二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.131 )
- 日時: 2012/12/17 19:54
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第43章 謎の青年・恵寿、ついに登場!(後編)・・・廃墟ビルで見つけた仕掛けとは?
(ストーリーモード:バン)
恵寿の案内でメインストリートの裏にある道をひたすら走り続けながら向かっていた。
キラード団のアジトで何をしようとしているのか分からなかったが、リンを預からせていたのは何か理由があるかもしれない。
(でも、リンは実の両親を亡くしている。だから、いつも明るく振舞うしかなかったんだ)
リンのことが心配でたまらず、気がかりになっていた。
幼馴染のハルだってそう思うだろう・・・・・・俺もリンのことは大切な家族でありたいと思っていたのだ。
「バン、恵寿を信じるしかないけど・・・・・・この道で合ってんの?」
「うん、そこに何かあるはずだよ。そっちに行ってみないと分かんないぜ」
「うん、そうだね! リンたち、大丈夫かな?」
「ああ、無事でいてくれればなぁ・・・・・・」
リンたちが無事でいることを祈るしかないというのが現状。
恵寿の後を追いながら、ひたすら走り続けた。その先に何があるか分からないので、慎重に向かいながら考える。
(そこで何かが待ち受けていそうな感じがするけど、行ってみなきゃ分かんないよな)
その先で何かが起きようとしているのは間違いない。俺たちが助け出すまでの間に隙があったとは思えない。
しかし、リンたちを救出するべく助け出すという思いは変わらない。妹みたいな存在だったリンも家族の一員として接している。
「リン、待ってろよ。絶対に助け出すからな」
その思いを胸に入れ、リンたちの無事を祈るしかなかった。ただ、そこで起きようとしていることは想像できない。
彼女が無事でいてくれたらと願うばかり、家族としての存在を認めてあげたい。
妹であることさえには変わらないし、目の前で大切な存在を失いたくなかった。
(リン、無事でいてくれ・・・・・・)
そう思っていたその時、何かが見えた。そこに聳え立っている建物を見ながら走った。
「ビル?」
「そうみたいだな、一気に行くぞ!」
一番奥に聳え立つビルの前までやってきたのと同時に息を荒くした。
この先にリンたちがいる可能性もある。慎重に行かなければならない。
「バンさん、ここって廃墟ビル?」
「どうやら、そうみたいだな」
佇まいを感じさせないかのように、闇夜の中に舞う不気味さが醸し出している。
そのオーラを纏うかのように、不気味さを醸し出す上で闇夜の光が俺らを照らし出す。
「そこに着いたのは良いけど、どうやって探すの?」
「とりあえず、懐中電灯を出して探そう。みんな、懐中電灯もってるか?」
全員に問い質し、懐中電灯を出す。輝姫たちも準備していたようで、いつでも行ける状態だ。
その様子を見て納得したのと同時にドアを開ける。
『ギギーッ・・・・・・』
不気味な物音が立てられたのと同時に懐中電灯のライトをつけて照らす。
中は暗くなっており、不気味さを感じさせないオーラが纏っているようにも見える。
「うーん、本当にビルなのか?」
「どういうことですか、ヒュウさん?」
ヒュウは懐中電灯を照らしつつ、上を照らしていた。キョウヘイやメイ、輝姫たちも首を傾げる。
「ヒュウ兄、どういうこと?」
「どこかに隠されていそうな気がするんだよ」
「え、もしかしてアジトがどこかにあるかもしれないってこと?」
メイがヒュウの言ったことを理解して、上を見上げる。確かにその可能性もあるし、少なくない。
キョウヘイは腕を組みながら考え込んだ。どこかに隠されているのも気になっていたが、どうも引っかかる。
「もしかしたら、上の階に何かありそうだぜ」
「ええっ、どういうことですか?」
「多分、地下室とかそういったものがあるとしたなら間違いなく、その奥に仕掛けられていそうな感じがする」
キョウヘイたちの会話を聞きながら考えた。俺の推理は上の階に何か隠されている可能性が高いことだ。
つまり、アジトはその地下に通じている可能性があってもおかしくない。
「でも、バンさん・・・・・・」
「なんだ、優実?」
「ちょっと気になるけど、そこに行ってみたほうが良くないですか?」
富士本優実は俺を見て、美咲と一緒に歩み寄りながら言う。確かに行ってみる価値はありそうだ。
とりあえず、上の階にある部屋を見て探すことにしようっていうことになった。
2階に通じる階段を駆け上がり、1つの部屋に突入して捜査開始。
そこで探し出していると、ハルが何かに気づいてライトを照らした。
「あっ、これ見てよ!」
ハルに言われて駆け寄ってみると、床に蓋らしきものがあった。床の下に地下が隠されている可能性が高い。
念のため、四角い蓋を開ける。すると、英語のキーボードらしきものが出た。
「英語のキーボード!?」
「ちょ、英語できないんだけど・・・・・・」
「何でこんなところにキーボードなんかあるんですか?」
メイ、キョウヘイ、恵寿の3人がそれぞれ感想を述べた。確かに俺もできないんだよな、英語はやっぱり苦手だ。
この中で唯一、英語ができる人物は幼馴染の人見晴香しかいない。
「なぁ、ハル・・・・・・おまえ、英語できたよな?」
「えっ、うん・・・・・・そうだけど、どうかしたの?」
「ハルしかできなさそうだから、それを解いてみろよ」
「・・・・・・分かった、私が英語のキーボードを打つから考えといて」
ハルは床下にある英語のキーボードの前に座りながらしゃがみ込んだ。
俺たちはいくつか思い当たるパスワードに関した言葉を言う。その日本語を英語に訳したものをハルが押していくということだ。
「じゃあ、誰から行く?」
「俺、思ったんですけど・・・・・・・思い出の夏」
思い出の夏・・・Summer of the memory。それを訳して押すハルだったが、どうやら正解ではないようだ。
続いて、キョウヘイ・ヒュウ・メイの3人が考えた言葉は『最高の夏』、The best summerである。これもダメだった。
「えーと、他に何か思い当たる言葉ないの?」
「じゃあ、これはどうだ?」
俺は一つだけ閃いた言葉を浮かべながら思い出して言う。
『世紀末の魔術師』、英語で言うとMagician of the end of the centuryという言葉。
「よし、やってみるわ!」
ハルは俺の言葉を信じて、コクリと頷きながらも慎重に押した。
すると、ゴゴゴ・・・・・・と大きな音がして、床が2つに分かれて開かれていく。
その反射でサッと後ろにかわすのと同時に驚きを隠せなかった。これで合ってたんだと思いながら、首を傾げた。
「えぇ、床の下に階段があるなんて・・・・・・」
「ハルさん、だてに英語やってませんね。流石です!」
ヒロとナオは目を丸くしながら、驚きを隠せない。ハルのおかげで一歩を踏み出せたというわけだ。
とりあえず、下に続く階段を降りながら行ってみることにした。
「じゃあ、これで行ってみましょう」
「ああ、そうだな。信助たちも来いよ」
立向居は兄貴らしく、信助たちを促して言う。そこに何があるかも分からないので、懐中電灯を照らしながら降りていく。
慎重に歩きながら、階段を降りた先には洞窟のようになっていた。
「洞窟っていうわりには古いね、ここに隠されてんのかな?」
「あぁ、多分な・・・・・・その先に何かあるかもしれないぞ」
周りを見る限り、洞窟のようで何か秘密があることは間違いなく読み取れた。
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.132 )
- 日時: 2012/12/17 19:56
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
慎重に歩きながら、洞窟の中を捜索しつつもキラード団のアジトの位置を掴まなくてはいけない。
それを分かっていても、どこかに隠されているとしか言いようがない。
「バン、洞窟っていうよりは地下通路じゃないの?」
「そうとも言えるけど、この奥に何があるか分からないぞ」
「でも、ヒロたちも何とかついていけてるみたいだけど・・・」
後ろにいるヒロたちを見やりながら気遣う。確かによく言われてみれば、ついていけているはずだ。
だが、謎解きするにしてはどうか。ヒロたちも謎解きに協力してくれているわけだから、俺たちは慎重に捜査しなければいけない。
「でも、罠が仕掛けられていたらどうすんの?」
「どうするかは分かんないけど、その時で良いんじゃないか」
「そうだね。ここ、何か引っかかるんだけど・・・・・・・」
「引っかかるって・・・・・・何か気になることでもあるのか?」
ハルと話しながら、ゆっくり聞き返す。彼女は首を傾げながら考え込んだ。
「うん、ちょっとね。さっきの仕掛けで気になったんだけど、このビルは誰か所有してるんじゃないの?」
「所有・・・・・・それも考えられるな、このビルは誰かが使っていたとしか思えないな」
ハルの言うとおり、誰かが所有している可能性が高い。このビルは昔から存在していたということになる。
つまり、何者かが購入していたということも考えられる。しかし、その謎はますます深まるばかりだった。
「じゃあ、犯人が仕組んでいたとしか思えないね」
「ああ、その可能性も含めて考えるしかないようだな」
「うん。ヒロたちも薄々、感づいてるんじゃないかなぁ」
「・・・・・・あぁ、そうだな。この先に仕掛けとかなければ進めるんだけどな」
少しずつ歩いていく途中でどこからか、犬の鳴き声が聞こえる。
近くに1つのダンボールが置かれていたので、ハルが駆け寄りながら開いた。
「あっ、子犬だ」
ダンボールの中から現れたのは、ゴールデンレトリバーの子犬。寂しがっているかのように怯えきっていた。
「可愛い〜!」
輝姫とティアラ、優実やここさんも一緒に歩み寄りながら駆け寄る。優実が犬に声をかけて、ゆっくり話していた。
「優実?」
「あ、私は動物と話せるんですよ。通訳しますね」
「なるほどね、優実は動物と話せるんだな・・・・・・頼むぞ」
優実は素直に頷きながら言ったのと同時に子犬を借りて話し始めた。
ティアラたちも怪訝そうに首を傾げていたが、満足そうに頷いていた。
「まぁ、事件解決できそうなのに期待してるんですよね」
「というのも、私たちが手伝っているわけだしね」
輝姫とティアラは顔を見合わせながら、コクリと頷いた。
優実は俺たちを見回しながら呟いた後、子犬を見て考え込んだ。
この先に何かあるということは、そこで起きようとしていることなのか。
「バンさん・・・・・・この先には何があるか分からないみたいです。慎重に歩いていくしかなさそうですよ」
優実が切り出しながら、この先に続いている道を見つめた。
確かに何があるか分からないけど、どこかに続いているということは間違いなさそうだ。
「とりあえず、慎重に歩いていくしかない」
「そうだな、俺たちも一緒に行くよ」
立向居たちもやる気満々のようで、キッと見据えた。ハルやヒロたちも頷く。
直紀たちもまったく同感だったようで、そのトンネルの先に何があるかもしれないと悟ったのだろう。
「僕たちも手伝うから、とにかく行こう」
「ああ!」
背を向け、先に続いている道を歩き出す。
この先に何があるというんだろうか・・・・・・そう思いながら、不安が出てきそうでならなかった。
(とりあえず、謎解きに集中するしかない!)
それでも、周りに仲間がいるから安心して取り組める。
「行くぞ、みんな!」
そう言った後、すぐに走り出す。リンたちを救出するべく、絶対に無事でいてほしいと願うしかない。
同時にみんなも続いて追いかけるようにして走り出した。
あれから何分くらい経ったのか、辿り着いた先には行き止まりになっていた。
行き止まりかと思われたかに見えたが、その前の壁画を見て考え込む。
「あれ、壁画ですよね」
「ああ、ここで行き止まりってことは下か奥に何かありそうだぞ」
「鷲の絵が描かれてるんですけど、どういうことでしょうか・・・・・」
ヒロが懐中電灯を持ちながら、その先にある壁画を照らしつつも首を傾げた。
「ああ、それが気になるんだよな」
確かにデザインを見る限り、2つの鷲に関する絵が描かれている。その上に1つの王冠が乗せられていた。
その中にはいくつかのダイヤモンドが入っている。上には太陽があり、そこに何か仕掛けられているといった感じか。
「太陽、光、屈折・・・・・・」
頭の中で考えながら想像していく。太陽と光、それを合わせるとしても屈折が必要だということになる。
王冠の上に乗せているダイヤに光を差し込ませていけば、容易に仕掛けを施すことができる。
「おまえら、ちょっと下がってくれるか?」
「いいけど、何で?」
「まぁ良いから見てろって。ヒロ、懐中電灯を細くして当ててみろ」
ヒロに指示しながら、その前にある壁画を見て呟いた。言われたとおりに懐中電灯のライトを回しながら細くする。
そのライトの光に当てられた王冠の中のダイヤが光り始めた。それを見たのと同時にゴゴゴ・・・と大きい音がのめり込むかのように入ってきた。
「えっ、光った!」
「うわっ、何の音?」
四角い床がエレベーターのようにゆっくり下へと入っていく。俺はしゃがみ込みながら、その間に現れた入り口を見る。
ヒロは右手で懐中電灯を持ったまま、壁画を見つめながらも首を傾げた。
「そういうことか、光度計が仕組まれていたのはそのためだったんだ」
呟いた瞬間、床が2つに割れてきたのと同時に慌てて下がる。その先に現れたのは、もう1つの階段。
まさに絶妙な仕掛けといえるべき、凄いものを仕掛け込んだなという感じだった。
「すげぇ・・・・・・・」
「あんな仕掛けが施されていたなんて・・・・・・・」
「どうなってんの、これー!? 私たちもマジでビックリなんだけど!」
キョウヘイたちも呆然として見つめていた。この仕掛け、まるで単純なものじゃないかと思う。
それは置いといて、先に進めておいた方が良いだろう。ヒロが懐中電灯を持ちながら、ハルたちと一緒に階段を駆け下りた。
「こんな仕掛け、僕も初めて見ました」
「私も・・・・・・何、この凄い仕掛け」
ヒロとハルは感嘆しながら、呆然としていたようで開いた口が塞がらない。
確かに俺もこの仕掛けを見て脱帽したけど、キラード団が考えたものとは思えない。
「とりあえず、みんな行くぞ!」
キラード団のアジトの入り口だと思われるところに入った。中に入ると、俺たちを待ち受ける罠が施されていたのだ。
「なっ・・・・・・!?」
目の前に現れた光景を見て驚く。アジトに入っただけで警戒されているのだと知らずにいた。
そう、まるで自分たちを歓迎しているかのような感じになっていたのだから---------------------
「よう、待っていたぜ・・・・・・」
何人か手下がズラリと並んでいた。大人数を相手にして向かうのは難しい。
俺たちがここに来ると踏んで待ち伏せしていたのだと想像できた。
「くっ・・・・・・」
顔をしかめながら、目の前に置かれた状況を把握するしかなかった。
ここで捕まったら終わりということになるのだ。
(どうにかすることができないのか?)
バンたちは目の前に現れた手下たちを相手にどう立ち向かっていくのか?