二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.933 )
- 日時: 2012/12/09 22:02
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第42章 謎の青年・恵寿、ついに登場!(前編)・・・キラード団のアジトの位置を掴め!
(ストーリーモード;バン)
目の前に現れた青年を見て驚く俺たち。青年は冷静に汲み取りながら、俺の前まで歩み寄る。
「もしかして、何か事件が起きたんですよね。僕にも協力させてください」
「何で分かったんだ? 俺らは出かけるところだったんだぞ」
「ええ、行く前に聞こうと思ったんですが・・・・・・」
青年はズボンのポケットからあるものを取り出して見せた。それを見て納得する。
5年前の事件に関連する新聞であり、何か重要な手掛かりになりそうだ。
「うーん、これさえあれば目撃証言が得られるな。でも、リンたちがあそこにいる可能性も高い」
「バン、その子の名前を聞いといた方がいいよ」
「ああ、そうだったな」
ハルに促されて、俺は青年に声をかけてみる。
「俺は山野バン、よろしくな」
「僕の名前は恵寿(けいじゅ)と申します。よろしくお願いします」
恵寿と名乗った青年は礼儀正しく挨拶しながら、俺を見て言う。
ヒロみたいに素直な性格ではないが、冷静で取り乱すことはない。
「なぁ、LBXは持ってないの?」
「僕は持ってませんよ。メカ作りが趣味なので、プラモを作るのが好きなんですけどね」
「じゃあ、修理とかできるのか?」
「はい。僕、こう見えてもメカ作りだけは得意なので修理とかできます。戦略もあれば、僕が伝えますよ」
「頼もしいな、恵寿。そういうことだから、仲間に入れるか」
後ろにいるハルたちを見て、満足そうに頷く。恵寿も俺たちを見て、コクリと頷いた。
ハルたちの自己紹介が済んだ後、俺たちは地図を広げて調べる。
「問題はキラード団のアジトの位置だな」
「そうね。どこかに隠されていそうな気がするけど、何か引っかかるんだよね」
「ハル、何か気になることがあるのか?」
「うん、ちょっとね・・・・・・」
ハルが腕を組みながら考え込んでいる。その時、輝姫が叫びながら言う。
「バンさん、光度計の仕掛けに関係する場所があるとしたら・・・どう思いますか?」
「そりゃ、どこかで見つかるはずが・・・・・・あっ!」
輝姫の一言で場所の位置が特定できそうな気がした。リンたちが囚われている場所は裏通りの廃墟ビルのどこか。
そこにキラード団のアジトがあるとしたら、リンたちはそこにいる可能性が高い。
「なるほど、そういうことか」
「え、バンさん?」
輝姫は俺を見て驚きを隠せなかった。彼女のおかげで少しずつ分かってきた。
もしかすると、あそこかもしれない。そういった確証はないが、輝姫の一言で少しだけ解けてきた。
「光度計の仕掛けがあるとしたら、何か光るものがあれば解けるよな」
「あっ、それです。私が言いたいのは、仕掛けを解く謎の1つとして光るものが出ていれば解けるんじゃないかなって」
輝姫の話を聞いて納得するハルたち。直紀も輝姫の言葉を聞いて分かったようだ。
問題は光度計があるという場所、考えられるのはトキオシティ。
「トキオシティのどこかに隠されている可能性が高いということになるな」
「バンさん、僕の意見を聞いてください」
「恵寿、何か気になることがあるのか?」
「はい。僕も輝姫ちゃんの言葉を聞いていて思ったことがあります」
「思ったこと?」
恵寿が思ったこと、というのは何か?
腕を組みながら、彼は冷静に状況を把握した上で意見を述べた。
「光度計が仕掛けられているのは、その場所の中にあるんじゃないでしょうか?」
「その中に仕掛けが施されているということか・・・それも有り得るな」
「バンさん、仮にその場所で仕掛けが施されたとしても罠とか出る可能性は有り得るかもしれません」
恵寿が言いながら、俺を見つめて言う。その時、ティアラが俺たちを見て呟く。
「仕掛けが施されたのなら、そこに行けば良いんじゃないの?」
「ティアラさん、そこに行く前に場所の位置を特定させた方がいいと思います」
「そうだけど、どうやって特定するの?」
「とりあえず、僕たちで解きながら考えるしかないですね」
地図を見て、ゆっくり考えた。その謎を解くことが第一だ。
俺はふと、ハルの言葉を思い出しながら考える。リンを助け出すにしても、どうやって解けばいいのか悩んでいた。
「トキオシティに行ってみて探すのもありだけど、みんなはどうだ?」
「とりあえず、あそこに行ってみて探すのが手っ取り早いかもしれませんね」
ヒロが俺を見て頷きながら納得する。彼の意見を聞いたハルたちも頷いた。
俺たちは手掛かりを掴むため、ミソラタウン駅からトキオシティへ向かうことにした。
少し経って、トキオシティに到着したのと同時に周りを見回した。
辺りは暗くなっていて、酔っ払いや出かける人々が歩きながら向かっている。
その様子だと手掛かりが得られる可能性が高まるのかもしれないが、果たして掴むことができるのかも分からない。
「とりあえず、着いたのは良いけど・・・・・・その後はどうする?」
「一緒に歩きながら探すぞ。メインストリートじゃない場所にいるかもしれないからな」
恵寿が思い出したかのように、地図を引っ手繰る。何か分かったのだろうか。
「恵寿?」
「バンさん、裏通りに行ってみましょう」
「何で裏通りだよ?」
「僕の直感ですよ。ちょっと引っかかることがあるんで、そこに行ってみませんか」
恵寿の意見を聞いて、俺はハルたちと顔を見合わせる。
彼が何かヒントを掴んだのか、地図を持ちながら考え込んでいた。
「どうする?」
「とりあえず、あいつを信じよう。結論はそれからだ」
恵寿を見て信じることに決めた。トキオシティのメインストリートじゃないなら、裏通りしかないということになる。
そこに行ってみて確信を得ることができたらと思っていたので、恵寿の後を追っていった方が良さそうだ。
「そうだね。じゃあ、そこに行ってみようよ」
「ハルさん、みんなもそう思うなら行きましょう」
「恵寿、そこで何かあるか分かんないから行くしかないよな」
「はい! 皆さん、行きましょう!!」
恵寿は地図を持ちながら走り出す。俺たちもその後に続いて向かった。
そこに向かった先で待ち受ける展開とは?