二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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 何度世界が眩んでも 、 [ inzm ]
日時: 2011/11/09 10:48
名前: 兎子. ◆.UAIP8bSDA (ID: YJqsGTFd)
参照: 世界編やんないと設定とかが^q^


( 陽炎が笑って奪い去る )

 ◇御挨拶
 初めまして! 兎子(とうこ/とこ)と言う者です。
 二次創作は久し振りでイナズマも最近書いてないのでキャラが違う、駄文が転がっていると思われますが宜しくお願いします。
 長編を書かなければ色々と描写やら何やらが面倒なことにようやく気付いたので掛け持ちしようと。勿論、世界編です(
 エイリア学園とかもやりたかったんですけど、追いつかない気がしてしまい思いっきり飛ばしました。


[>>001] 設定 .

 ◆本編,
[>>002] Episode 1
[>>003] Episode 2
[>>004] Episode 3
[>>005] Episode 4

Page:1



オリジナルキャラクター, ( No.1 )
日時: 2011/09/30 16:49
名前: 兎子 ◆.UAIP8bSDA (ID: VTUqeMcj)


名前//【夕闇 凪
読み//【ゆうやみ なぎ
年齢//【14歳
性別//【女の子
性格//【お姉さん気質で面倒見が良い女の子。ただ、怒ると手が付けられなくなるというか怖いというか。実は寂しがり屋だったりする、
容姿//【ミルクブラウンの髪で、瞳同じくミルクブラウン。可愛いというよりは綺麗が似合う感じの子。身長は160前後とまずまず。色白
備考//【イナズマジャパンのマネージャー. ナーシェ・スレイヴとの関係は不詳。円堂のことを何かしら知っているような感じ(

サンボイ//
 「夕闇凪です、宜しくお願いします」
 「お話中すみません、明日の試合のことで話があるのですが」
 「貴方には関係の無いことだから、気にしないで」


09/30-兎子〆

 Episode/001. ( No.2 )
日時: 2011/11/09 10:45
名前: 兎子. ◆.UAIP8bSDA (ID: YJqsGTFd)
参照: ht@t@p:@//n@ano@s.@j@p/y@m@rn@252@9/

 日本代表——イナズマジャパン。
 アジア予選の数々の危機を潜り抜け、ライオコットにて開かれる世界大会へと上り詰めてきたチーム。
 少女は、その口元を緩ませた。ふんわりとしたミルクブラウンの髪、瞳はやや丸くどちらかというと"可愛い"部類に入る容姿を持つその少女は、嬉しそうに笑う。

「やけに嬉しそうだね、ナギ」

 隣で笑う濃紺にも見える、青いの髪にが特徴的な少年がクスリと笑い、ナギと呼んだ少女を抱き寄せた。少年も少女も、"レンアイカンジョウ"は持っていないのだが。
 ナギ——否、凪は少年、ロココの肩に自身の頭を乗せながら微笑して見せた。

「もうすぐ——守に会えるの」

 ロココは驚いたように、其れで居て何処か楽しそうに笑った。
 ライオコット島に存在するエリアの内の一つ、コトアールエリアは静かな雰囲気を漂わせている。ロココは考えた。自身の尊敬する——勿論、様々な意味で——凪の"双子の弟"とはどういった人物なのだろうかと、自身の師匠の孫はどういった人物なのだろうか、と。
 凪の脳裏に蘇る幼い弟はサッカーが大好きな子だった。容姿も、何もかもが微かにしか覚えては居ない。其れでも凪は双子の弟に会いにいくことを躊躇した。祖父と、ロココと、皆と共に居たかったから。

「……少し良いかしら、」

 其々思いを馳せている二人に、控えめな声が掛かる。
 凪が振り向けば其処にはチームオペレーターを務めている少女が目に入る。元々、双子の弟のサッカー部のマネージャーを務めていた人物に、凪はにっこりと微笑んだ。

「ええ、勿論。ロココ、少し話してくるわね」

 ロココは二人を疑わない。
 ああ、と頷けばその場を去っていく。其れを見、凪は目の前の人物——夏未に話し掛けた。

「、円堂君のおじいさんも双子のお姉さんも——生きていたのね、」
「情報が早いわね、流石。私は今まで隠して生きてきたつもりだったけど、流石理事長の娘さん?」
「……円堂君の前に、顔を出そうとは思わないの?」

 ピリピリとした雰囲気の中でも凪は微笑を崩さない。夏未は凪の存在感に既に負けそうになっていた。決して、サッカーが強いわけでも無いし、怖いわけでも無い。其れでも、凪には何かがある。
 円堂とは大違い、とでも言えばいいのだろうか。夏未は眉を寄せた。

「守とはね、もうキョウダイじゃないのよ」

 ふふ、と再度自嘲気味に笑う凪に夏未は小さく呟いた。

「————円堂君は、貴女のことを想っているのに」


( すれ違ってていいのかしらね、 )

 Episode/002. ( No.3 )
日時: 2011/11/09 10:46
名前: 兎子. ◆.UAIP8bSDA (ID: YJqsGTFd)

「——っふう、今日の練習終わり!」

 パンッと両手を叩けば、凪がにいと口許を緩ませた。
 クールダウンに行ってらっしゃい、なんて手を振る凪の横で夏未が難しい表情を浮かべ乍溜息を吐いた。
 イナズマジャパンのことが気にかかる。自ら円堂の祖父を探しに此処へ出向いてきたのに、やっぱり円堂のことは気になってしまう。
 自分を叱咤するように小さく駄目、と呟けば隣の凪へと視線を向けた。夕焼けに照らされ赤くなっている顔は、何処か円堂の面影が残っている。髪も目も何もかもが重なるのは血縁関係があるからだろうか。
 凪は自身への視線を感じ夏未へと目を向ければ其の笑みを夏未へと向けた。

「夏未さん、少し気分転換に散歩でもどう?」

 すっかりと赤く染まってしまった空を見上げ、夏未は溜息を吐いた。相変わらず、自分のペースは崩さない凪に呆れたように。しかし、凪が差し出してきた左手を夏未は取る。細い二人の手がぎゅ、と繋がる。
 予想していたよりも小さな手に、夏未は小さく笑んだ。

「……夏未さんは、守のことを想っててくれるのね」
「、え?」
「——……守の為におじいちゃんを探しに来たんでしょう?」

 くすくすと零れる笑みに夏未はたじろいだ。
 夏未自身が円堂へと抱く想い。其れに気づいて、でも気付かないふり。凪はきっと其れに気付いているのだろうと夏未は小さく溜息を吐いた。
 そうね、と小さく心中で呟けば手を繋ぎながら二人は歩き出す。何処へ向かうわけでも無いが、ゆったりとした足取りで。
 二人も、ただの女の子なのだから。
 夏未は楽しそうな表情を浮かべて話す。凪が熱心にその話に聞き入っている。二人は暫く——ロココが迎えに来るまで——エイリア学園の時やFFの決勝戦等、様々なことを話し合った。

「——シアワセモノだなあ、守は」

 誰もが寝静まる深夜、凪は一人呟いた。
 羨ましい、良かったね、——そんな綺麗事を言いながら凪は小さく笑う。


( きれいごとでうめつくされてるきみのせかい )

 Episode/003. ( No.4 )
日時: 2011/11/09 10:46
名前: 兎子. ◆.UAIP8bSDA (ID: YJqsGTFd)

 千年祭が始まる、と。
 天使の血を受け継ぐ少年と、その対になる悪魔の血を受け継ぐ少年が同時に呟いた。天使の血を継ぐ少年は深刻な表情を浮かべ、悪魔の血を継ぐ少年はケラケラと嬉しげににい、と口角を釣り上げながら。
 壁画に掛かれた其々の先祖の絵をなぞり、そのどちらにも属さない少女がふんわりと微笑を浮かべる。
 やや切れ長の瞳に、背中までのロング。そしてその色は全てを飲み込むような深い深い黒色。少女——ナーシェ・スレイヴは小さく呟いた。"凪"という少女の躰を借りて。

「嗚呼、面白いことになるわね」

 大人びた顔立ちに似合わぬ無邪気な微笑。其れが少女の威圧感を、恐怖を引き立てる。
 白い指がつう、と壁画の絵をなぞる。
 ナーシェの白い手首には、無数の赤い線が入っていた。紛れもなく、自分自身で付けた傷。戒めの証。ちゅ、と軽く傷跡にキスを落とし、ナーシェは壁画に寄り掛かった。遠い遠い先祖のことを画いた壁画は、古ぼけてぼんやりとした跡しか残っては居ない。大分埃っぽいし、そろそろ掃除をしなければ、などと関係のないことを考えながら視線を空へ彷徨わせる。
 ナーシェが瞳を閉じ、数分が経過した頃。黒かった髪は段々とミルクブラウンの色へ戻り、ふんわりとしたものに変わる。ナーシェから凪へと戻る瞬間は、其れだった。
 誰も居ないがらんとした空間にまだ15にも満たぬ少女が一人眠っているのは異様な光景だったが、その空間の場所が場所なだけに警察やら、人の目には付かず、凪は相変わらずスウスウと穏やかな寝息を立てている。
 凪とナーシェの関係は、身近な人物でも知らない。例えるならばリトルギガントの監督を務める円堂大介——基アラヤダイスケすら、その関係を知る者は居ないのだ。最も、凪はナーシェのことを話したことも無いのだが。

「……まも、る、」

 凪が信じていたのは、双子の弟だけだったから。
 心の支えになってくれたのは姿も知らぬ弟だけだった。引き取ってくれた大介も、仲の良いロココも、母親も父親も、弟には及ばなかった。弟に何時か会える、笑ってくれるということだけを信じて凪はここまで来たのだから。何時か頂点で戦う。其れが凪と大介の目指した夢。
 穏やかな寝息を立てる凪のことを全て知る人物は今、誰一人としていなかった。


( 彼女は私とは違って、 )

 Episode/004. ( No.5 )
日時: 2011/11/09 10:47
名前: 兎子. ◆.UAIP8bSDA (ID: YJqsGTFd)

 あの後、目が覚めた凪は急いでコトアールエリアへと足を速めた。大事にはならなかったものの、薄暗くなってきた頃にようやく戻ってきた凪を見たロココと夏未は勿論心配し、大介に至っては心配ではなく怒っている様子を見せていた。こってりと怒られた後に、凪はリトルギガントの宿舎にある自室のベッドへと倒れ込んだ。
 ちらちら、と開け放たれた窓から迷い込んだ小さな虫が明かりの下で飛んでいる。
 其れをぼんやりと眺めつつ、凪は小さな掌を明かりへと翳してみた。小さく開いた指と指の隙間から明るい光が差し込む。ゆっくりとその手を心臓部分へと押し当て、凪は呟いた。生きてる、と。死にたいと思ったことは無いし別に今現在死にたいなんて馬鹿なことを考えているわけでは無い。ただ、自分が生きているかどうか、時折分からなくなってしまう。

「——嗚呼、明日は確か、」

 ぽつりと小さく呟く。明日は確か、イナズマジャパン対ナイツオブクィーンの試合が合った筈だ。イナズマジャパンはこれが世界大会本線の初戦になる。そう言えば、イナズマジャパンの、——否、円堂の元に何人かの他国のキャプテンが集まって何かをしていた、という情報を聞いた気がする。
 ほかにも、親善パーティとかが有ったりした、とか。凪は楽しそうに笑う弟のことを想像しながら、ゆっくりと意識を落とした。目を閉じ、ものの数分も経たない間に凪の意識は深い眠りへと落ちていた。





 翌日、目を覚ました凪は急いでウミヘビスタジアムへと向かっていた。ナイツオブクィーンとイナズマジャパンの試合を見逃すわけにはいかない。偵察にも似ているが、彼女が応援しているのは勿論イナズマジャパンだ。
 大方、キャプテンである弟は試合に必ず出るのだろうと考え凪は独りでウミヘビスタジアムへと向かう。夏未やロココと一緒に行こうとも思っていたのだが、生憎寝坊をしてしまい試合ギリギリに漸く辿り着いたわけで。それに、皆の姿なんて見かけなかったし——。
 実況の声と歓声が響き渡る中、凪は適当な席に腰掛け、スタジアム内へと視線を配らせた。フィールドに立つ青いユニフォームの中にキーパーの証である黄色のユニフォーム。記憶の中にほんの微かに残る面影とその幼い顔立ちは重なった。

「守、」

 大好きな、弟。
 ピッチサイドで行われているコイントスの様子をうかがっている円堂に凪は口元を綻ばせた。

「やっと——会えたね!」


( だいすきなきみに )


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