二次創作小説(紙ほか)

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.575 )
日時: 2012/11/18 14:48
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第30章の続き

(ストーリーモード:ハル)

フランス料理を堪能しつつ、直紀と一緒に食べた後にデザートが現れた。

「はい、ショートケーキよ。あと、紅茶も入れておくわ」

2つの皿に乗せたショートケーキを見て、上手く作られているのが伺えた。
なぜか、お菓子作りもなかなか上手いような気がする。

「さて、ハルちゃん・・・・・・その悩みを聞かせてもらっていいかな?」
「は、はい。実は-----------------------」

幼馴染の山野バンについて、ここさんに詳しく話した。
最近、学校に来ていないことや家に閉じこもりっきりであることもかいつまんで説明した。

「うーん、なるほどね・・・・・・」

ここさんは腕を組みながら、私と直紀を見て呟く。
ふと、何か思い出したのか・・・・・・私たちを見て、あることを話してくれた。

「バン君といえば、数日前に見かけたわ」
「えぇ、本当ですか?」
「直紀君と一緒にいたから、その時に見かけたよ。ね?」

直紀に問い詰めると、ここさんを見て頷いた。直紀もなかなか言えないでいたのだろう。
私を見て観念したようで、バンのことを思い出して話す。

「ハル、実は僕もバンに相談されたんだ。ハルには何も言うなって言われてたんだけど・・・・・・・」
「バンに何を言われたの?」

直紀は眉を潜めて、私を見て考え込んだ。何か言いづらいことでもあるのだろうか。
その様子を見て、納得が行かない私は直紀を見て問い質す。

「何を言われたか教えてよ」
「その前に質問して聞くよ。数日前、誰かに後をつけられてなかった?」
「えっ・・・・・・!?」

私が何者かに後をつけられていた?
そういえば、夜道を歩いていて感じたことはこれだったのか。
どうりで何も気づかなかった・・・・・・何となく違和感を感じていた。

「確かに後をつけられていたような気がする」
「やっぱり、そういうことか」

直紀はここさんを見て頷きながら、話を進めた。
ここさんは私を見て、優しく話しかける。

「ハルちゃん、何者かに後をつけられていたっていうのは・・・・・」
「はい、本当です。けど・・・・・・」
「けど?」
「バンに話しても信じてくれるかどうか分からなかったので、直紀だけなら話してもいいかって思いました」
「うーん、ハルちゃんの後を追いかけている人物がいたとしたら・・・命が危うくなりそうだね」
「ええっ、どういうことですか?」

私はここさんを見て、あんぐりと口を開いたまま見つめた。
ショートケーキを食べながら思ったけど、心理カウンセラーの資格も持っていたとは思ってなかった。

「でも、ハルちゃんの知り合いだと思う。いつか現れてくるのを待つしかないけれど・・・・・・その時は空手で叩きのめしたら?」
「何で私が空手やってること知って・・・・・・」
「あぁ、直紀君から聞いてたの。空手部のキャプテンやってるんだって?」
「はい、そうですけど・・・・・・よく知ってるなぁー」
「しかも優勝したって聞いたよ。挨拶が遅れたけど、優勝おめでとう」
「ありがとうございます、ここさん!」
「バン君も悩んでいたのかもしれないね」
「えっ、どういうことですか?」

バンの悩みを聞いたことがなかったという。その話は直紀から聞いて知ったので、酒浸りになる気持ちが分からなくもなかった。
自分なりに考えて、導き出された結論はただ一つ。バンは何か事件に巻き込まれている可能性が高い。

「もし、そうだとしたら・・・・・・バン君は事件に巻き込まれている可能性が高いわ」
「ええっ、バンが事件に巻き込まれている?」
「よく分からないけど、間違いないよ。直紀君の話を聞く限り、前に居酒屋で起きた事件と妹が何者かによって誘拐された事件の2つを追って調べているのかもしれない」

流石、ここさん。何か推理力が冴えているというか・・・・・・うん、2つの事件が関係していると見て間違いないだろう。
それほど気にすることもなかったのだが、ここさんの推理力もなかなかのものだ。

「確かにそうですね・・・・・・」
「でも、バン君に会いたいなら・・・・・・帰りにでも寄ってみたら?」
「はい、そうします。紅茶が飲みたい・・・・・・」
「フフ・・・そろそろ、紅茶を入れましょうか」

ここさんはそう言うと、紅茶を入れてくれた。すると、何か匂いがしたので気になった。
まるで、花のような匂い・・・・・・見るからに、美味しそうな感じだ。

「これは?」
「ラベンダーティーよ。リラックスもできて、気持ちが凄く落ち着くの。良かったら、輝姫ちゃんとティアラもどうぞ」

あと2つのティーコップに紅茶を入れて、輝姫とティアラに差し出した。
試しに飲んでみると、美味しく感じられた。

「・・・・・っ、こんなに美味しい紅茶を飲んだの初めてだわ!」
「うん、なかなか美味しいね。ここはね、ランチも充実していて、凄く美味しいんだよ」

直紀の言うとおり、今日のランチもなかなか美味しかった。
輝姫とティアラも一口飲んでから、それぞれ感想を述べる。

「うーん、相変わらず美味しいです!」
「そうだね、輝姫。なかなか美味しいわ、ここ」

2人の感想を聞いて、ここさんは満足そうに頷いた。

「そう、良かったわ」
「ここさん、ありがとうございました。また来ます!」
「ハルちゃん、本当に元気が出たね。元気そうな姿を見れて安心したわ」
「はいっ! 直紀も本当にありがとね!!」

その様子を見て、直紀もコクリと頷く。直紀たちのおかげで立ち直れそうだ。

「ハル、良かったな。後はバンに会って聞くだけだね」
「うん! そろそろ出ようか」
「ああ。また来ますね」

バンに聞く決意をして、直紀と一緒にレストランを出た。
ハルは直紀と共に帰路について、バンの自宅へと向かったのだった。