二次創作小説(紙ほか)
- Re: 黒魔女さんが通る!!〜チョコの息子の物語〜 ( No.46 )
- 日時: 2013/01/07 22:45
- 名前: ノヴァ (ID: /B3FYnni)
それからしばらくして、雷夢達は鳳家の門の前に立っていた。細い鉄で作られた模様が、洋風独特の門を醸し出していた。横に並んで立っている煉瓦作りの柱にはインターホンまで付いているようだ。
「あ、私がいきます。」
そう言ってアテナがインターホンを押した。
キンコーン。
「・・・はい、どちら様でごさいましょうか。」
押して間もなく誰かが出た。
「あ、すみません。私、黒鳥アテナっていいます。鳳未來さんはいますか?」
「アテナ・・・。あぁ、この前お嬢様のクラスに転入してきた方でごさいますね。ところで、どのような御用件でしょうか?」
「あ、えっと・・・。鳳さんと直接話さないといけないことがあって・・・。」
「わかりました。しばらくお待ちください。」
そう言ってインターホンは切れた。
ポツ。
何かが雷夢の頭に当たった。なにかひんやりとして湿ったものだ。
ポツ、ポツポツ、ポツポツポツ、ポツポツポツポツ。
「おい、雨降ってきたぞ!」
ギューリットがそう言うと同時に、土砂降りのような雨が降りだした。
ガチャ。
「黒鳥さん。どうしましたの?」
インターホンが繋がった。声からして、話しているのは未來だろう。
「あ、未來さん! 私達追われているんです。かくまってもらえませんか?」
「あら、そうでしたか。ではどうぞ、門を開けますのでお入りになってください。早くしないと風邪を引いてしまいます。」
すると、急にキィィィと音をたて門が開いた。その向こうには巨大な屋敷が建っていた。恐らく日本の豪邸で五本の指に入る大きさだろう。
その入口が開き、中から未來が手を降っていた。
「べっくしょーいっ!!」
屋敷に入ったとたん、ギュービッドが盛大なクシャミと共に鼻をすすった。
「ようこそ、鳳邸へ。」
未來の隣にいるメイドが深く一礼する。なぜかその顔に雷夢は見覚えがあった。
「もしかして、『秋葉 穂香(あきば ほのか)』!?」
そのメイドは、雷夢のクラスでいつも未來と行動を共にしている女の子、秋葉穂香その人だった。
「穂香さん、なんでメイドやっているんですか?」
「話していませんでしたけど、私はこの家の養子兼メイドなんです。」
「えっ!? なんで養子なのにメイドを?」
チョコが問いかけると、穂香は脇によけ道を開けた。
「その話は後程。」
「それより、雷夢さん達はそのままだと風邪を引きますよ。」
そう言われて見てみれば、雷夢達全員、先程の雨でずぶ濡れになっていた。
「ですから、皆さんこちらにどうぞ。私もそろそろと思っていたので。」
「え? 何が?」
「お風呂ですよ。」