二次創作小説(紙ほか)
- Re: カゲロウデイズ 挿絵あり 【混濁リザルト】執筆中 ( No.104 )
- 日時: 2013/06/10 21:49
- 名前: 麻香 (ID: YtZV6/SZ)
- プロフ: http://mb1.net4u.org/bbs/kakiko01/image/1420png.html
≫Story*Ⅱ 〜混濁リザルト〜
02))ヒキニートは基本、暇。
「………誰それ。」
そんな言葉を呟いたのは誰だっただろう。たぶんオレだったと思う。
それはこの場にいる全員が持った疑問である(ツキヒは何も考えていなかったかもしれないが)し、持つべき疑問だった。
不安そうに、しかし好奇心旺盛なキラキラした目で俺たちを見比べている、それは。
「迷子だ。ここの前で拾った。」
子供だった。五歳ほどの、クセのある茶髪くらいしか特徴のない、その辺にうろついてそうな平凡な少年。
キドいわく“迷子”らしいが、泣きわめいたりする様子もない。
キドのことだ。
拾ったはいいものの、子供の扱い方が分からず持て余して、とりあえずアジトに連れてきたのだろう。
といっても誰が相手するつもりなんだ。マリーは驚くべきスピードでソファの後ろに隠れてしまったし、ニヤケ面のカノでは子供が逆にビビるし、さすがにエネは見せるわけにはいかないし、ツキヒは論外。
……こういう面倒事は結局オレに回ってくるんだな。
「僕、迷子?名前は?」
一週間分くらいの集中力と体力を消費させて笑顔を作る。
エネが嬉々として録音したがるような、自分でも若干引くくらいの猫撫で声だ。
「…………アモウ、ナル。4さい」
が、その気持ち悪い声にも引くことなく(自分で言うのもちょっと引くが)、子供ははっきり答えた。
やっぱり子供らしくあどけない、平凡な声だ。当り前だが。
「アモウっていうと……天羽か。ナルってどんな字書くんだ?」
「えっとね、セイチョウのセイって字。」
「成か。」
天羽成。珍しい名前かどうかは分からないが、あまり無さそうな今風な名前ではある。
そういえばメカクシ団って今風な名前の奴いないな。エネくらいか。
そもそもエネも本名かどうかは分からないしな。
「で、ナル。どこで迷子になった?」
「ママに会いにいこうと思ったんだけど、道わかんなくなっちゃった。」
「ママに?」
「うん。ママがビョウキでビョーインにいるからね、ぼく、パパにナイショで会いにいくの。」
そうきたか。感動モノか。
ますます面倒臭い。
「この辺なら病院なんて1つしかないし、物騒だし送っていってあげたら〜?」
これはカノ。完全に他人事である。そのニヤケ面やめろ。
まあ今日1日暇なので(ニートなので)別に良いのだが。
「お前は行かねーのかよ。」
「ん〜。僕、調べものあるから。」
「なんだよそれ。キドは?」
「俺も無理だ。セトがバイト関係で手伝ってほしいことがあるらしくてな。」
「そっか。マリーは?」
「行く。迷子はかわいそうだもん。」
「ん。じゃあ、……………えっと………………ツキヒは……?」
「…………………………。」
「…………………………?」
「…………………………………行きます。」
マジですか。
なんとなくこいつのキャラ掴めてきたような気もするが、急激に胃が痛くなってきた。