二次創作小説(紙ほか)

Re: 嬉野芒と鳥栖蜻蛉の勝手なる診断【めだかボックス】 ( No.3 )
日時: 2012/12/18 21:37
名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)

第三針「『フラスコ計画』の診察」
 ぎゃあぎゃあわぁわぁしている屋内プールの様子を見たいという気持ちを抑えて芒についていく。
「君がプールに惹かれるのは分かるが、僕たちは帰宅部だ」
「…………」
「肩を落として悲しんでいてもどうしようもない。さて、診察へ行くぞ」
箱庭学園内で一番目立つのは旧校舎以外に時計塔がある。この時計塔は無断で入ってはいけないため、理事会の許可が必要になる。もちろん、許可を得て……
「気が付かれないように進むんだよ。見つかったら面倒だからね」
得ていないのか。
「ごめん、用事ができた。かえ——」
芒の右手が僕の襟元をつかんでいる、さらに剥がしたくてもびくともしない……眼鏡の奥でキラリと光っている。
「さぁ、行こうか!」

 自分のやりたいことは周りを気にせずどんどん突き進む『猪突猛進』の芒の考えは中学に入ってすぐに知ってしまった。『猪突猛進』モードの芒は何を使っても止めることはできない、いつもいつも巻き込まれているこの僕が言うのだから……

「「君たちは誰だ?」」
学校の校章が真ん中に書いてある扉の前に二人の男が並んで立っていた。
右の男は左目を隠していて、髪の色も服の色も白色一色だった。
☆対馬右脳☆
所属:二年十三組
血液型:AB型
ラッキーカラー:白

左の男は右目を隠していて、髪の色も服の色も黒色一色だった。
☆対馬左脳☆
所属:二年十三組
血液型:AB型
ラッキーカラー:黒

「ほぉ、双子か」
目の前にいる二人は双子と認めていいぐらいそっくりだった。ただし、どちらとも対照的な姿をしているが。
「「眼鏡をかけているきみはノーマルか?」」
お互い逆の方向に首をひねる対馬右脳、左脳はよく似ているなと実感できた。ノーマルという言葉に顔をしかめる芒はどう見たって通常な人間だと思うだろう。確かにノーマルと言われて自分のことをそう呼ぶんじゃないと怒る人間がいるだろう。だが、芒は全く違う。彼は対馬兄弟が異常な人間、アブノーマルだとわかっているからこそ自分の正体がアブノーマルだと見抜けない対馬兄弟の実力を疑っているという訳だ。ようするに
「(こいつら、アブノーマルの連中か? 僕より下じゃないか)」
という考えをしているわけだ。僕は完璧なノーマルだから別に気にしないけどね。
「今、外で行事みたいなこと行っていたけど……ま、」
「「この『拒絶の門』でも通ってみなよ」」
「通れたら、十三組の十三人から十三組の十四人になるな。後ろにいる緑のレインコートのきみは絶対入れないけどね」
最初に白い方、対馬右脳がしゃべり、最後は対馬左脳がしゃべった。
この二人は意外と仲が良過ぎてお互いの言葉を交互に言ってくる。但し、レインコートをいつも着ている僕がノーマルとはしっかり見抜いたようだが、芒のアブノーマルを判断する力はないようだ。
「ほぉ、『拒絶の門』というのか」
対馬兄弟を無視しながら嬉野芒は『拒絶の門』の前に立ちふさがった。