二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.836 )
- 日時: 2012/12/02 13:16
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
短編を載せます!
それでは、ヒロナオ編スタート!!
短編5(ヒロナオ編)
タイトル:ヒロの複雑な思いとは?(ナオ視点)
大学2年の冬、本格的に寒くなってきた頃はセーターとか着なきゃ行けなかった。
それでも、幼馴染の大空ヒロには会っていなかった。大学に来なくなって、1週間くらい経つ。
「ナオ、ヒロが来ないのはどうして?」
「私も分かりません・・・・・・・」
山野バンの幼馴染であり、空手部の先輩でもある人見晴香に聞かれる。
ヒロのことが気がかりで今朝、自宅に行こうとしたのだが・・・・・・・怖くて行けなかった。
「うーん、やっぱり怪しいわ」
「でも、あいつが浮気なんてするはずがないと思うし、気のせいじゃないかと思うんですよね」
「そうよね。でも、バンに聞いてみた方が良くないんじゃあ・・・・・・」
ハルさんの言葉を聞いていたのか、どこからか聞きなれた声が聞こえた。
「ハル、何を聞きたいんだって?」
振り返ると、山野バンがいた。ヒロの先輩でもあり、私も仲良くしてもらっている。
この人に聞いてみるのが手っ取り早い。なので、バンに問いただすことにする。
「バンさん、ヒロを見かけませんでしたか?」
「あぁ、見かけたけど・・・・・・声かけようとしたら、女の子がいたよ」
「女の子!?」
「うん、浮気しているような感じではないみたいだ。ただ、ちょっとね」
「何がちょっとなの、バン?」
バンが言うには、2人の後を追いかけたようで見失ってしまったのだという。
何か知られたくないことでもあるのか、ヒロは私を気遣っているんじゃないか。
「バンさん、ヒロを追いかけましょうよ」
「ちょっと待て、何でそうなる」
「あいつを放っておくわけにはいきません!!」
「それは分かったから、ナオはヒロのことをどう思ってんの?」
ヒロのことをどう思っているか、それは当たり前だから好きだ。
ただ、ヒロの帰りを待ってやるのも良いんじゃないかと思う。幼馴染として気遣うつもりなので、問い質さないと!
「ヒロのことは今も好きですけど、幼馴染として仲良くしてるわけです」
「そうか、あいつが何をしでかすかも分からないな」
「ですよね、連絡しようがないし、コールしても繋がらないことが多くて」
「なるほどね、まぁ帰ってきたら聞くと良いさ」
「そうですね!!」
バンに言われつつも、素直に頷くしかなかった。
時間が経ち、夜11時ちょうど。クレーズヒルズにあるヒロの家で帰りを待っていた。
「11時か、それにしても遅いな」
そう言って呟きながら考え込んでいると、CCMの着信音が鳴った。
それを取り出し、耳に当てると聞き覚えのある声が聞こえてきた。
『ナオ、僕んちにいるのー?』
「そうだけど・・・・・・あんた、今どこ?」
『ヒック、もうすぐ着くからー。話は家で聞くからいい・・・・・・』
酔っ払いらしく陽気な声を出して言うヒロ。その様子を見る限り、どこかで飲んできたのだろう。
でも、気がかりなことがあった。ヒロの隣にいた女性のことが知りたくて気になる。
「分かった。着いたらインターホン押して」
『あぁ、分かってる・・・・・・・・』
プツンと電話が切れて、ツーツーツーと鳴っていた。いきなり切れることって・・・・・・有り得ない。
いや、突然切れたとでも言うのか。そう思っていたら、いきなりインターホンが鳴った。
『ピンポーン』
大慌てで玄関に駆け寄り、ドアを開くと幼馴染の大空ヒロが突っ立っていた。
かなり飲んできて、ベロンベロンになっていた。珍しく飲んできて、ここまで泥酔するとは思っていなかった。
「ただいまー」
「おっ、お帰り・・・・・・」
ヒロはフラフラと歩きながら、家の中に入った。それを見て確認した後、靴を脱いで上がる。
居間に向かうと、ソファに座り込んで転寝しているヒロの姿が目に映った。
「ちょっと、ヒロ起きてよ」
「ん〜? なんだよ・・・・・・」
「話を聞きたいんだけど、どこで飲んでたの?」
「それは何も言えないけどォ・・・・・・そこで飲んでただけー」
私に知られたくないことでもあるのか、ヒロは目が据わったままの状態で見つめていた。
酔っ払っているのか、かなり飲んできたかもしれない。これは完全に泥酔している証拠。
「まさか、浮気してたんじゃないでしょうね?」
「してないってー・・・・・・僕がそんなことすると思う?」
「そこが怪しいから聞いてるだけ。いくらなんでも女の子に絡んできて付き合うって言うのが・・・・・・」
その言葉を聞いた瞬間、ヒロの目が大きく見開かれる。なぜ、そんなことを知っているのか。
動揺を隠せないヒロの様子を見て、バンさんが言ったとおりだと納得する。
「何で知ってんだぁ、ナオは見てないくせによく言うよ」
「バンさんに聞いたんだよ。見かけた時に声かけようとしたけど、女の子と一緒にいたって言うから」
「バンさんがぁ? へぇー見かけたなら言ってくれれば良かったのにーひっく」
ブチッ!
ついに怒りが最高潮に達した瞬間、ヘラヘラ笑って誤魔化そうとしているヒロの頬を殴った。
「いてぇ、何すんだよ」
「勝手に付き合いなさいよ!」
「おい、ナオ・・・・・・・」
怒りが収まるはずがなかった。絶対に浮気している証拠だ。
ヒロが言い訳しても聞かない、それなりに聞きたくないという気持ちが強まっていった。
「あんたはここで寝なさいっ!」
「なんだよ・・・・・・・」
ヒロは不満そうに言って、ソファーに横たわる。
私はヒロの部屋のベッドで寝ることにして、怒りが収まるまで待つことにしたのだった。