二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.979 )
- 日時: 2012/12/14 13:39
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第46章 キラード団のアジトⅠ 催眠の部屋で待ち受ける罠とは?
(ストーリーモード:バン→ハル)
地下に通じる階段を駆け下りていった先にあったのは、1つのドア。
そこに何かが隠されているような気がしてならないのは、気のせいだろうか。
慎重に部屋のドアを開けて入ると、目の前に現れた光景は奇妙な感じになっていた。何かの部屋だろうか。
「ここ、何か微妙だな」
「確かにそうだな。それにしても、ここは何の部屋なんだ?」
周りを見回す限り、キラキラと光っていて綺麗な感じになっている。
まさにプラネリタウムとしか言いようがない・・・この部屋は極めて奇妙だと感じてしまう。
「うん、僕もちょっと気になるけど・・・・・・・」
「信助、それ言うか。待てよ、あの機械は何なんだ?」
立向居が指差した先には、1つの機械があった。それに触れたら、どうなるか分からない。
機械といい、この部屋といい・・・・・・何か嫌な予感がしてならなかった。
その時、ヒロがあることに気づいて考え込みながらも意見を言う。
「この部屋、もしかして・・・・・・催眠の部屋じゃないんですか?」
「催眠の部屋?」
ヒロの言葉を聞きながら考える。催眠の部屋=眠りの世界へと誘うところではないか。
つまり催眠術にかかったら、身動きが取れなくなってしまう可能性が高い。
「よく考えてみたら、眠りの世界へと誘うよね」
「やっぱり仕掛けが施されていそうな感じがしてならないですね」
「ああ。それに嫌な予感がする。この部屋はいったい、誰が使ってるんだ?」
嫌な予感がしてきたので、いったん戻ろうかと思っていた矢先。
背後から聞き覚えのない声が聞こえてきて、後ろを振り返ると見知らぬ青年が居た。
「そこまでだ、山野バン」
「何で俺の名前を知って・・・・・・」
突然のことに動揺を隠せない。青年はニヤリと笑いながら、俺たちを見回す。
見たところ、20代半ばだろうか。その割には冷静に汲み取っているようにも見える。
「もう1人の催眠術師、高遠遥一だ。僕の催眠術に触れられたら、逃げられんぞ」
「高遠って、まさか!」
ヒロがあることに気づいて、青年が何者なのかも分かったようだ。
何かを思い出したのか、ヒロはようやく重い口を開けて言い放った。
「高遠、もしかしておまえ・・・・・・小学校の時に引っ越してった?」
「大空、久しぶりだな。小学校に引っ越して以来か、こんなところで会えるとはなぁ」
「高遠、何でお前がここにいるんだ?」
ヒロは動揺を隠せず、そこで再会を果たしてしまうとは思っていなかった。高遠と知り合いだったことも知らなかった。
どういう関係なのかも知らされていないが、ヒロは高遠に向かって言い放つ。
「邪魔者を消すためにね、ここで眠ってもらうよ」
「高遠、どうしてだよ。催眠術師やってて、何が面白いんだ!」
「そうか、眠りの世界へ連れてってあげよう。催眠の醍醐味を見せ付けてやるよ」
そう言ったのと同時にフッと電気が消えた。周りを見回しながら探していたその時、俺の耳に何か聞こえてきた。
「眠りの世界へようこそ、今から催眠をかける」
「なっ!?」
その言葉を聞いたのと同時に催眠をかけられ、目がトロンとしてきた。
睡魔に負けてしまいそうになるのを堪え、必死で耐えようとする俺たち。
「うっ、眠くなんかないぞ」
「それはどうかな?」
高遠の声が聞こえてきて、だんだんと深い眠りに落ちていく。
まるで、歌声を聞いているかのようにして倒れこむようにして伏せて、眠りの世界へと旅立っていった。
その頃、ハルたちはバンたちの行き先を探しながら走っていた。
「バン、電話に出ない・・・・・・」
さっきから何度もコールしているのに、なかなか応答しない。
どこかの部屋に居そうな感じがするのに、嫌な予感がしてならなかった。
「どこかの部屋に居るはずっスよ。とにかく追うしかない」
「黄瀬君、どこかの部屋が空いていたとしたらどう思う?」
「そりゃあ、あそこまで行くしかないっしょ。青峰っちは?」
黄瀬は文句を言いながらも、すぐに答えてくれる。大輝はだるそうに走りながらも、黄瀬を見て睨みつけた。
「うっせぇ、俺だって協力してやってんのによォ」
「まぁ、そう言うなって・・・・・・」
太陽が大輝を宥めながら、私たちの後について行っている。
直毅はだるそうに顔をしかめながら溜息をつく。
「おまえら、ゴタゴタ言ってっと置いてくぞ」
直毅の文句を聞きながら走り続けていたその時、1つの部屋が空いていることに気づいた。
ドアを開けて入ると、床下に階段があることに気づいて驚く。
「こんなところに階段?」
「バンたちはこの階段を降りていったかもしれない」
楓が首をかしげたのと同時に推理した。バンは恐らく、みんなと一緒に階段を駆け下りた。
そこで何かが起きようとしている可能性が高い。とりあえず、慎重に降りていくしかないようだ。
「よし、みんな行くよ!」
地下に通じる階段を駆け下り、1つの部屋に辿り着いた。
慎重にドアを開けて入ると、目の前に現れた光景を見て驚愕する。
「ちょ、みんな!?」
バンを含む仲間たちの殆どが倒れ込んだまま、気持ち良さそうに眠っている。
いったい、何が起きたのかも分からないまま、動揺を隠せずにいた。
バンは仰向けに倒れ込んだまま、壁に寄り添って眠っている。ヒロはカーテンの隙間に入り込んだまま、うつ伏せて寝ていた。
「ヒロたちまでやられてる! これ、どうなってんの?」
「うーん、何かヤバいんじゃない?」
ナオと楓がそれぞれ感想を言い述べた後、どこからか聞きなれない声が聞こえた。
「ククク、催眠の部屋へようこそ」
目の前に現れた青年を見て、ナオはあることに気づいて驚く。
すると、ナオの口から意外な言葉が飛び出してきた。
「まさか、高遠遥一?」
「久しぶりだね、小野」
ナオを知っているということは、もしかして知り合いなのか。
目の前に現れた青年・高遠遥一とはいったい、何者なのか?