二次創作小説(紙ほか)

Re: [イナクロ]-想いは時空を越える((オリキャラ募集!! ( No.33 )
日時: 2013/01/12 18:51
名前: 優騎那 (ID: hoeZ6M68)

第7話 『アーティファクト』

フェイの話によると、新雲サッカー部は当時の雷門イレブンがフットボールフロンティアで優勝したあとに作られたため、雷門の歴史を修正すれば、新雲の方にも影響が出て元に戻るらしい。
時空の理論は全く持って理解できないが、新雲にサッカー部が戻るならそれでいい。
太陽とおれが…サッカーで通じ合っている現実になるなら、それでいい。
狩部監督や先輩達とおれら一年にサッカーという共通点があるなら、それでいい。

雷門サッカー部の歴史を正すため、おれ達はキャラバンに乗り込んだ。

「これで別の時間に行けるの?」
「うん。ただし、それには条件がある。ある時間にタイムジャンプするためには道しるべが必要なんだ」
「その時代と人物に関係のある物がいるってことか?」
「そう。僕らはそれをアーティファクトと呼んでいる」
「その時間、その場所にいた者の強い想いが詰まった物でなければいけない。それがないと、ワームホールの出口を検出できず、タイムジャンプは失敗する」
「じゃぁ、11年前に行くためには何が必要なの?」
「サッカー部が作られた時の想いがこもった物」

内容が抽象的すぎて話しにほとんどついて行けない。

「天馬、何か思い当たることはある?」
「う〜ん…………。そうだ!サッカー部の旧部室だ!あそこは円堂監督が初めてサッカー部を作った場所なんだ!何かあるかも」

おれが話に口を挟まないで窓の外を見ている間に、キャラバンは現代の雷門中に来ていた。
サッカー部の旧部室だというところについていくと、どうフィルターをかけて見てもただの物置にしか見えない場所に来た。

「うわ。マジおんぼろ」
「ちょっとはオブラートに包んで言ってよ!!」

天馬に全力で頭を叩かれ、スパァンという気持ちのいい乾いた音がした。

「円堂監督は、この部室は自分たちがここに来るずっと前からあったって言ってた。だからきっと、何かあるはずなんだ」

天馬は物をかき分け、手当たり次第にアーティファクトになる物を探していく。
埃をかぶりながらも弟が動いて、姉が動かないわけにはいかんと、おれも少々手荒だが探し始めた。
フェイとワンダバも手が届く範囲を探す。
すると、おれの足先に何かが当たった。
見てみるとそれは木の板で、"サッカー部"と彫られていた。
それをセットして、キャラバンの席に着き、ベルトを締めた。

「うまくいくかな………?」

少々不安げな天馬を見て、おれはカチンと来た。

「それこそお前、"なんくるないさ"、だろ?」

見下したように不敵に笑ってみせると、天馬は「そうだよね!」と返してきた。