二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- パラドックス [ REBORN ]
- 日時: 2012/07/31 08:25
- 名前: 烏月 ◆RYtaauV6do (ID: mxpCGH6q)
「 その女は、護るために生きました。
その女は、護るために逝きました。
それが、彼女なりの人の愛し方でした。 」
パラドックス(paradox)とは、正しそうに見える前提と、妥当に見える推論から、受け入れがたい結論が得られる事を指す言葉である。
「妥当に思える推論」は狭義には(とりわけ数学分野においては)形式的妥当性をもった推論、つまり演繹のみに限られる。しかし一般的にはより広く帰納など含んだ様々な推論が利用される。また「受け入れがたい結論」は、「論理的な矛盾」と「直観的には受け入れがたいが、別に矛盾はしていないもの」に分けることができる。狭義には前者の場合のみをパラドックスと言い、広義には後者もパラドックスという。こうした区分は主に数学分野を中心に行われるもので、結論が直感的に受け入れやすいかどうかではなく、公理系の無矛盾性をより重視する所から来る区分である。論理学者のハスケル・カリーは、単に直感に反しているだけで矛盾は含んでいないパラドックスのことを、擬似パラドックス(pseudoparadox)、と呼び、矛盾を含むパラドックスと区別した。
数学以外の分野では「パラドックス」という言葉はよりラフに用いられ、「ジレンマ」、「矛盾」、「意図に反した結果」、「理論と現実のギャップ」等、文脈により様々な意味に用いられる。
————Wikipedia「パラドックス」の記事より
■per primo / 初めに
当小説は、原作者様、原作関係の方々、編集者様等とは全く関係は御座いません。あくまで作者の勝手な妄想により生まれた産物ですので、節度をもってお読みください。なお、ネット上の規約は最低限守れるお客様のみ、当スレにお越しください。
■Indice analitico / 目次
cast/藤堂七瀬♀
序幕/ >>1 >>2
第一幕/ >>3
〆 120729 〜
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- Re: パラドックス [ REBORN ] ( No.1 )
- 日時: 2012/07/29 13:07
- 名前: 烏月 ◆RYtaauV6do (ID: mxpCGH6q)
その女は、護るために生きました。その女は、護るために逝きました。それが、不器用な彼女なりの人の愛し方でした。
「まるで魔女みたいよねえ」「本当、何をしでかすのやら。」
「ああ、彼女? 謎よねえ」「あの女、不思議というより…不気味だわ。」
彼女は、不気味で不器用な一人の並中生でした。けれど、彼女には人を惹きつける何かがありました。
「けどオレ、あの人に助けられたんだ。」「それはオレも同じです!」「ハハハッ、じゃあ決まりじゃね?」
彼女は、孤独で冷酷な、一人の女の子でした。けれど、彼女は冷酷な言葉を浴びせながらも、誰よりも優しさに溢れていました。
「助けてくれなくて、いいよ。」だって、必要ない。
彼女は、常に、誰かを護ることを考える少女でした。けれど、他人ばかりを優先して、強がってしまうかわいそうな子でした。
誰よりも助けを求めていたのは、彼女でした。
- Re: パラドックス [ REBORN ] ( No.2 )
- 日時: 2012/07/29 13:05
- 名前: 烏月 ◆RYtaauV6do (ID: mxpCGH6q)
クラスには、必ず一人はいるであろう。いつも窓際の席に座って、頬杖を突きながら本を一心に読み漁る生徒が。それが、彼女であった。彼女は誰とも話さず、誰ともつるまず、一人でただ読書をしていた。彼女がもし死ぬことがあっても、少なくともこのクラスでは誰も悲しまないであろう。それほどまでに、影の薄い女だった。
彼女は、一人で生きていた。
そんな彼女の名を、藤堂七瀬。ショートヘアと呼ぶには短く、ミディアムヘアと呼ぶには長すぎる真っ黒な髪とは対照的に、真っ白い肌。特別綺麗というわけではないが、それなりには整った顔立ち。スタイルは平凡、制服は特に着崩すこともなく、きっちりと着ている。
平凡の代名詞である彼女の表情が緩むことは無い。口を真一文に引き締めて、髪と同様真っ黒な瞳は鋭い視線を放っている。俗に言う無表情ともとれるが、表情が無いというより何時も不機嫌なイメージだ。
勉強はそれなりにできる。テストは毎回平均点よりは幾分か上だが、それも数点のことで、頭が良いというまではいかない。運動も、平均的である。五十メートル走は九秒にかなり近い八秒台。マラソンは女子が百人近くいるのに対し、良くても四十台。
家もいたって普通。他の家とはなんら変わらない。家族構成も両親と弟とペットの猫がいるくらいで、どう考えても彼女は普通の人間である。
つまり、だ。彼女、藤堂七瀬は、平凡な並中生なのだ。
しかし、彼女はどこか異彩を放っている。他の誰かとは、違う何かだ。彼女のクラスメイトなら、誰でもそう感じていることだろう。かくいう沢田綱吉も、その一人であった。話しかけこそしないものの、彼女の放つ何かが気になっていた。興味があった。
「——沢田さん、」誰もが沢田綱吉のことを名字で呼び捨てするか、ダメツナと言う中、彼女だけは名字にもれなくさん付けもプラスして沢田綱吉を呼んだ。あの凛とした声を、沢田綱吉はいつまでも覚えている。
冒頭では彼女のことを影の薄い女だと言ったが、訂正しよう。
彼女は、誰とも話さず、誰とも馴れ合わないのに、なぜか、強い存在感を持つ女であった。
- Re: パラドックス [ REBORN ] ( No.3 )
- 日時: 2012/07/31 08:45
- 名前: 烏月 ◆RYtaauV6do (ID: mxpCGH6q)
「気味悪いわよねえ。」
名も知らない一人の女子が、ぽつりと言葉を零した。
その言葉は、いつものように窓際の席で本を読む、藤堂七瀬に向けられたものであった。友達らしき人物も、うんうんと首を縦に振っている気配がする。どうやら肯定の印らしい。
まるで、七瀬のことが疎ましいというような視線を送りながら、二人は舌打ちをした。七瀬は、その視線をまるきり無視して、文章を目で追っている。それをいいことに、また二人は七瀬の悪口をつらつらと並び立てた。
「……死ねばいいのに、あんな無表情な女。」
「ほんと。誰とも喋らないくせに、生きてる意味あんの?」
——〝生きてる意味あんの?〟。その言葉に、七瀬ではなく隣の沢田綱吉が反応した。七瀬の隣の席に座っている沢田は、苦々しく顔を歪めていた。悪口を叩いている女達は、丁度沢田の近くで話をしているのだ。悪口を聞いて、気分が悪くなったらしい彼が、ちらりと七瀬を見る。
七瀬は相変わらず何を考えているかわからないその表情をしている。悪口は聞こえているはずなのに、なんとも思わないのだろうか——と、沢田は思った。
すると、七瀬は、キッと女達を睨みつけた。女達はその視線にびくりと震えるが、次の瞬間には何事もなかったかのように愛想笑いを浮かべた。それを見て、七瀬はがたりと音を立てて立ち上がった。沢田は、はらはらと七瀬を見つめている。
『愛想笑い浮かべても、悪口は聞こえてたから、意味ない。』
「……!!なっ、何よ…!!」
『悪口言うのは構わないけど、こんなところで言ってたら沢田さんが困る。後で悪口でも憎まれ口でも聞いてあげるから、一回消えてくれる?』
「!!っこのっ…!」
七瀬のその言葉に、沢田がはっと息を呑む音がした。オレのためだったのか、と彼は彼女を見上げた。女達が、苛立ちを隠せていない表情で七瀬を睨む。
『もう一回言う。消えて。』
七瀬は、感情の篭っていない声で言った。女達は、苦虫を噛み潰したような顔をして、そそくさと去っていく。それを見計らってか、沢田は七瀬に話しかける。
「……あ、の…。ありがとう…」
『……いい。わたしが好きでしたことだから。それより、ごめん。わたしのせいで沢田さんまで嫌な思いをしてしまって。』
「え、ううん!いいよ!オレ、気にしてないし!」
沢田は、あわてたように両手を真横に振った。それを見て、七瀬はふっと微笑む。
『……ありがと。』
彼女には悪い噂ばかりがついているが、本当は優しい人なんではないかと、沢田は思った。
- Re: パラドックス [ REBORN ] ( No.4 )
- 日時: 2012/07/30 18:57
- 名前: ちぃ ◆BtgqVElJ1I (ID: JbPm4Szp)
- 参照: http://x110.peps.jp/kokyon7314/free/?cn
初です!
題名に惹かれてそそくさとやってきました←
リボーンおもしろいですよね!
物語も主人公が平凡っていうのが逆に新鮮で面白かったです!
これからも頑張ってください!
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