二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【REBORN】桜姫
- 日時: 2012/08/06 14:02
- 名前: 紗泉 ◆Nlab369rtc (ID: dB4i1UE/)
初めまして。
受験生なのにスレ立てするという突飛な事をやってのけた者です←
…うん。ま、立てたんだから最後までやり切りますよ。更新速度の遅さは勘弁してください。学校がある日はピンチかな…。
小説カキコ初心者なので、至らないところが大分あると思いますが、宜しくお願いします。
題名の通り、【家庭教師ヒットマンREBORN!】の小説を書かせていただきます。ほとんどがオリキャラ目線なのですが、あえてオリキャラの説明はしません。小説から読み取ってくださると嬉しいです。
では、start!
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- Re: 【REBORN】桜姫 ( No.1 )
- 日時: 2012/08/06 14:58
- 名前: 紗泉 (ID: dB4i1UE/)
ほのかに香るレモンの香りが悠里の鼻をくすぐった。
夜毎吹いていた風も昨夜には収まったのか、窓からは微風すら吹いてこない。それが余計に、この時期特有の暑さを一層駆り立てていた。
暑さに唸るように寝返りを打っても、変わらずレモンの香りが鼻をくすぐっている。
「ほら悠里。早く起きてください」
聞き飽きるほどに聞いてきた声が耳を通っていくと同時に、悠里はわずかに目を開けた。
視界に飛び込んできた美麗と言えるであろう顔立ちをした青年を恨めしそうに睨みながら、再度寝返りを打った。
「まったく、今何時だと思っているんですか」
その声が聞こえなかったかのように、就寝中に蹴とばしたのであろうベッドの端へと転がっていた枕を自分の元へと手繰り寄せた。ふうっと聞こえる青年の溜息。
「いつまでも子供ですね」
悠里を起こすことを諦めたのか、ベッドの上で二度寝をたくらむ少女の横に青年は腰かけた。そしてつややかな黒髪をそっと撫でる。
「……本当に、悠里は」
優しく頭を撫でている青年の温もりが、悠里には嬉しかった。
抱きかかえた枕に顔をうずめ、気づかれぬように微笑んだ。
- Re: 【REBORN】桜姫 ( No.2 )
- 日時: 2012/08/06 15:00
- 名前: 紗泉 ◆Nlab369rtc (ID: dB4i1UE/)
途端、ついさっきまで吹いていなかった風が、窓辺にかかっているカーテンを揺らした。
それに煽られるかのように揺れる髪の毛の感覚を感じたのを最後に、青年の温もりはぴたりと消えた。
慌てて枕から顔を離す。そこに広がるのは、見慣れた自室ではなく深い闇ばかりで——。
何度も青年の名を呼んでみても、虚しい声が反響するだけ。
崩れるようにへたり込んだ悠里の意識は、次第に覚醒していった。
* * * *
「起きて」
不意に聞こえた声に、悠里は半ば驚きながら目を開けた。
瞬間、差し込んできた陽光に目を細める。
今自分が置かれている状況を理解するのには、数秒とかからなかった。
- Re: 【REBORN】桜姫 ( No.3 )
- 日時: 2012/08/06 14:55
- 名前: 紗泉 ◆Nlab369rtc (ID: dB4i1UE/)
ここは並盛中学校の屋上。そして今は昼休みだ。
つい先日転校してきたばかりなのだが、ある日に屋上が昼寝にピッタリだということに気づき、今回で3回目の昼寝となる。
それにしても、今回は寝過ぎたか……? 下手をすれば授業が始まっているかもしれないな。転校したてにサボりはやばいだろう。
という微妙に暗澹たる気持ちに駆られていると、真横から声がとんできた。
「邪魔だからどいてくれない?」
どこか怒気を含んだようにも聞こえるが、逆に冷静さも感じられる声に興味を駆られ、視界を真横へと向けた。
- Re: 【REBORN】桜姫 ( No.4 )
- 日時: 2012/08/06 20:25
- 名前: 紗泉 ◆Nlab369rtc (ID: dB4i1UE/)
逆光を浴びて、心なしか煌めいて見える黒髪を見た瞬間。人より大きめの双眸が見開かれた。背格好や着ている服こそ違うが、雰囲気や顔立ちは瓜一つだ。
夢の中に出てきた青年に。
悠里は身体の奥から熱いものが込み上げてくるのを感じていた。
だが、それを目の前の学ラン姿の少年に悟られたくはない。
意を決して、声を上げながら腰を浮かせた。
「悪いね。邪魔していたとは知らなかった」
昼寝を起こされ、ましてや邪魔扱いされたのだが、起こる気にはなれなかった。ただ、この場を離れたい一心で悠里は屋上を後にした。
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