二次創作小説(紙ほか)

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.958 )
日時: 2012/12/12 12:58
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第44章 キラード団のアジトに乗り込んだバンたち、そこで待ち受ける展開とは?

(ストーリーモード:バン→ハル)

俺たちはキラード団のアジトに乗り込み、そこに現れた手下たちと対峙していた。
そこで待ち受けていた展開は、俺たちがここに来ると踏んで待ち伏せていたという罠。

「こいつら、俺たちをどうするつもりなんだ?」

立向居は顔をしかめながら、溜息をつく。
目の前に置かれている状況を見る限り、何かとんでもない展開に持ち込んできそうなのは確かだ。

「くっ・・・」

こんな時、どうすれば良いのかと思いながら考え込んでいた。

(---------くそっ、こいつらがいると厄介なことに巻き込まれてしまうな)

そう、目の前にいる手下たちを相手にして戦う以上-----------------
確かに巻き込まれたら、厄介なことになってしまうのは間違いない。

「じゃあ、強制突破するしか他はないのか」

直紀が呟いた瞬間、あることを閃いた。
強制突破できれば、ヒロたちがいると思われる場所に辿り着けるかもしれない。
しかし、大勢の人数を相手にしたら時間がかかってしまう。

「バン、ここは私が食い止める!」
「えっ、でも----------------------」

子犬が居る以上、ハルを放っておくわけにはいかない。
そう思いながら見ていたとき、楓やナオが同時に俺を見て立ちはだがる。

「ここは私たちに任せてください。バンさんは子犬を連れて、すぐ逃げてください!!」

ナオの揺るぎない意志を見て納得した。その様子を見ていたヒロはナオを見て驚く。

「ナオ・・・」
「ヒロ、あんたはバンさんたちと一緒に行って! 後から追いつくよ」
「うん、分かったよ! ナオ、こいつらのことは任せたぞ!! バンさん、先に行きましょう」

ヒロの言うとおり、ここは3人娘の空手コンビに任せるしかなさそうだ。
輝姫とティアラはどうしようかと思ったその時、ティアラがボキボキと腕を鳴らしながら呟く。

「私も混ぜてくれる? こいつらを叩きのめしたくなってきた」
「えっ、ティアラ姉・・・・・・」

輝姫が目を見張りながら、驚きを隠せないといった表情を見せる。
それでも、彼女はマジギレモードに突入しかけているのだろう。

「輝姫、あんたはバンたちと一緒に行って! ここはオレが食い止める」

ティアラのマジギレモードになる直前、私からオレに一人称が変わったことに気付いた。
輝姫は動揺していたが、すぐに頷いた。

「うん、分かった! ティアラ姉、後から追いついてね」
「ティアラ、気をつけてよ。大人数相手に叩きのめされないようにしなさい!」

ここさんがティアラを見て、輝姫の右手を引っ張って逃げ切った。
その背後を見届けたのと同時にティアラはコクリと頷いて納得する。

「OK! 後は任せな!!」

ティアラもケンカに乗り出す気満々のようだ。
手下たちのことはハルたちに任せて、俺たちはすかさず強制突破して逃げ切った。



先にバンたちを逃がしておいたところまでは良かった。でも、目の前に置かれている状況はさっきと比べて変わりはない。
ティアラが手下たちを見て欺くかのようにして睨みつける。

「さて、おまえらァ-------------------・・・・・・どうなるか分かってるね?」

ティアラがボキボキと腕を鳴らしながら、ケンカ腰になっている。
あんな彼女を見るのは初めてだったし、私たちも動揺を隠せなかった。

「ティアラ・・・・・・」

ティアラは喧嘩っ早く、意外なことにキレる時がある。あんなにキレられたら怖いなってつくづく思った。

「ヒッ!」

手下たちはティアラを見て怯んだ。ティアラの怒りを感じるのは時間がかからなかった。
その隙を突いた私たちは空手で身につけた技を応用して叩きのめしていく。

「はあああっ!」

強烈な蹴りを決めたり、パンチをしながら殴ったりしていく。
それでも、体力は徐々に消耗していった。こんな時、バンなら何をするだろうか------------

「くっ・・・・・・」

人数が少しずつ減っていき、ようやく時間かけて戦う。
ナオや楓も体力を消耗しながら、必死で戦いながらサポートしていった。
それでも、私は何があっても諦めない。ティアラも体力があるようで、身体のキレは思ったより鋭い。

「くらぁっ!」

ティアラは得意の手刀で叩きのめしたり、強烈な回し蹴りを繰り出していく。
そのティアラを見て頼もしく思えるようになったのか、私はキッと鋭い目で相手を睨みつけた。

「体力だけは負けないよ!」

そう言いながら、果敢に立ち向かっていく。
徐々に減っていき、倒れ込む手下たちはまるで気絶させられたかのようにうつ伏せていた。

「「「「ハァハァ・・・・・・」」」」

4人は肩を揺らしながら、苦しそうに息を吸っている。体力が限界に近づいてきているようでヤバいと悟った。
残るは、あと5人・・・・・・こいつらをどう倒すかだ。体力の限界に達していた私たちは息を荒くした。

「どうする、ハル?」
「くっ・・・・・・」

楓が心配そうに話しかけてきたので、どうにかなるもんじゃないと思いこんでいた。
その時、後ろから聞き覚えのある声がした。

「みんな、伏せろ!」

その同時に伏せた瞬間、缶ビールと2つのバスケットボール飛び出してきた。
缶ビールとバスケットボールは2つの手下の顔に当たったが、そいつは顔をしかめながら倒れ込んだ。

「いってぇ、誰だよ!」
「楓たちに手ェ出すんじゃねぇよ-----------------」

目の前に現れた男性を見て驚く。勇気に似ているような感じがしてならなかった。
楓が目を丸くしながら、驚きを隠せないかのようにして動揺を見せる。

「な、直毅!?」

そこに現れた青年・立向居直毅はヒックと呻いた後、空になった缶ビールを拾いながらも冷たく言い放つ。

「テメェらは俺が纏めて、全員相手してやるよ」

直毅は私たちの前に立ち塞がり、目の前にいる5人の手下を見て睨みつけた。
その様子を見た楓は呆然として見つめていたが、直毅に託すしかないと悟ったようだ。

「直毅先輩の後を追ってみたら、こんなことになってるとはね」
「黄瀬、青峰も一緒かよ」

黄瀬涼太、青峰太陽&大輝の兄弟コンビもやってきていたことには気づかなかった。
ケンカなら、大輝の方が強そうに見えるが・・・・・・短気なところは相変わらずのようだ。

「太陽、大輝、黄瀬君まで・・・・・・」
「まぁ、俺らが叩き潰す。おまえら、覚悟しとけや」

青峰大輝が5人の手下に向かって、冷たく言い放つ。黄瀬や太陽もコクリと頷いた。
直毅はニヤリと笑いながら、残り5人の手下に向かってファイティングポーズを取る。

「さっさとかかってきやがれ」
「なんだと、ゴルァ----------------!」

直毅の挑発に乗せられた5人のうち、1人の手下がついにキレた。
果たして、直毅は青峰兄弟、黄瀬とのコンビで叩きのめせるのか?