二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.134 )
- 日時: 2012/12/17 21:33
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第45章 立向居直毅・青峰兄弟・黄瀬、ただいま参上!
(ストーリーモード:直毅)
直毅は黄瀬・青峰兄弟と共に駆けつけてやってきた。ハルたちの前に立ち塞がり、顔を顰める。
「だいたいなぁ、こんなところにいてやってられねーぜ。面倒くせぇから、さっさと片付けちまうか」
「直毅、それ言うならそっくり言い返すぜ。俺もやってられっか!」
「あん? 太陽、調子こいてんじゃねーぞ。さっさと倒しちまうか」
俺は青峰太陽とつるんでいることが多い。黄瀬とは大輝を通じて知り合った後輩の1人だ。
面倒くせーけど、こいつらを潰すのには都合がいい。それならば、自力で倒していくつもりだ。
「俺は2人を倒す、太陽たちは残り3人倒しちまいな」
あー面倒くせぇ、と言いながら睨みつけた。不良じみた格好をしてんのは俺だけだったりする。
それならば、太陽たちは俺と性格が似ているわけではない。まぁ、それは置いといて勝負といきますか。
「直毅、どうすんの?」
「まぁ、楓は黙って見てろって」
缶ビールを持ったまま、ヒックと呻いた。楓は思わず、顔を顰めていた。
楓は俺を見て驚きを隠せずにいたが、目の前にいる5人を睨みつけたままだ。
「どういうつもりだ、俺たちの邪魔しやがって!」
「あ? ケンカを吹っかけてきたのはそっちだ」
俺は空になった缶ビールを手に取りながら、ポイポイと上げてキャッチしている。
5人のうち、1人の手下が俺に突っかかってきた。
「やれるもんならやってみろよ!!」
直毅は溜息をつきながら、楓の方に向かって缶ビールを渡して投げた。
ボクシングで言うファイティングポーズを構えた後、1人目の手下を見て避けた。
「なっ・・・・・・」
避けるのが見え切れていないのか、その動きの速さに翻弄されてしまう。
だてにボクシングやって鍛えてないからな、そのスピードの速さには自信がある。
「テメェら・・・・・・俺のことを甘く見るんじゃねえよ」
「なんだとォ---------------------!!」
突っかかりながら襲い掛かったのと同時に殴り返した。そのダメージを受けた1人目の男は気絶して倒れてしまった。
俺は面倒くさそうに4人を見つめる。その隙を疲れたかのようにして呆然と見つめていた4人は動揺を隠せない。
「テメェら、俺の友達に手を出したらタダじゃおかねーぞ」
「まさか、立向居直毅?」
ケンカで知らない者はいない。荒くれ者で有名だったとか言うそんな話だ。
ボクシングで強かったらしく、かなり有名だったという。まぁ、それはあくまでも事実に過ぎないのだが。
しかし、ある出来事を境に、酒浸りになってしまったという経緯を持つ。
「あぁ、いかにも俺だけど?」
「飲んだくれがボクシングだと?」
「うるせー俺は好きでやってるわけじゃねえ、文句あるなら言えよ!」
ボクシングは成り行きでやっていただけのこと。元はサッカーが好きでやっていたけど、止めていた。
酒浸りになり、荒れまくっていた俺の心の傷を癒してくれたのが家族の存在だった。
勇気や涼気に苦労をかけさせて、3人で暮らそうってなってからも酒を飲み歩いて帰る毎日を送っていたのだ。
「おまえら、纏めてかかってきな」
「ちょ、直毅先輩!?」
黄瀬が目を丸くして驚く。喧嘩っ早いのは相変わらずなところだ。
元々、俺はケンカするのが大好きだったからだ。勇気は薄々、感づいていたみたいだけど・・・・・・涼気も勇気から聞いていたので、少しだけ知っていた。
「なーんてな、太陽たちに任せた」
「そういうことならいいっスよ」
黄瀬は青峰大輝と一緒に突っかかりながらも一緒に纏めて殴ったり、蹴ったりしながら叩きのめした。
残りの手下どもを倒した時点で、もう既に用済み。俺はパンパンと両手を叩いてから溜息をついた。
「楓ェーこんなところで何やってんだぁ?」
「こっちの台詞よ! 何でここに?」
楓は俺に歩み寄りながら、突っ込みを入れた。楓の突っ込みはいつも以上に鋭い。
まぁ、俺も心配してついてきただけだけど・・・・・・どうも見てられなくて困っていた。
「酒を飲んだ帰りに見かけてよォーこんな時間にほっつき歩いてるなんておかしいと思って、後をついてきた」
「追いかけてきたってこと?」
「うんにゃ、そうなるな」
俺はポツリポツリと楓たちに向かって話し始めた。
事の発端は2時間前、トキオ大学近くの居酒屋で酒を飲んでいた。
いつものように、酒を飲んで帰ろうとする俺は生ビールのジョッキを煽って言う。
「なぁ、だんな・・・・・・俺、飲んでて気分が良いんだよ」
「いいことでもあったの?」
「いーや、別にないですよ。ただ、ちょっと気になることが・・・・・・」
楓のことが気がかりだった。最近、駅前で出くわすようになって絡みながら話していることが多い。
勇気は楓のことを知り尽くしているので、幼馴染とも言えるだろう。俺は楓の気持ちが分からなくもなかった。
「まぁ、俺だけ飲んでて寝ちゃうのが嫌なんですけどね」
「直毅、そこまで無理しなくて良いんじゃないの」
「いや、俺はそんなこと言ってませんって・・・・・・」
ヘラヘラ笑いながら言う俺は生ジョッキを煽って飲んだ。ウイスキーを飲むのも良いよな。
マスターが俺のところに度の強いウイスキーを差し出してくれた。
「これ・・・・・・」
「飲んでみるか? 酒好きなら気に入るかなーって思ってな」
「飲みます。ありがとう、だんな・・・・・・」
グラスの中にウイスキーを注いだ後、左手で持って煽った。
うまいというより、飲み過ぎが効いたみたいで眠くなってきた。
「ふぁー・・・・・・寝るー」
左手でコップを持ったまま、突っ伏してしまった。そして、夢の世界へと旅立っていった。
少し経ってから携帯の着信音が鳴った。眠そうに身じろいだ後、ズボンのポケットから取り出してみる。
着信というより、1通のメールが来ていた。差出人は兄の涼気だった。
「兄貴、こんな時間にメール?」
そう言いながら呟き、突っ伏したまま操作して開く。すると、メールの文章はこんな感じで書かれてあった。
【直毅、楓が帰ってないけど・・・・・・見かけた?】
見かけてねえよ、こんな時間に出るか。あいつ、勇気と仲が良いわけだし、俺はどうでもいいやと思った。
仕方なく、涼気にメールの返信してから帰ることにした。
【見てねえよ、俺は酒飲んでたー。探しに行くからさぁー】
酒を飲んでいたので、仕方ないと思う。涼気があれだけ心配するということは事件に巻き込まれたか。
うーん、嫌な予感はしないが・・・・・・さっさと外に出て帰ることにした。
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.135 )
- 日時: 2012/12/17 21:40
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
打って変わって、場所はトキオシティ駅近く。そこのベンチに座り、コンビニで買ってきた缶ビールのプルトップを空けて飲んだ。
「ヒック、楓のヤツ・・・・・・」
その時、ダムダムとボールを叩く音が聞こえてくる。
その音がした方向に振り返ってみると、ストリートバスケット専用場で1人の青年と2人の少年がバスケしながら遊んでいた。
「こんな夜中にバスケやってんのかよォ、あいつら」
見覚えのある後輩・青峰太陽、大輝の兄弟と黄瀬涼太の3人が仲良く遊んでいた。
キュッキュッと足を動かせながら、ドリブルの練習でもしているのだろう。
(ったく、のんきなもんだぜ)
缶ビールを煽り、飲んでいた俺のところにバスケットボールが転がってきた。
太陽が俺に気づいて、3人でやってきた。こんな夜中に遊んでる場合じゃないだろ、と言いたくなる。
「おまえらぁ、こんな時間まで遊んでんじゃねーぞォ」
「すいませんでした、何で先輩がいるの?」
「俺ぁ、知り合いを探してんだよ」
その台詞を聞いて、太陽は顔を青ざめながらも何か思い出したらしい。
大輝と黄瀬が顔を見合わせながら、怪訝そうに首を傾げている。それを見かねて、俺は太陽に向かって問い質す。
「太陽、何か思い出したことでもあんのか?」
「いや、たちむーに誘われたんスけど・・・・・・」
「勇気に誘われた?」
勇気のヤツ、何も言ってなかったような気がするけど・・・楓がいないのには、何らかの理由があると見て間違いない。
太陽が誘われていたのは、いったい何なんだと言いたいくらいだ。大輝が太陽に向かって問い詰める。
「兄貴、勇気先輩に何か言われたのか?」
「ああ。キラード団のアジトを探すから手伝ってくれって頼まれてたんだよ」
「キラード団? なんだ、それは?」
俺は太陽の言葉を聞いて、首を傾げた。大輝や黄瀬もキラード団の存在を知っているらしく、簡単に分かりやすく説明する。
「リンちゃんがキラード団に攫われたとか言ってて、俺らはサッカーバトルの時にようやく知ったんです」
「黄瀬、そいつらが事件に関与しているってことか?」
「はい、それも有り得ると思います。青峰っちもちゃんと聞いてたよね?」
黄瀬が真剣そうな顔で大輝に向かって問い詰める。大輝もコクリと頷き、勇気たちが事件の調査をしていることが伺えた。
2人の安否が気になってきたので、後を追いかけようとするのにも時間がかかりそうだ。
「ちっ、勇気のヤツ・・・・・・俺にコソコソとやってんのが気にくわねェんだよ」
「隠し事してるってことでいいんスよね。とりあえず、俺たちも気になるから行くっきゃないし」
「黄瀬ェ、おまえがそんなこと言ってんならよォー。俺も乗り気じゃないけど、探す手間が省けそうだぜ」
黄瀬と青峰兄弟さえいれば探す手間が省けそうだ。時間があるから、夜はまだ長い。
楓を探すに越したことはないが、どうやって見つければ良いか分からなくなっていた。
「ったく、探すことにしたのは良いけどよォー」
「先輩、アレ見てください!」
黄瀬が何かに気づいて、振り返ると見覚えのある少女が勇気たちと一緒に裏通りの方へと向かっていくところだった。
(あれは楓・・・・・・こんな時間にほっつき歩いてんだぁ?)
楓たちの行き先が気になったので、後を追うようにして向かうことにする。
俺たちも裏通りへと突入し、懐中電灯を持ちながら歩いていく。薄暗い路地を歩いていると、一番奥に聳え立つ廃墟ビルらしき建物が見えた。
「廃墟ビルっスよね、何かヤバくないっスか?」
「黄瀬、怖がってる暇があったら・・・・・・正々堂々と入れば良いだろ」
「酷いっス、青峰っち!」
ギャーギャーと言い合っている黄瀬と大輝の2人を見て放っておくわけにはいかない。
この先に何があるか分からないので、懐中電灯を持ちつつも慎重に入った。
『ギギーッ』
中は真っ暗だが、行き先さえ分かれば良いだけの話。俺を先頭に黄瀬、青峰大輝、太陽の順で並んで歩く。
2階に通じる階段を上り、1つの部屋に辿り着いた先には床下が開いている。
「この下に通じる階段を降りていったみてーだな」
「それに英語のキーボードが入ってるみたいっス」
黄瀬が指差した先に英語のキーボードらしきものがあった。恐らく、その仕掛けの答えを解いたことで開いたのだろう。
とりあえず、下に通じる階段を降りてみた方が良いかもしれない。
「キーボードを打てば解けたみてーだけど、この先には何があんだよ」
「よく分かんないけど、他にも何か仕掛けがあるとしたら・・・・・・」
「・・・・・・そこに行ってみるっきゃねーな」
太陽の言葉を区切りに階段を降りていく。どうやら、下まで続いているようだ。
(楓、まさか・・・・・・)
慎重に降りた先には洞窟になっていた。その先に何が起きるかも分からないが、一目散に駆け出していく。
しばらくして、そこに向かった先に見つけたのは・・・・・・鷲の絵が描かれている壁画。
「あれ、仕掛けが解けてあるみたいっス」
「本当だ。どうやって解いたんだ?」
黄瀬と大輝が感想を述べながら言う。そんなことを言ってる暇はない。
クズクズしてられないので、急いで階段を駆け下りた。黄瀬たちと一緒に向かったその先に見たものとは----------------
「楓!?」
楓たち女子グループが大人数の手下どもを相手にして戦っているところだった。
ザッと見て、100人くらいか・・・・・・その割には何とか倒せたみたいだが、どう見ても明らかにヤバい。
「ヤバいっスよ、先輩!」
「ああ、分かってらぁー」
空になった缶ビールを右手で手下の1人に向かって投げたのだった。
現在に至り、楓たちを助け出したというわけだ。4人とも、無事で良かった。
「・・・・・・というわけなんだよ。おまえら、こんな時間まで何してんだぁ?」
「直毅、それはないでしょ! 酒浸りで飲んだくれてるバカには言われたくないわっ!!」
「んだよ、俺が心配して探しにきてやったのにさぁー」
「酔っ払いに言われんのが嫌なの、私はっ!」
楓と俺のケンカトークを聞きながらも溜息をつくハルたち。幼馴染だから、何かと気にかけてしまう。
酒浸りで悪かったかもしれないが、俺は本当に心配している。楓のことは幼い頃からつるんでいるし、今も仲良くしてもらっていた。
「-------------ったく、面倒くせーことになっちまったな。詳しく聞かせろ」
「はい。実は------------------」
バンの妹のリンが自宅の前で何者かによって誘拐されたこと、優雅と望月幸介がたまたま通りかかった駐車場でそこに止めてあった1台の車の中に閉じ込められているリンたちを発見し、バンに連絡したことなどを詳しく聞いた。
「その時、バンはあることに気付いたんです。もしかしたら、キラード団が事件に関与しているのではないかという可能性が高いかもしれないって言ってました」
その話を聞いた俺はヒックと呻いた後、楓を見て呆れながら溜息をつく。
「どうりで、楓がここにいるわけだぜ・・・・・・ったく、心配かけさせんな」
「ごめん・・・・・・」
「まぁ、こうなっちまった以上は後ずさりできねーぜ」
俺は面倒くさそうに顔をしかめながら、楓の頭を優しく撫でた。
その後、意識のある手下の胸倉を掴んで問い質す。
「おい、リンたちが囚われた場所はどこにあんだよ?」
「うっ・・・・・・ち、地下・・・・・・」
地下室に居る可能性が高いかもしれないということか!
一刻も早く、バンたちに追いつかないようにしなきゃいけない。
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.136 )
- 日時: 2012/12/17 21:43
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第45章の続き
(ストーリーモード:ハル→バン)
バンたちに連絡するしか他はないだろうか。
そう思いながら考え込んでいたその時、ナオが私に話しかける。
「直毅さんが問い質したとおり、地下室に閉じ込められている可能性が高いですよ?」
「うーん・・・・・・そこは何とも言えないけど、リンたちが閉じ込められているかもしれないね」
ナオの言うとおり、直毅が問い質した後に言った言葉が引っかかった。
確かに地下室ならば、どこかに隠されていることも考えられる。
しかし、それまでに見つかるかは時間の問題・・・・・・そこをどう見出すか悩んでしまう。
「バンさんたちに知らせるしかないんじゃないですか?」
「知らせるというより、後から追っていった方が良いかもしれない」
バンたちの後を追い、そこで何が待ち受けているかも分からない。
それ以上に時間を稼いでいくことができたのだから、バンたちはそこにいるはずだと思って考える。
「直毅さん、ティアラも一緒に行こう!」
「OK、バンたちに追いつかないようにしないとね」
「俺もできる限り、協力するからよ・・・・・・」
直毅は面倒くさそうに欠伸した後、キッと鋭い目で睨みつける。
さすが、先輩・・・・・・直毅は結構良い人みたいだから大丈夫だろう。
「俺たちも行きます!」
「俺も気になるから行くぜ!!」
黄瀬涼太と青峰大輝の2人も力強く言ってくれたので、直毅たちを見回してから頷いた。
バンたちのことが心配だし、今から追いついても間に合うかどうか微妙だ。直毅たちも一緒にいるから大丈夫だろう。
「よし、みんな行くよ!」
そう言ったのと同時に内部へ向かって走り出す。
バンたちの無事を気遣いながら、後を追いかけて向かった。
(バン、みんな・・・・・・無事でいて!)
私はバンたちの安否を気遣いながら、直毅たちと共に追っていくことにした。
その頃、バンたちは内部へと突入していた・・・・・・そこで手掛かりを掴みながら捜査していたのだ。
慎重に捜査していくうちに何か仕掛けられていることが伺えた。
「ここまで来たのは良いけど、どうするんだ?」
立向居が周りを見回しながら呟き、辺りをくまなく調べる。
輝姫たちもすぐに調べながら捜査に協力していたが、何やら気になるものを見つけたらしい。
「あっ、バンさん! こっちに来てください」
「どうした、輝姫?」
輝姫たちが指差したのは、床に貼り付けられている1つの扉。
そこに何かがあるということは確かなようだ。
「------------ん?」
俺は扉に取っ手があることに気付き、手にかけて開けてみる。
力を込めて入れようとするも、頑丈になっているためだろうか・・・・・・・なかなか開けようと試みるも、ビクともしない。
「こんなところに扉が存在していようとはなあ・・・・・・」
溜息をつきながら、ゆっくり立ち上がる。
周りに何か扉を開けられるものがないか見回しながら探す。
どこかに何かのボタンがあるはずだと思いながら、懐中電灯の明かりを頼りに捜査していく。
「うーん・・・・・・」
仕掛けられていることは確かなのに、床に扉が存在している。
それは何のために仕掛けられていたのかも気になる。
「バンさん、扉があるってことは何かありそうですよね?」
「ああ。間違いない・・・・・・これは何かあるな」
輝姫の言うとおり、絶対に何かある・・・・・・この謎を解き明かすしかない。
そう考えたその時、キラード団のボスが誰なのか気になっていた。
(キラード団が存在するようになったのは、ここ最近・・・・・・なぜ、この辺を拠点に何をしているのか?)
キラード団が存在するようになったのは、ここ最近のことである。
なぜ、この辺りを拠点にしているのか・・・・・・それに何をしようとしているのかも気になっていたのだ。
(うーん・・・・・・リンたちがいなくなっていたのには、何らかの理由があるはずだ)
リンたちがいなくなっていたのには、何らかの理由がある。
それに望月と優雅が攫われた時の状況を考えるとほぼ酷似しているし、何か引っかかるのは確かだ。
「バン、ちょっとこっちに来い」
立向居が何か見つけたらしく、直紀が無言で手招きした。
そこにやってきた時、見慣れないものを見つける。
「これは-----------------------------」
立向居と直紀が指差して示すもの、それは地下室の鍵だった。
それが手掛かりになるのなら、そこに通じている場所は何なのか?
(さっきの扉・・・・・・地下・・・・・・・)
2つのキーワードを元にして考える。
その地下室にあるのは、誰かの部屋が存在しているということになる。
つまり、この地下室は何かの部屋に通じている可能性が高い。とりあえず、開けてみるしかない。
「とりあえず、この鍵を使って開けてみよう」
鍵を受け取り、さっきの床に貼り付けられているドアの鍵穴に鍵を入れる。
すると、今までビクともしなかったはずのドアが大きく開いた。
「地下に通じる階段か?」
そう言いながら呟き、懐中電灯の明かりを照らしてみる。
確かに階段がある・・・・・・どこかに通じているのだろうか。
「バンさん、どうします?」
子犬を抱えながら、階段を覗いた優実が問いかける。
確かに暗いけど、行ってみる価値はありそうだ。
「よし、今から突入だ!」
合図と同時に階段を駆け下りる。立向居たちも俺の後に続いて追いかける。
この時、俺たちはそこで待ち受ける罠に気付いていなかった------------