二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.62 )
- 日時: 2012/10/11 17:50
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
奈良警部は悔しがっていたので、捕まえることができないことに対して不満を持っていたのだろう。
「奈良警部、辛いのは分かるけど・・・・・・」
「まあ、犯人を掴まらない限りは無理かもしれないな」
それほどでも良いならと思って考える。
奈良警部たちにとって、なす術はないかもしれないが・・・俺たちもできることがあるなら捜査に協力するつもりだ。
「まあ、そこは仕方ないかもしれないけど・・・・・・俺たちも手伝いますよ」
「いや、大学生はレポートとかで忙しいんだろう。そこまで無理しなくていいぞ」
警部は苦笑しながら、俺たちに気遣って遠慮しておくと言って応えた。
直井さんたちも同感だったようで、ヒマな時は警視庁に来てもらうからと言ってくれた。
「ごめんね、私たちだけで捜査に集中したいのよ。できることなら、協力してほしいけどね」
「由美さん・・・・・・」
警視庁の捜査一課で仕事しているのだから、忙しいのは当然かもしれない。
それでも良いなら、ヒマな時に遊びに行くだけでも大丈夫だろう。
「まあ、そっちの都合もあるしね・・・・・・そこは仕方ないんじゃないですか」
「確かにそうね・・・・・・奈良警部もこの任務にかけてるから苦労してるわ」
由美さんのからかいを受けた警部はすかさず、突っ込んだ。
「大谷、余計なことを言ったら承知しないぞ!」
「はいはい、すみませんねぇー」
由美さんと奈良警部のツッコミやボケを聞いていると、何だか和やかな雰囲気に変わった。
警視庁に遊びに来ると、意外と落ち着くものなんだろうか。
「まあ、由美さんや警部には頑張ってもらわないとね」
直井さんは苦笑しながら、溜息をついた。
やがて、時間が経った頃には夜になっていた。
警視庁からの帰り道、ハルと一緒に肩を並べながら歩いた。
「奈良警部に会えて良かったね」
「ああ、そうだな」
「由美さんも、直井さんも元気そうだね。でも、リンちゃんのことは話さなくて良いの?」
山野リンのことを思い出す。
そういえば、家に来てから慣れてないこともあるだろう。
健太と直太の姉だからと言って、気遣うところがあるようだ。
「ああ。まだ話さないほうが良いかもしれないな。リンのこともあるだろうし、俺も気遣うことしかできないだろうけど」
リンはいつも元気な姿を見せては、俺に甘えてきて話しかけてくれる。
兄という存在が身近にいないというのもあるため、いきなり素直に甘えてくることが多くなった。
健太や直太はリンのことを覚えていないかもしれないだろうが、いつか記憶が戻ると思って信じるしかない。
「そうなんだ。リンは空手やってるもんね」
「ああ。結構、たくましいよな・・・あいつ、人懐っこそうには見えないけどさ」
苦笑しながら思い出してしまうが、リンは家族の一員だと思って可愛がっているつもりだ。
ハルに似てるところといえば、俺に突っかかってくるところかな。
「そうかな? でも、リンはバンのことをお兄さんだと思ってるかもよ?」
ハルは俺を見てからかいながら、ニヤリと笑う。
その笑い方を見て、ちょっと嫌な予感がした。
「なんだよ、ハル・・・・・・」
「リンも可愛いから許しちゃうけどね、バンはイケメンなくせにカッコいいんだから!!」
ハルは両手をブンブンと振り回しながら、俺を見て歩きながら笑った。
イケメンなのは相変わらずだけど、俺は別に気にしていないから大丈夫だ。
「バーカ、そんなこと言ってる暇があったらデコピンでもしてやろうか?」
そう言ってからかいながら、ハルのおでこにデコピンを食らわせてやった。
そのダメージを受けたハルはプウーッと顔を膨らませながら顰めた。
「いでっ、何すんのよ!」
「だって、おまえが余計なこと言うかもしれないだろォ?」
そう言いながら笑って、先を歩く。
俺を見て、ハルはその後を追いかける。
「ちょっと待ってよ、バン!」
俺の後を追いかけながら走り出す。
苦笑しつつも、ハルを見守る。
「ハハハ・・・・・・」
俺は幼馴染のハルと一緒にミソラタウンへと帰っていった。