二次創作小説(紙ほか)

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.138 )
日時: 2012/12/17 21:47
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第47章 キラード団のアジトⅡ 謎の催眠術師・高遠遥一、登場!

(ストーリーモード:ナオ)

催眠の部屋にやってきたその時、私たちは驚くべき光景を見てしまった。
バンやヒロたちが眠らされているのを見て、何が起きたのかも分からずに驚愕する。
そこで、私たちは1人の青年に会った。その彼こそが、私の知る同級生であることに気づくのに時間がかからなかった。

「どうして、あんたがここにいるの?」
「君には知られたくなかったんだが、邪魔者が消えてくれれば・・・ってね」
「だからって、何でそこまでしてヒロたちを眠らせておく必要があるの?」
「それが僕のやり方だ。小野さんに会うとは思わなかったけどね、ククク・・・・・・」
「なっ、それってどういう・・・・・・」

高遠の考えていることが全く理解できない。ましてや、どこかで修行を積んできたのかもしれない。
よりによって、こんな形で再会してしまうことになろうとは想像していなかった。

「ナオ、知り合いなの?」

ハルさんが見かねて、私に優しく問い質す。知り合いというより、同級生だと言える。
バンさんたちにはまだ言っていなかったのを思い出す。ヒロと私は知り合いだった。

「はい、彼は高遠遥一(たかとお よういち)と言って・・・・・・小学校の時の同級生だったんです。でも、彼は行方をくらまして、どこに行ったのかも分からなかった」

小学校にいた時の記憶がよみがえる。高遠は一家と一緒に行方をくらまし、どこかへ行ってしまったという噂が出ていた。
数年後たって、高校生の時にようやく知ったのは催眠術師として活動していることだった。

「高校の時にやっと知って、ヒロにも話したら驚いてました」
「それで、催眠術師としてやっていたわけね」
「はい。ですが、どうやって解放させるか・・・・・・」
「そこが問題ね。高遠、バンたちを離しなさいよ!」

ハルが不満そうに言って怒りながら、顔を顰めた。
ヒロたちはまだ深い眠りに入ったままなので、どうやって起こすか。
その時、高遠は私たちに意味不明なことを言い放ちながら、見回して呟いた

「深い眠りから解くには、あの機械が鍵だ。おまえたちで考えて解いてみな」
「ちょ、高遠!」

そう言ったのと同時にフッと電気が消えた。煙幕を出されて、ケボケボと咳き込む私たち。
気づいた時には、彼の姿が見えなくなっていた。周りを見回しても、なかなか見当たらない。
ここにいるのは私たち、その場で倒れこんで寝ているバンたちだけ。つまり解かないとダメだということか。

「問題は、どうやって解くか」
「そうですね。あの機械に何か秘密があるんじゃないでしょうか」
「ええ、そうね。でも、何か解けそうな気がするね」

ハルさんと一緒に機械のところに向かうと、【ON⇔OFF】があった。
そこがキーポイントになる可能性が高いので、試しに【OFF】を押してみた。
すると、ピタッと寝息が止んだ。ようやく、眠そうに起き上がるバンたちを見てビックリする。

「んぁ・・・・・・」
「あれ、ナオ? 何でここに・・・・・・」

眠そうに欠伸しながら起き上がるバンたちは何が起きたのかも分からない状態だった。
ハルさんがバンさんのところに駆け寄りながら、頬を叩く。

「バン、眠らされてたんだよ。高遠の催眠術にやられたのよ」
「そっかぁ・・・・・・にしても眠いよー」
「そこで寝るな、このバカ!」

ゴロンと寝転がり、だるそうに目を閉じるバン。まだ眠りから冷め切ってないのか、寝惚けているのだろう。
ヒロのところに歩み寄り、心配そうに顔を覗きこんでみると目を閉じたまま、眠り込んでいた。

「ヒロ起きて、催眠は解けたんだよ!」
「ぅん・・・・・・分かってる、けど眠い」
「ほぅ・・・何なら、頬を抓ってやろうかぁー?」

そう言いながら、両手でヒロの頬を抓りながら起こしてみた。すると、目を覚ましたかと同時に飛び起きた。

「いてっ、何すんだよー」
「どう、スッキリしたでしょ?」
「あぁ、そうだね。心配かけてごめん、ナオ」
「良いってー。高遠のこと覚えてる?」
「ああ、覚えてる。あいつ、行方知れずになってたよね?」

ヒロも高遠のことを覚えていたようで、すぐに納得する。
彼の目的とはいったい、何なのか分からない。ハルさんの方はどうだろう?

「バンさん、寝てんの?」
「それが二度寝しちゃって、寝惚けてんのかな」
「寝惚けてるんですか。みんな、起きてきてるけど・・・・・・」

ヒロと一緒にやってきて、バンさんを起こしにかかった。

「バンさん、催眠は解けてるんですよ」
「んぁ・・・・・・そうだっけ、そろそろ起きなきゃな」

バンさんは眠そうに目を擦りながら、上半身を起こす。ハルさんが溜息をついて、左手で頬を抓る。

「やっと起きたかと思えば、寝惚ける気?」
「痛っ、眠かったんだからしょうがないだろォー」
「ったく、しょうがないわね。リンたちのところに行くわよ!」
「んー・・・・・・あぁ、そうだな。じゃあ、俺たちも行くか」

バンさんはようやく意識が戻り、起き上がりつつもゆっくり立ち上がる。
さっきまで寝ていたのが嘘のようで起きているのは現実だと言える。もし、寝てたら危ないことになっていたかもしれない。

「そうですね、行きましょう!」

勢いよく叫びながら、みんなを見て言う。バンさんたちもコクリと頷いた。
催眠の部屋を後にして向かったのは、リンたちが囚われている部屋。果たして、その部屋の場所を掴むことができるのか?