたつが
「春来たる死神」と呼ばれ、恐れられているらしい。
すると僕の前にひらり、と白い布のようなものが落ちてきた
上を見ると、一瞬だけ、緑色の大きな瞳と目があったような気がする
「ヴィクトリカ?君がくれたのかい?」
上に向かって、白い布——ではないティッシュを上げた
返事はなく、鳥のさえずりだけが図書館塔に響く。
僕は微笑むと、長い、長い、図書館塔の上へ続く階段を上がった
——数分後
「ぜぇ、はぁはぁ…」
肩で大きく息を吸い、僕は上まで行った
それを待っていたかのように、ヴィクトリカは顔を上げる
「腿をだぁるくさせながら、よくも毎回くるね」
グサリ、と突き刺さるような事を平然と言う。
「君、ねぇ…。わざわざ上がってきた人に、それはないでしょ?」
それを聞いても、ふんっと顔をそっぽに向けるヴィクトリカ
「…甘い香りがするな」
書物に目を向けたまま、呟くヴィクトリカ。
「あ、そうそう。今日は金平糖を持って来たんだ」
僕は胸ポケットから、袋に入れた金平糖を出した
「む…。いろいろな色だな」
袋を覗き込んだヴィクトリカは興味深そうに金平糖に見入る。
「食べてごらんよ。おいしいよ」
おいしい、という言葉にひかれたのか、小さな指で一つまみ。
そのままパクン、とピンク色の口に頬張った
「どう?おいしいでしょ?」
「…久城、君は、固いものが好きだなぁ」
この間、雷おこしや、かりん糖を持って行ったときと同じ反応をする
コリン、コリンと音を立てながら真珠のような白い歯で金平糖を噛むヴィクトリカは
「君の、国には、固いものしかないのか?」
「そんなことないよっ!たまたまだって。金平糖もおいしいでしょ?」
僕がヴィクトリカを見ると、気に入ってはいるのか、もう一つ食べていた
「…不思議な感じだ」
それだけ言うと手に乗っていた金平糖をぺい、っと床に投げた
「わぁっ!なにすんだよ」
僕が拾い集めると
「甘過ぎる、もう飽きた。…おい、久城、紅茶をいれて来い」
「え…?」
意外な頼みごとに、一瞬、戸惑った。
なぜなら、ヴィクトリカがお茶を入れろと頼むことがないからだ。
そもそも、飲んでいるところなど見たことがない
「…どうした?早くしろ」
「え、う、うん。わかった」
するとヴィクトリカが
「金平糖を食べるのには、お茶が必要だからな」
と小さな声で言い、また本と向き合った。
僕は嬉しくなって
「じゃぁ、まだ食べるってこと?気に入ってくれたんだぁ!」
すると、ヴィクトリカの真っ白な冷たい顔が、すこし赤みを帯びた
「ち、違うッ!紅茶が飲みたい気分なだけだ!…つべこべ言わずに早くしろ」
ヴィクトリカは、履いていた先のとがったブーツで僕の腰をけった
「いってぇ…。…はいはい、入れてきますよ」
にこにこしながら、僕はまた、長い階段を降りて行った
僕が行ったのを確認した後
ヴィクトリカは、また、金平糖の袋に手を伸ばした
そして、口にパクリ。
「………虫歯になったら、久城、君のせいだからな」
といい、赤くなった頬に小さな掌をくっつけた
- Re: GOSIC—ゴシック— ( No.2 )
- 日時: 2011/07/06 16:29
- 名前: 樹苺 (ID: xrRohsX3)
「ヴィクトリカ。紅茶、入れてきたよ」
僕は、銀色のトレーにティーポットとティーカップを乗せてやってきた
ティーポットからは甘い香りが漂う
「…遅い。」
パタン、と音を立て本の表紙を閉じたヴィクトリカがしゃがれた声で呟く。
「しょうがないだろ?これ持って上まで登って来たんだから」
中身が零れないようにゆっくり登って来たのだ
「言い訳は聞かない。…そこに置け」
僕の言うことに耳も傾けず、ヴィクトリカは言った。
「言い訳って……。君ねぇ」
僕が文句を言おうとヴィクトリカに近づくとぺちり、と頬を叩かれた
「なっ?ななな、何するの??」
びっくりして、まんまるい瞳でヴィクトリカをみると
平然と、お菓子を口に頬張り、紅茶を飲んでいた
「何、無視ってわけ?ひどくない、ヴィクトリカ」
「何がだ?私は何もしていない」
コリン、と口に金平糖を頬張り、言う。
「まぁ、君も飲みたまえ。えっちらおっちらここまで運んできたのだからな」
「え…?いいの?僕が、一緒に飲んでも」
瞳を輝かせ、ヴィクトリカを見つめると
「…気持ち悪いなぁ。その目でこっちを見るな」
おぞましいものを見るかのような目で、こっちを見てくる
「気持ち悪いって?ひどいなぁ」
「…紅茶が冷める」
僕のことを無視して、ティーカップに紅茶を注ぐヴィクトリカ。
僕は、少しためらいながらヴィクトリカの隣に座った
彼女の金色の糸みたいな綺麗な髪が、風に揺られきらめく。
「あ、これ?飲んでいいの」
僕はテーブルに置かれたティーカップを指さした
「…毒入りだ」
ちっちゃな子供みたいな声で、ぼそりと呟いた
「えっ?なんだって?毒入り!?」
その反応を見て、ヴィクトリカは怪しい微笑を浮かべた。
「…冗談だ。…本当に冷めるぞ」
ふいっと綺麗に整った顔をそっぽに向ける。
僕はティーカップに口をつけた。
「久城、君、なんの紅茶を淹れてきたのだ?」
ティーカップをテーブルに置き、僕の方に向きなおした。
「え?何の紅茶?えーと…、アッサムティーだったと思うよ」
「………」
何かを考えるように、紅茶を見つめるヴィクトリカ。
「…ねぇ。何か、入っていたのかい?淹れなおそうか?」
僕は心配になって、ティーポットに残った紅茶を見た。
「…いや、なんでもない」
それだけいうと、また金平糖を一粒、口に入れるのだった。
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