二次創作小説(紙ほか)
- Re: 嬉野芒と鳥栖蜻蛉の勝手なる診断 《めだかボックス》 ( No.4 )
- 日時: 2012/12/23 21:11
- 名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
- プロフ: ノロウイルスって怖いですよね。
第四針「『拒絶の扉』」
「拒絶の門を通るには0から9の数字を使って六桁の暗証番号を打ち込まないといけない。正しい暗証番号を打てばこの扉はあっさり開く。一度に通れるのは1人ずつ、一人通るたびに番号は変更される。通れる確率は百万分の一!百万人のうちの一人しか通さない! ゆえに拒絶の門と言われるのさ。逆に言えば、それぐらいの確率をクリアしないとフラスコ計画に参加することはできないわけさ」
そうか、じゃ僕はここでふるい落とされるわけだ。一安心したよ。これ以上巻き込まれたくはないし、たとえ親友と言えども退学を巻き込まれたくはない。帰らせてほしい。
「じゃ、通ってみよう」
ピッピッピッピッピッピッピッ
ガコンと重々しい音を立てて『拒絶の門』が開いた。
「では僕は行くとしよう。蜻蛉君、ちょっと来て」
「なんだ?」
恐る恐る近づいていくと…………
「おりゃ!!」
力強く握りしめられた拳で殴られた。すこし油断していたから、顔の側面に拳が突き刺さり、思いっきり倒れた。頬に残る痛みは鈍い。何故か殴られた場所の向かい側の右頬も痛い。実際、暴力を振るわれるなら殴られるよりも刺された方が痛みは爽快だと思う。ようするに鈍い痛みよりも鋭い痛みの方がまだいい。
「「なんだ!? その傷は!?」」
対馬兄弟が僕を指さしている。その指は僕の右頬を指していた。
「な、なにがあった!? おい、芒! いったい何をした!?」
ガコンガコンと閉まりつつある扉を通りながら振り向くこともなくはっきりと言った。
「君も『拒絶の門』を通れるようになったから、早く来なさい」
「「「…………」」」
重々しく閉まった扉を見て、これからどうするかを考えた。試しにパスワード入力してみようかなと。
「やめときなよ、ノーマル。自分の非力さを思い知るだけさ」
「何度でも挑戦してもいいけど、一回目で成功しなかったら何回やっても成功はしないさ。ノーマルがどれほど足掻いてもノーマルはノーマルなのさ」
入力台の前に立つ僕の後ろからノーマル、ノーマルとうるさく囃し立ててくる対馬兄弟のことは頭の中になかった。ただ、嬉野芒のことを信用していいのだろうかと考えていた。
ピッ……ピッ……ピッ……ピッ……ピッ……ピッ……ピッ……
兄弟が見ている中電子音が鳴り響く。
ガゴン……ガゴン
扉が開いた。芒と同じようにゆっくりと重々しく
「どうして? 何で開く!?」
「絶対、機械の調子が悪いに違いない!」
対馬兄弟が大慌てしている様子を見ると面白いだろうが、芒が待っていると思うと行かなければならない。いろんなことを聞きたい。まず最初に聞くことは、
「……どうして僕が通れる?」
この僕にいったい何を仕掛けたのかが知りたかった。生粋のノーマルだとアブノーマル達から言われたのに。
この時、鳥栖蜻蛉の頬に大きい切り傷ができていることを蜻蛉自身は知らない。