二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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図書館
日時: 2012/05/12 22:25
名前: 桃 (ID: 23qbUXXN)
参照: http://kyooooooon!!


 [記憶] それはすごく曖昧な物で、目には見えていないけど、アルバムに収めることも出来ないけど。
その記憶の断片はその人にとってかけがえのない宝物。

それは…今も昔もなんら変わりは無いのです。

———………
昔見た小説で、前世で惹かれあった男女が現世で巡り逢いまた恋に落ちるという内容に心奪われたことがある。
その世界観はものすごくて、到底自分の言葉では表せないものだった。
幕末に生き抜いた武士が、最期はその女子の手中で息を引き取る…切なく…「ぐふっ…やだっ…もう駄目っ…!!」
今まで我慢してきたかの様な大きな笑い声が図書館中に響き渡る。
「ちょ…!笑わないでよっ!あんたが見たいって言ったんでしょ?!」
このなんとも女の子らしい感想文を書いた超本人、相田有希は顔を赤くさせ小さい声で文句を言った。

「いやいや…だって…ぷっ…あんたみたいな男勝りな子でもこんな純粋な頃があったと思うと…心が痛まれてさー…」

なんだ。自分が可愛いからって…
有希は頭の中で思ったが声には出さず
「うるさい!本を好きなのは今でも変わってないし!」
と自分が不利な状況を免れたい一心で、自分を自分でフォローする。

「そもそもね!…トンっ
有希が話を続けようと発した言葉と同時に頭の上になにかが置かれたことに気が付いた。

「お前らちょっとは加減して喋れよ。」
ここは喫茶店じゃねぇんだぞと座っている有希達に注意をしたのは、
若くしてここ、大宮図書館の副館長をしている小野寺誠だ。
若くしてと言っても、もう20代半ばの立派な男性である。

「げっ小野寺さん…」

「なんだその如何にも嫌そうな顔は」

「嫌っ?別に?」
有希は隙がなく生真面目な小野寺が少し苦手だ。
隙があって欲しいというわけでは無いけれど、どう接していいかたまに分からなくなるのだ。

「不満があるなら他の図書館を訪ねろ。」
ほら。こういう所だ。

「誰も不満なんて言って無いじゃないですか!」
有希は小野寺さんこそ!といーっと歯を出し小野寺を威嚇した。

「だったらもっと歓迎されるような態度を取るんだな。」
うっ…何も言い返せないが所が負けた気がして腑に落ちない。


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タイムスリップ ( No.1 )
日時: 2012/05/12 22:48
名前: 桃 (ID: 23qbUXXN)
参照: http://kyooooooon!!


「私、本探してきます!」
有希は立ち上がり逃げるように本棚に向かった。

「ん—…歴史…歴史」
有希はさっきの感想文の本をもう一度見てみたいと思い歴史コーナーに足を運んだ。
「確かあの話ってほんとにあった話なんだよなぁ—…」
一人でぶつぶつつぶやきながら本棚を見ていると右側に人影を感じ目線をやった。
目線の先には本棚と本棚の間にある狭い通路が見えた。
こんな所あったっけ…有希は疑問に感じながら足を進めた。
通路に近づいていくと奥に古ぼけた扉があることのに気が付いた。
好奇心旺盛な有希がそれを見逃すはずもなく、躊躇することなく扉に近づいた。

ギィィィ…
何年も開けられてなかったのか、少し埃が舞いながら扉が開いた。

「わぁ…」
扉の向こうにはレトロな雰囲気を醸しながらもキレイに整理整頓された歴史物の本がたくさん並んでいた。
ふと視線をやった先に昔読んだ例の本があった。
「わっ!ラッキー!」

有希が本棚に近づき本に手を伸ばした瞬間、
ドンッと衝撃音が聞こえたと同時に本棚が有希に向かって倒れてきた。
有希の意識はそこで途絶えた。

タイムスリップ2 ( No.2 )
日時: 2012/05/12 22:58
名前: 桃 (ID: 23qbUXXN)
参照: http://kyooooooon!!

「—…っだから!!」
有希は誰かの怒鳴り声で目が覚めた。

「あっ起きた。」
目の前には数人の美形という言葉がとても似合いそうな男性が有希を取り囲んでいた。
「いっ…嫌ぁぁぁぁ!!」
ドコッと鈍い音がしたと思った時にはもう遅かった。
やってしまった…。何処の誰かもわからない人を思い切り殴ってしまった。
私死んだ…
そんなことを瞬間的に思ったときその不安を消し飛ばすかのような甲高い笑い声が聞こえた。


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