二次創作小説(紙ほか)

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.163 )
日時: 2013/01/09 15:09
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第48章の続き

(ストーリーモード:バン)

そうなれば、事件のアリバイを崩すのにも時間がかかってしまう。そのアリバイを聞き出すためには、どうすれば良いのか。

(うーん、アリバイを見つけ出すにも困難な状況だ。立向居たちの方も気になるが、後で話を聞こう)

この遺体の状況からして他殺の可能性が高いということになる。容疑者を絞り込むにしても難しい。
その事件の謎を握る重要な人物がいるとしたなら、誰かが関与していることも考えられる。

「ハル、どう思う?」
「どう思うって、何が?」
「この男性の名前が判明した時点で犯人を見つけ出すのに、何かトリックになるものとかあったりしないか?」
「トリックって、ナイフのこと?」
「そうだ。問題は、どうやって犯人が直井さんを殺害したか。そこがキーワードになるはずなんだ・・・・・・」

問題は、犯人がどうやって殺害したのか。そこは重要な手掛かりになるキーワードの1つ。
そのキーワード、あるいはトリックの謎を解き明かさないといけない。よく考えれば、何もかも辻褄が合うはずだ。

「うーん、確かにそうねぇ・・・・・・」
「でも、直にぃだったらどうする?」

輝姫が直紀に問いかけ、遺体を見つめながら考え込んでいる。直紀は輝姫を見て思わず、首を傾げた。

「そうだな、僕だったら・・・・・・一刺しするかな?」
「一刺し!?」

直紀は体が大きいから、気づかれずに一刺しできるタイプではない。
輝姫の言うとおりだとしたら、それも有り得る。ハルと顔を見合わせながら頷き合う。

「やっぱり、一刺しでやられた可能性もあるね」
「あぁ、警察に聞いてみる価値がありそうだな」
「でも、奈良警部に言っても信じてくれるかどうか・・・・・・」

警視庁の捜査一課にいる奈良警部に連絡して話した方が良いかもしれない。
ハルに頼んで、連絡させてもらった方が有利だということで一致した。その間に俺は直紀と輝姫の2人と一緒に捜査を開始。

「ハルが聞いてくれてるから、その間に俺たちで捜査してみようぜ」
「そうだな、僕らでやってみるのも良いね!」
「ああ、まずは直井さんがどうやって殺されたか。俺たちが来た時はもうすでに死んでいた・・・・・・」
「その時はナイフで一刺しされていましたよね・・・・・」

ナイフで一刺しされて殺された可能性が高まっていることから、他殺のようだ。
周りを見る限り、何もない状態になっていたことから考えると犯人が何らかの理由で憎しみを抱いていた可能性もある。

「問題は、一刺しされていたっていうのが気になるな」
「その伏線にある動機を探るにしても難しくなる。僕も捜査するの初めてだけど、謎を解き明かさないと気がすまないね」

なぜ、犯人は何の動機があって事件を起こしたのか?
ここのどこかに何かが隠されているかもしれない。犯人の正体を突き止めなくては!
そう思ったその時、ヒロたちが駆け寄ってきた。どうやら、手掛かりを掴んだようだ。

「バンさん、この本を見てください!」
「これは・・・・・・日記か?」

よく見てみると、古い日記のようだ。重要な手掛かりがあるとしたら、犯人の正体が分かるかもしれない。
左手で本を持ちながら、右手でペラッとページを捲る。どうやら、誰かが書いたみたいだ。

【2054年10月、僕の作ったアジトが使われてしまうなんて嫌だ。死にたくないのに、どうして僕だけが酷い目に合ってしまうのか・・・・・・邪魔者はすべて消す】

こんな感じで記されていたけれど、邪魔者ってどういう意味だろう?
ヒロが首を傾げて、日記を見つめて考えつつも意見を言う。

「うーん、この日記を書いた人は誰なんでしょう?」
「2054年っていうと、5年前だよな・・・・・・リンの幼馴染が誘拐された時期と似ている」
「リンちゃんの幼馴染って・・・・・・誰のことですか?」
「その前に、この写真を見てみな」

リンのお守りの中に入っていた写真を取り出して見せた。すると、ヒロがリンの隣に写っている少年を見て思い出す。

「あっ、もしかして・・・・・・早間綺羅!?」
「知ってるのか、ヒロ?」
「ええ、前にキョウヘイが言っていたのを思い出したんです」
「キョウヘイが?」
「はい、その時に会ってLBXバトルしたと言ってたのを聞きました。何か虚ろな目つきをしていたらしいと言ってましたねぇ・・・・・・」

虚ろな目つきをしていたということは、催眠術にかかっていた可能性が出てきた。
催眠術師として動いているカレン・キャベルン、高遠遥一の2人のどちらか・・・によって操られているかもしれない。

「もしかしたら、キラは操られているかもしれない」
「操られているって・・・・・・・どういうことですか?」
「催眠術だよ、さっきの部屋でやられたアレだ。それを使って、眠らせた上で何か施したんだろう」
「施したって・・・・・・まさか!」
「あぁ、そのまさかだ」

さっきの部屋で催眠術をかけられた時に使っていた機械のようなもので強制的に眠らせたとしか言いようがない。
よく考えれば、何もかも辻褄が合う。キラはリンの幼馴染だったことが分かっている。

「キラが事件に関与していることも有り得る。5年前に誘拐されたとか、志穂も言ってたしな」
「やっぱり、その可能性も有り得るんですね」
「ああ。それにしても、困難を極めてきたみたいでヤバいかもな」
「バンさん、僕たちで助けに行くのは当然ですけど・・・・・・トリックとかはどうするんですか?」
「ああ、心配いらない。ハルが聞き込みを終えたら、いろいろ聞けるみたいだしな」

ハルの聞き込みを終えるまでの間にヒロたちも加わって捜査に協力することにした。

「バンさん、僕も思ったけど・・・・・・他殺みたいだし、何か手の込んだトリックを仕掛けてると思います」
「手の込んだトリック?」
「はい。例えば、犯人がこっちに来たりするじゃないですか?」
「うん、それで?」
「その間を利用して、計画を企てた・・・それで、糸のようなものを張って使ったとかそういうのもできるんじゃないでしょうか?」

糸のようなもので刺した・・・・・・そのキーワードに重要な手掛かりが見えてきた。
もしかして、ボーガンのようなものを使って刺した可能性がある。ナイフを見てみることにした。

(ナイフのどこかに何か見つかればいいが・・・・・・)

ナイフの柄の上に何かの切れ込みが出ていた。もしかしたら、密室殺人のトリックかもしれない。
周りに何かないか探すしかないが、ここはヒロたちに任せよう。

「おい、ヒロ。ボーガンのようなものを探してくれないか?」
「ボーガンって・・・・・・どういうことですか?」
「さっき、おまえの言ったとおりだ。あれを使って、犯人は手を施した可能性があるってことさ・・・・・・立向居たちと一緒に探して来い!」

ヒロたちも何か納得したらしく、すぐにボーガンのようなものを探すことにした。
ようやく、電話を終えたハルが歩み寄りながら顰めた。何か沈痛な表情をしているようだ。

「どうした、ハル?」
「バン、直井さんのことを話したんだけど・・・・・・やっぱり誘拐されてたみたいだった」
「誘拐されていたのは確かだな、それで何か分かったことはある?」
「直井さんが誘拐される3日前くらいに怪しげな男と絡んでいたのを目撃したっていう人がいて、その不審者について捜査しているってさ」

その台詞を聞いて、引っかかることがあった。

(直井さんが怪しげな男と絡んでいた?)

何か気になる・・・直井さんは何らかの理由で組織に関わっていたとしてもおかしくはないはずだ。
事件が起きるまでの間に何があったのか、検証してみないと解くことができない。