二次創作小説(紙ほか)

Re: [イナクロ]-想いは時空を越える((オリキャラ募集!! ( No.25 )
日時: 2013/01/05 12:50
名前: 優騎那 (ID: hoeZ6M68)

第5話 『ごきげんよう』

あいつらはプロトコル・オメガでチームを登録した。

「あ、そっか。即席のチームだから名前はまだ無いんだよね」
「難なら、おれが所属してたチームの名前貸すぜ。"ラ・ピュセル"」
「いいね。そうしよう!」
「いいの!!?」

おれの提案に乗るフェイに、天馬は目を埴輪のように丸くして突っ込んだ。
天馬にフェイはキャプテンマークを渡す。
両チームの選手がポジションについた。
おれはリベロだから決められたポジションはないが、一応トップ下に入った。
試合開始のホイッスルが鳴った。
開始早々いきなり高速でパス回しが展開される。

「何だよこれ!!」
「大丈夫。目が慣れてないだけだよ」

あまりの速さについていけない天馬をフェイが諭した。

「確かにな。おれのスピードよりは遅い」
「尊姉の物差しで言わないで!!」
「さ、戦うよ!!」

フェイが切り込んでカット。
そこから間髪入れずにパス。
ボールが戻って、フェイはウサギのように飛び跳ねながらディフェンスを交わしていく。

「すげぇ……」

純粋にすごいと思った。
フェイはバウンサーラビットを放つも、キーパーコマンド03に阻まれて得点にはつながらなかった。

そこからは激しいボールの奪い合いが続く。
取っては取られて、取られては取り返して、その繰り返しだ。

だが、シイタケがカットしたところで流れは変わった。

「"天空の支配者"鳳凰!!アームド!!」

シイタケが化身を召還。
さらに化身を纏った。
化身を衣のように纏って、ディフェンスを破っていく。
先制点はプロトコル・オメガに入った。

「何なんだあれは!?」

初めて目にした光景に、おれも天馬もビックリした。

「化身を体に融合させて、鎧として纏うことで自分自身の体を変化させる…。あれが、化身アームドさ」
「化身を鎧にねぇ……」
「使える時間は限られているけど、化身を離れてコントロールするよりはるかに大きな力を発揮できるんだ」

シイタケが化身アームドでシュートを決めてからは一方的な試合運びになった。
フェイが代行で出した選手は散々痛めつけられ、"ラ・ピュセル"で地獄の練習をこなしてきたおれはそうでもないが、フェイと天馬は消耗が激しい。

「デュプリ8人はきついか……」
「どうすれば…?」
「大丈夫。もう間もなくだ」

フェイは左腕につけた時計のようなものを見て言った。

「あ、あぁ。前半はもうすぐ終わる」
「それもあるけど、僕が待っているのは別のことさ」
「「?」」

不可解なフェイの言動におれと天馬がそろって首をかしげた時だった。
空の一角が眩く光り、青いキャラバンが現れた。
運転席の窓が開いて、出てきたのは……

「天馬君!尊ちゃん!ごきげんよう!!」


………熊だ。