二次創作小説(紙ほか)

Re: カゲロウデイズ 挿絵あり 【奔走アピア】執筆中 ( No.41 )
日時: 2013/06/13 21:57
名前: 麻香 (ID: iNyRJaKN)

≫Story*Ⅰ 〜奔走アピア〜

O3)地獄。そして、崩壊。


「……………は?今、何て言った?」

皆が黙ったままなので、仕方なくオレがモモに聞き返す。
嫌なんだよな。この役。

「だ〜か〜ら〜、デミグラスソースっ!お客さんから差し入れで貰って食ベたことあるんだけど、甘いチョコレートに濃厚なデミグラスソースがマッチしてすごく美味しいんだよ!」

新人グルメリポートのようなセリフを発し、夢見がちな乙女のごとく潤んだ目をするモモ。
というか、デミグラスソースがけチョコレートケーキの差し入れとか嫌がらせではないのか。

「面白そうっすね。皆で一諸に行かないっすか?こうして集まるのも久しぶりだし。」

セトがとんでもないことを言い出した。
おそらく事態の重大性を理解していないのだろう。人畜無害な顔でニコニコしている。
と、そこへマリーまで加勢した。

「ねぇ。キド、行こうよ。」

「お、俺かっ!?」

「うん。モモちゃんはキドが一緒じゃないと行けないよ。“目を奪う”能力があるから。」

“目を奪う”能力とは、他の人がどんな状況であろうと全員の視線を自分に集めることができる能力であり、モモ特有の能力だ。
それはさておき、雰囲気が「ケーキ屋に行く」流れになっている。
これは少しマズい状況だ。

しかもカノの姿がいつの間にか消えている。アイツ、逃げたな。
しかし、オレも人の文句を言っている場合ではない。
早急に携帯電話の電源を切り、この場を離れなければ————!!

「ご主人!行きましょう!!」

遅かった。
すでに、ケーキを食べて悶絶するオレの声を録音&コレクションに追加する気満々の少女の声が携帯電話から流れ出す。

「エネ、ちょっと相談しないか?ほら、何か欲しいものあったら買ってやるぞ?漫画とか菓子とか…………っ!」

「…………ご主人。ご主人が行かないと言うのであれば、私はご主人の秘蔵画像コレクションの一部をキドさんとカノさんのケータイに転送することになりますよ?」

…………決定。今日は厄日になるだろう。