二次創作小説(紙ほか)

Re: [イナクロ]-想いは時空を越える((オリキャラ募集!! ( No.18 )
日時: 2012/12/23 17:53
名前: 優騎那 (ID: hoeZ6M68)

第2話 『変人出現!?』

どういう理屈かは知らないが、新雲学園にサッカー部がないことになっていて、太陽とおれが関わりのない他人になっていた。
代わりと言っちゃ悪いが、真住がおれの相棒に成り代わっていて、先輩達はそれぞれ違う部活に所属していた。
今日一日いろんなことがありすぎて、頭が着いていけない。
不可解な思いを抱えたまま、おれは帰路についた。
毎日サッカー漬けだったせいか、無性にボールを蹴りたくなって、自然と足は河川敷のフィールドに向かっていた。

「一体どうなってるんだ?」

歩いていると、男子にしては高い声が聞こえた。
キャラメルブラウンの髪はそよ風に煽られているような癖が付いている。

「サッカー部がなくなっただけじゃない。みんなサッカーのことを忘れてしまっている……」

彼の目には水が滲んでいた。
気づかれないようにおもむろに背後から近づいた。

「何で……。みんなサッカーのこと、あんなに好きだったのに……!何で、サッカーを忘れられるんだよ…!!」
「おれは忘れてねぇよ」

そいつの頭にエナメルにしまっていたサッカーボールを押しつけた。

「何があったか知らねぇけど、おれ達はサッカーを忘れねぇ。そうだろ?天馬」

我が弟の身に何があったかは知らないが、多少の慰めにはなっただろうか。
天馬は涙をぬぐうと、脇目もふらずにおれに抱きついてきた。

「尊姉!!尊姉!!尊姉ぇ!!!」
「何なんだよ急に!!気色悪ぃわ!!どけ!!」

少々手荒だが、天馬の脳天にげんこつを落として払った。
サッカー選手として、足は使わなかった。

◇◇◇◇

持ち合わせていた水筒を渡し、まずは天馬を落ち着かせた。

「尊姉、家反対なのに何でこっちに来たの?」
「無性にサッカーがしたくなった。それだけだ」
「部活で居残り練習とか、すればいいじゃん」
「そりゃできねぇ。新雲にサッカー部はねぇんだからよ」
「え!?」

天馬は世紀の大発見をしたように驚いた。

「お前の様子からして、雷門にも同じことが起きてるみたいだな」
「うん。サッカー棟に違う部活が入ってたし」
「人一人からかうにしちゃ大がかりすぎる。太陽はおれを知らねぇし、何か真住と仲いいし、可愛い狩部監督はいねぇし。どうなってやがる」
「最後のはいらなかったかな……」
「サッカーが消えたとかじゃねぇよな」

半分冗談、半分本気で言ってみた。

「NO。サッカーは消えていない」

誰か知らない奴の声が聞こえて、天馬とそろって後ろを振り向いた。
振り向いたそこには紫のシイタケが……じゃなくって、紫の髪の少年がいた。
そいつが発しているオーラ、意味の分からない格好、それらを見ておれは思った。

こいつ……絶対変人だ!!!