二次創作小説(紙ほか)
- Re: カゲロウデイズ 挿絵あり 【混濁リザルト】執筆中 ( No.99 )
- 日時: 2013/06/14 19:35
- 名前: 麻香 (ID: qdhAso1A)
≫Story*Ⅱ 〜混濁リザルト〜
01))ツキヒのツンデレ説
ツキヒが入団して早くも一週間。
メカクシ団は………特に何も変わらない。
ツキヒは別段影が薄いという訳でもなく、熱心にもメカクシ団に毎日顔を出しているのだが、そもそもが居ても居なくてもそんなに変わらない存在だ。
見たところ、変な所で気が合っているのかモモとは仲が良いらしい。
「モモちゃん」「リオちゃん」と呼び合っている。活発なモモは普通に。静かなツキヒは無表情に。
マリーはツキヒに少し怯えているようだ。無表情なツキヒが怖い存在に思えるのだろう。愛想の悪さで言えばキドと同じ位なのだが、そこは慣れらしい。
オレとも最初は視線が合うだけで涙目になってたし。慣れだ。
だがもう一つ気になることがある。
どうも、ツキヒはオレとカノを見る時だけ目つきが違うような気がするのだ。
カノを見る時には何故か「恐怖」みたいなものが混じっている気がする。何を怖がっているのかは分からないが、初対面の人間に対応するマリーのような感じで、カノの一挙一動にびくりと反応している。さすがに涙目にはならないが。
まあ、あいつは常に笑っていて薄気味悪いようなところがある。怖がるとしたらそこだろう。
一方オレは————はっきり言って、よく分からない。
カノの時のような「恐怖」でもなく、かと言って優しい感じの視線でもなく、なんか………………睨まれているような気がする。
被害妄想ではない、と思う。監視、というか、見張るようにオレを睨んでいるのだ。
気になってオレがツキヒを見るとさりげなく視線を逸らされるのが少しばかり切ない。
一度その事についてカノに相談してみたことがあるのだが、
「マリオちゃん?あぁ、あの子はきっとツンデレなんだよ。」
「ツ、ツンデレ………ってかマリオちゃんって何だ。ほとんどイジメレべルのニックネームだろ。」
「え〜、僕は良いと思うよ?あの超有名国民的キャラクターと同じニックネームとかさ。」
「推定年齢四十代後半・精神年齢五歳児の無職のおっさんと同じニックネームで誰が嬉しいんだよ。」
「少なくとも僕は嬉しいかな〜。」
「………………」
この瞬間から、オレは一生カノに相談を持ちかけないことを心に誓った。
ツキヒのツンデレ説はともかくとして。
次はツキヒのその「能力」についてオレの客観的意見を言わせてもらうとすると。
最初にオレと目が合った時に感じた恐怖。
あの時ツキヒは赤い目だったので、「目が合った人間に無条件に恐怖を与える」という「能力」で間違いないだろう。
言うなれば「目を射抜く能力」か。…………該当する適当な言葉がないのでオレが勝手に考えた言葉だが。
まあ「能力」は一応使いこなせているようなので問題はないのだが。
と、ここまで考えた所でメカクシ団アジトのドアがノックされた。
オレはぐるりとアジト内を見回す。マリー。カノ。ツキヒ。オレ。
ノックの遠慮のなさからしてメカクシ団関係者だろうし、モモはアイドル関係の会議、セトはバイトでしばらくは帰ってこない。
ということはキドだろう、とオレが無駄な推理を完成させた直後、予想通りの人物がドアを開けて入ってくる。
…………訂正。半分予想通りで、半分予想外だった。
キドの腰にしがみつくようにして、思わぬ闖入者が入ってきたのだ。