二次創作小説(紙ほか)
- Re: カゲロウデイズ 挿絵あり 【奔走アピア】執筆中 ( No.83 )
- 日時: 2013/02/21 22:19
- 名前: 麻香 (ID: bZS8tN2c)
≫Story*??? 〜闇色リコール〜
さて。どこから話そうか。
わたしの話はとても長く、なおかつあなたにとって不愉快極まりない内容になるだろうね。
それでもあなたには、この話を聞く義務がある。
でも。きっと、聞きたくてたまらないでしょう?
心まで真っ黒に染まって狂った人間の、滑稽でありきたりな話、とか、さ。
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わたしは昔から人が嫌いだった。
というか、人が嫌いになってた。
高校生になった今でも、人の温かさとか優しさが嫌で嫌でしょうがないんだ。
だってわたしは。そーいう人の良心とかは、ただひたすら辛いだけだった。
そんな訳でわたしは学校でも孤立していた。
温かさや優しさに、どう接していいかわからなかった。
別段イジメられていた訳でもなかったけど、自分から近寄ってくる人もいなかったね。
たぶんわたしは、「冷たい生意気な奴」とでも思われていたんだろう。
辛かったのは、学校でも家でもわたしの居場所なんてなかったこと。
わたしのお父さんは、わたしと血がつながっていない。
昼のドラマによくありそうな設定で悪いけどさ。だから“ありきたり”なんだ。
そしてまた“ありきたり”な設定で、わたしはお父さんを“お父さん”だと認めていない。
まあ、あっちもわたしを“娘”だと認めてないだろうけど。
要するに。同じ家に住んでるだけの、赤の他人ってこと。
もちろん、お父さんも普段はちゃんと“お父さん”を演じてくれてる。ただ、お酒を飲むと少しばかりハメをはずしちゃうみたいでさ。
「この人殺しがッ!」
なんて言われて、殴られたり蹴られたりして、挙句の果てにべランダに締め出されたりする。
その間わたしは、泣くことも悲鳴をあげることも、近くの交番に逃げ込むことも、もしくはべランダから飛び降りて楽になろうとすることもない。
当り前だ。わたしにはそんな資格なんてない。
文字通り「人殺し」という罪人のわたしには、そんなこと許されていないんだから。
そういうのが毎晩続いたりしているけど、お父さんも酔ってるし基本は背中とかにしか攻撃は当たってない。
そのおかげで他の人にはこの「処刑」は気づかれていないみたいだけど。
服で「証拠隠滅」しちゃえば、誰にもわからない。
まあ、しょうがないでしょ。わたしは不幸体質なんだから。
そんな言葉で自分を騙す、わたしの“ありきたり”な人生は、ある事件をきっかけに本格的に狂い始める。