二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.959 )
- 日時: 2012/12/12 17:21
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第45章 立向居直毅・青峰兄弟・黄瀬、ただいま参上!
(ストーリーモード:直毅)
直毅は黄瀬・青峰兄弟と共に駆けつけてやってきた。ハルたちの前に立ち塞がり、顔を顰める。
「だいたいなぁ、こんなところにいてやってられねーぜ。面倒くせぇから、さっさと片付けちまうか」
「直毅、それ言うならそっくり言い返すぜ。俺もやってられっか!」
「あん? 太陽、調子こいてんじゃねーぞ。さっさと倒しちまうか」
俺は青峰太陽とつるんでいることが多い。黄瀬とは大輝を通じて知り合った後輩の1人だ。
面倒くせーけど、こいつらを潰すのには都合がいい。それならば、自力で倒していくつもりだ。
「俺は2人を倒す、太陽たちは残り3人倒しちまいな」
あー面倒くせぇ、と言いながら睨みつけた。不良じみた格好をしてんのは俺だけだったりする。
それならば、太陽たちは俺と性格が似ているわけではない。まぁ、それは置いといて勝負といきますか。
「直毅、どうすんの?」
「まぁ、楓は黙って見てろって」
缶ビールを持ったまま、ヒックと呻いた。楓は思わず、顔を顰めていた。
楓は俺を見て驚きを隠せずにいたが、目の前にいる5人を睨みつけたままだ。
「どういうつもりだ、俺たちの邪魔しやがって!」
「あ? ケンカを吹っかけてきたのはそっちだ」
俺は空になった缶ビールを手に取りながら、ポイポイと上げてキャッチしている。
5人のうち、1人の手下が俺に突っかかってきた。
「やれるもんならやってみろよ!!」
直毅は溜息をつきながら、楓の方に向かって缶ビールを渡して投げた。
ボクシングで言うファイティングポーズを構えた後、1人目の手下を見て避けた。
「なっ・・・・・・」
避けるのが見え切れていないのか、その動きの速さに翻弄されてしまう。
だてにボクシングやって鍛えてないからな、そのスピードの速さには自信がある。
「テメェら・・・・・・俺のことを甘く見るんじゃねえよ」
「なんだとォ---------------------!!」
突っかかりながら襲い掛かったのと同時に殴り返した。そのダメージを受けた1人目の男は気絶して倒れてしまった。
俺は面倒くさそうに4人を見つめる。その隙を疲れたかのようにして呆然と見つめていた4人は動揺を隠せない。
「テメェら、俺の友達に手を出したらタダじゃおかねーぞ」
「まさか、立向居直毅?」
ケンカで知らない者はいない。荒くれ者で有名だったとか言うそんな話だ。
ボクシングで強かったらしく、かなり有名だったという。まぁ、それはあくまでも事実に過ぎないのだが。
しかし、ある出来事を境に、酒浸りになってしまったという経緯を持つ。
「あぁ、いかにも俺だけど?」
「飲んだくれがボクシングだと?」
「うるせー俺は好きでやってるわけじゃねえ、文句あるなら言えよ!」
ボクシングは成り行きでやっていただけのこと。元はサッカーが好きでやっていたけど、止めていた。
酒浸りになり、荒れまくっていた俺の心の傷を癒してくれたのが家族の存在だった。
勇気や涼気に苦労をかけさせて、3人で暮らそうってなってからも酒を飲み歩いて帰る毎日を送っていたのだ。
「おまえら、纏めてかかってきな」
「ちょ、直毅先輩!?」
黄瀬が目を丸くして驚く。喧嘩っ早いのは相変わらずなところだ。
元々、俺はケンカするのが大好きだったからだ。勇気は薄々、感づいていたみたいだけど・・・・・・涼気も勇気から聞いていたので、少しだけ知っていた。
「なーんてな、太陽たちに任せた」
「そういうことならいいっスよ」
黄瀬は青峰大輝と一緒に突っかかりながらも一緒に纏めて殴ったり、蹴ったりしながら叩きのめした。
残りの手下どもを倒した時点で、もう既に用済み。俺はパンパンと両手を叩いてから溜息をついた。
「楓ェーこんなところで何やってんだぁ?」
「こっちの台詞よ! 何でここに?」
楓は俺に歩み寄りながら、突っ込みを入れた。楓の突っ込みはいつも以上に鋭い。
まぁ、俺も心配してついてきただけだけど・・・・・・どうも見てられなくて困っていた。
「酒を飲んだ帰りに見かけてよォーこんな時間にほっつき歩いてるなんておかしいと思って、後をついてきた」
「追いかけてきたってこと?」
「うんにゃ、そうなるな」
俺はポツリポツリと楓たちに向かって話し始めた。
事の発端は2時間前、トキオ大学近くの居酒屋で酒を飲んでいた。
いつものように、酒を飲んで帰ろうとする俺は生ビールのジョッキを煽って言う。
「なぁ、だんな・・・・・・俺、飲んでて気分が良いんだよ」
「いいことでもあったの?」
「いーや、別にないですよ。ただ、ちょっと気になることが・・・・・・」
楓のことが気がかりだった。最近、駅前で出くわすようになって絡みながら話していることが多い。
勇気は楓のことを知り尽くしているので、幼馴染とも言えるだろう。俺は楓の気持ちが分からなくもなかった。
「まぁ、俺だけ飲んでて寝ちゃうのが嫌なんですけどね」
「直毅、そこまで無理しなくて良いんじゃないの」
「いや、俺はそんなこと言ってませんって・・・・・・」
ヘラヘラ笑いながら言う俺は生ジョッキを煽って飲んだ。ウイスキーを飲むのも良いよな。
マスターが俺のところに度の強いウイスキーを差し出してくれた。
「これ・・・・・・」
「飲んでみるか? 酒好きなら気に入るかなーって思ってな」
「飲みます。ありがとう、だんな・・・・・・」
グラスの中にウイスキーを注いだ後、左手で持って煽った。
うまいというより、飲み過ぎが効いたみたいで眠くなってきた。
「ふぁー・・・・・・寝るー」
左手でコップを持ったまま、突っ伏してしまった。そして、夢の世界へと旅立っていった。
少し経ってから携帯の着信音が鳴った。眠そうに身じろいだ後、ズボンのポケットから取り出してみる。
着信というより、1通のメールが来ていた。差出人は兄の涼気だった。
「兄貴、こんな時間にメール?」
そう言いながら呟き、突っ伏したまま操作して開く。すると、メールの文章はこんな感じで書かれてあった。
【直毅、楓が帰ってないけど・・・・・・見かけた?】
見かけてねえよ、こんな時間に出るか。あいつ、勇気と仲が良いわけだし、俺はどうでもいいやと思った。
仕方なく、涼気にメールの返信してから帰ることにした。
【見てねえよ、俺は酒飲んでたー。探しに行くからさぁー】
酒を飲んでいたので、仕方ないと思う。涼気があれだけ心配するということは事件に巻き込まれたか。
うーん、嫌な予感はしないが・・・・・・さっさと外に出て帰ることにした。