二次創作小説(紙ほか)

Re: [イナクロ]-想いは時空を越える((オリキャラ募集!! ( No.26 )
日時: 2013/01/11 21:06
名前: 優騎那 (ID: hoeZ6M68)

※すいません。試合はしょります!!


第6話 『倒すべき新たな敵』

プロトコル・オメガと試合は、あいつらが棄権したことにより実質おれ達の勝ちで終わった。
岩がごつごつとしている砂浜に移動し、これまでおれと天馬が見聞きしたことについての詳細説明もかねてフェイとワンダバと話をすることにした。

「僕らは200年後の未来からやってきた」
「未来!?」
「そう。サッカーを消そうとする者を阻止するために。パラレルワール
ドって分かる?」

パラレルワールド…
確か、現実世界と平行して存在している交わることのない別の世界。
何となくは知っているが、語学とスポーツ以外に強みがほとんど無いおれの頭脳には要領がキャパオーバーなものだ。

「時間のある地点に変化が起きると、それ以降の世界に違う流れができるんだ。それがパラレルワールド。あいつらが時を越えて雷門中サッカー部に関わる重要な出来事に影響を与えたせいで、雷門中にサッカー部がないという世界ができてしまったんだ。新雲学園にも同じことをしてね。尊が雨宮太陽と赤の他人になってしまったのもその所為だ」

話を聞いているだけでも静謐な怒りがむくむくと足先から頭に駆けめぐる。
怒りを抑えるだけでも精一杯だ。

「雷門中サッカー部と新雲サッカー部が消された……」

おれは声に怒りを露わにするまいと呟いた。

「それだけじゃない。あいつらの目的はサッカー自体を消すことだ」
「消すって……何で!」

天馬の問いはもっともだ。
奴らがサッカーを消したがっている理由が分からない。
理解不能だ。

「サッカーが存在していると都合が悪いんだよ。あいつらにとって…」
「あいつらって……?」
「世界全体の意志決定をする機関、エルドラドさ」

フェイが言うには、未来では戦争が起こっているらしい。
他の人間達を下等な存在とみなし、屈服させようとしている"セカンドステージチルドレン"という少年達がその戦争の中心だ。
彼らの遺伝子をたどっていくと、優秀なサッカープレイヤーにたどり着く。
"セカンドステージチルドレン"を排除するために、エルドラドはサッカー撲滅を企てているという。

「未来ではそんなことが……」
「エルドラドはセカンドステージチルドレンを恐れている。だからサッカーを消すことで、彼らが世界に生まれないようにするつもりなんだ」

顔が不快に歪むほど自己中な話だ。
そんな考えに行き着くエルドラドは下等な存在と見なされても仕方ない、とおれは思った。

「サッカーを消すなんて……どんな理由があろうとそんな権利誰にもないよ!!」
「その通り。でも、エルドラドにそんな理屈は通用しない」
「でも、あいつらはサッカーをやってたじゃないか…」
「それが一番効果的なんだよ。サッカープレイヤーは、自分のステージであるサッカーで痛めつけられることが一番心の傷になる。サッカーへの想いを変えさせやすいんだ」
「そんな……。サッカーは楽しいものなのに……!」

何も喋らずに聞いていた。
喋れば、おれの中でたまっていたものが弾けて、暴れ出してしまいそうだったから。
すっと後ろを向いて、何歩か歩いたところにある岩の前に来た。
左脚を天高く振り上げ、衝動に任せて岩を蹴り砕いた。
岩の破片が小石となって飛び散った。

「フェイ、おれバカだから、お前の言ってることは全然わからねぇ」
「え」
「でもよ、すげぇ腹立つ———」

人が作り上げてきたもの、サッカーを否定されて黙っていられるほど冷血漢じゃねぇ。

「んじゃ、エルドラド潰すか」

おもちゃを見つけたガキのように天馬とフェイに、ニィと笑いかけた。