二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.17 )
- 日時: 2012/12/15 21:06
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第5章 LBXバトル大会Ⅲ 優勝は誰の手に?
(ストーリーモード:バン)
決勝戦は藤原と金居が破れ、残ったのはバンとカレンの2人。
今から2人によるLBXバトル対決が始まろうとしている。
「山野バン、絶対に負けないからね!」
「ああ、望むところだ! かかってこい!!」
ここまで来たら勝負するしかない。
どっちが優勝するかはまだ分からないのに、ワクワクさせてくれそうな予感がした。
ヒロの分まで勝たないといけないのに、負けるわけにはいかない。
(あの女性、いったい何者なのか知らないけど・・・・・・決勝戦が終わったら話を聞かせてもらうか)
そう思いながら見つめていたその時、何か違和感を感じた。
ブラックパンドラはもしかして、カレン自身が作ったオリジナルものではないか。
(そう考えれば、何かありそうだぞ・・・・・・)
嫌な予感がしそうな気がするのは確かだし、今は集中しないといけない。
「行くぞ!」
再び、戦いの火蓋が切って落とされた。
【LBXバトルスタート!】
ブラックパンドラは両手にブラックデスペレイドエッジというナックルの武器を構えながら、イカロス・ゼロに襲い掛かってきた。
「そうは行くか!!」
カカカッとCCMを素早く打ち込んだ。
イカロス・ゼロのスピードが素早くなり、ブラックパンドラの猛追を凌いでかわす。
「くっ、思ったより以上にやるねぇ・・・・・・」
顔をしかめながら呟くカレン。
彼女を見て思わず、CCMを打ち込みながら操作していく。
イカロス・ゼロは槍と盾を構えながら、ブラックパンドラの猛追を凌いだ後にフッと姿を消した。
「なっ、消えた!?」
カレンはどこにいるのか検討がつかず、途方に暮れていた。
(危ないところだった、一瞬でやられそうになるぜ)
イカロス・ゼロは現代都市内にあるビルの屋上に立っていた。
その様子を伺いながら、CCMでブラックパンドラを捉える。
(隙を突くなら・・・・・・・今だ!)
カカカッとCCMを打ち込みながら、タイミングを窺った。
その瞬間、ブラックパンドラの背後に回りこんだ。
「なっ、速い!」
「だったら、そろそろ行くぜ!!」
CCMを打ち込みながら、イカロス・ゼロを操作した。
その時、必殺ファンクションを発動する。
「必殺ファンクション!」
CCMの画面に必殺ファンクションが現れる。
【ホーリーランス】
槍先に溜めたエネルギーを使い、イカロス・ゼロはジャンプして一気に解き放った。
隙を突かれてしまったブラックパンドラ・・・・・・その胸部に突き刺さる。
「あっ!」
そのダメージを受けたブラックパンドラはブレイクオーバーして倒れ込んだ。
「優勝は・・・・・・・山野バンだ!」
アナウンスの声がしたのと同時にワァァァ-----------------------と歓声がどよめく。
カレンはうなだれたまま、顔を顰める。
「よっしゃあ!」
右手で拳を突き上げて、ガッツポーズした。
その時、バトルスペースの入り口側から聞き覚えのある声が聞こえた。
「カレン・キャベルン、そこまでだ!」
そこに現れたのは、警視庁で働いている奈良雄図だった。
奈良警部、こんなところで何をやってるんだ?
「奈良警部、何やってるんですか?」
「おお、バンじゃないか!」
奈良警部は溜息をつき、カレンを見て捉えた。
同時に警視庁の手帳を見せて言い放つ。
「カレン・キャベルン、イタリア警察から逮捕容疑が出ている」
「ククク、バレてしまっては仕方がない。このヴィーナスを捕らえることができるかな?」
「なんだと!?」
奈良警部が言い放ったのと同時に何か放った。
すると、いきなり光が現れて、ピカッと明るくなった。
両手で覆いながら、顔を顰める。
(これは・・・・・・閃光弾!?)
光が消えた瞬間、カレンの姿が見えないことに気付いた。
何が起きようとしているのか、俺たちにはまだ分からない。
「くそ、逃がしたか!」
奈良警部は悔しそうに顔をしかめながら、その場を立ち去った。
(どういうことだ?)
カレンの目的そのものが分からない。そこが謎だと思えたのは気のせいか。
その帰り道、ハルと一緒に肩を並べながら歩いていた。
「バン、奈良警部が来てたよね?」
「あっ・・・・・・ああ、うん」
確かに来ていたけど、カレンが何か事件に関係があるのか。
それとも何か知られたくないことでもあったのか、この大会に参加していたのかもしれない。
そう考えると、奈良警部は何か事情を把握している可能性が高い。
「何で来てたの?」
「さあな、それは俺にも分かんないぜ」
肩をすくめながら、両手をズボンに入れたまま歩いて答える。
ハルはうーんと唸りながら、何か納得いかないかのような顔で見つめた。
「な、なんだよ?」
「だって、バトルスペースの方から光が漏れてたんだもん」
「ああ、あれか・・・・・・閃光弾だ」
その言葉が放たれた瞬間、ハルは歩を止めて固まった。
いきなり固まったかと思いきや、目を丸くしていた。
「ええええええええ!?」
それ、本当なのかと言いたそうな顔をして驚く。
突然のことだったんだから、しょうがない。
「何で閃光弾?」
「それがよく分かんないんだよ」
「はあ? どういうこと?」
ハルが首を傾げながら、俺に顔を向けた。
確かにどういうことなのかは分からないが、ただ1つだけ言えることはある。
「なあ、ハル・・・カレンがもし、何かの事件に関わってたとしたら・・・おかしくないよな?」
ハルに問い詰めてみる。
彼女は腕を組みながら考え込み、顔をしかめた。
「うん、確かに有り得るよね」
「でも、何か引っかかるんだよ」
「引っかかる?」
そう、何か引っかかるような気がした。
ハルが何か言ってたことを思い出そうとするが、それは無理だった。
だが、確信できることがあるとすれば・・・・・・1つだけしかない。
「もしかして、奈良警部は何か知っていそうだよな」
「あ、それも有り得る!!」
ハルも何か事情を察したらしく、明日の午後に2人で警視庁に行って聞くのもありだと言い張った。
「警視庁で話を聞きに行こうよ!」
「でも、明日は直井さんや由美さんがいるかどうか分からないぞ」
「とりあえず、行ってみるだけでも良いじゃん!!」
確かにハルの言うとおり、行ってみる価値はありそうだ。
何か捜査しているのならば、奈良警部から詳しい話を聞いてみた方が良いだろう。
「そうだな、明日の午後に行ってみるか」
「うん、そうした方が良いよ!!」
ハルの意見に頷き、警視庁に行ってみようかということに至った。
翌日の午後、俺はハルと一緒に警視庁を訪ねた。
「奈良警部、いるのかな?」
「いたら良いんだけどな・・・・・・」
苦笑しながら呟いた瞬間、聞きなれた声がした。
「あら、バン君じゃない!」
警視庁の捜査一課で働いている大谷由美だった。
久しぶりに会うので、何だか懐かしく思えた。
「久しぶりです、由美さん」
「あ、ハルちゃんもいらっしゃい。2人揃って、急にどうしたの?」
由美さんは俺たちを見て、首を傾げる。
ハルが由美さんに向かって話した。
「由美さん、奈良警部はいますか?」
「奈良警部ね、今は会議中でいないのよ」
溜息をつき、奈良警部は何だかんだで忙しいらしいと話してくれた。
それでも納得がいかないハルは由美さんに突っ込んだ。
「由美さん、私たちの話を聞いてください」
「えっ・・・・・・私でよければ良いけど、応接室で聞こうか?」
「はい! そういうことだから良いよね、バン?」
ハルは話す気満々のようで、俺を捉えながら睨みつける。
その睨み付け方、凄く怖いんだけど・・・・・・・そう思いながら、顔を顰めた。
「ああ、良いよ」
「うん。じゃあ、応接室に行こうか」
由美さんに促され、俺たちは警視庁の中に入った。
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.18 )
- 日時: 2012/12/15 21:09
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
警視庁内にある応接室に通された俺たちは椅子に座り、向かい側の席に座った由美さんをみる。
「さて、急に聞きたいこととかあるの?」
「由美さんはご存知ないですか?」
ハルが直接、言い切ったのを見て思わず苦笑する。
確かに由美さんは何も知らないはずがないと思っていたのだから。
「何を?」
由美さんはいったい、何のことかと思いながら問いかける。
ハルとアイコンタクトをとり、お互いに頷き合う。
「この写真を見てもらえませんか?」
ハルが差し出したCCMの画面に映っている写真。
その写真には、カレン・キャベルンの姿が映っていたのだ。
「カレン・キャベルン!?」
「知ってるんですか?」
ハルは由美さんを見て聞き返す。
その様子を見る限り、何か知っていそうな感じだ。
「バン君とハルちゃん、どこで撮ったの?」
「俺たち、LBXバトル大会の会場に来てて・・・・・・その時に撮りました」
「LBXバトル大会!?」
どういうことだと言わんばかりに俺たちを見つめる。
確かにLBXバトル大会で見かけたし、決勝戦で戦ったから知っていた。
「何でLBXバトル大会?」
「ヒロに誘われて行ったんですけど・・・・・・あいつ、その不良グループを叩きのめしたいとかで参加するって言って、俺を誘ってくれました」
ヒロは由美の従兄弟に当たり、弟のような存在でもある。
その話を聞いたら、ヒロのことで説教されるかもしれないと思った。
由美は腕を組みながら、うーんと唸って考え込んでいた。
「なるほどね、ヒロが酔い潰れて帰ってきた理由が分かったわ」
「は? 今朝、何かあったんですか?」
由美さんに聞くとヒロは自宅に帰ってくるなり、玄関の床に倒れ込んで寝てしまったそうだ。
起こしてもなかなか起きないから、部屋まで連れて行ったが・・・・・・当の本人は酔い潰れていたため、完全に爆睡していたらしい。
「へぇ、あのヒロが床で寝るなんて珍しいな」
「あれでも大変だったのよ、酔っ払って帰ってくることは想像してたけど・・・・・・どんだけ飲んだのよ、もう!」
由美さんは呆れながら、ヒロを気遣って溜息をついた。
カレン・キャベルンのことで何か知っているようなら、話を聞きたい。
「話を戻すわね。カレン・キャベルンはイタリア警察から捜査依頼を受けていたとき、国際指名手配されていたそうよ」
国際指名手配?
何の事件を起こして逃げ回っているというのか?
「国際指名手配されていたって・・・どういうことなんですか?」
「そういえば、消える時に閃光弾を使って去るというのがあるよね」
閃光弾を使ったというところなら、確かに目撃した。
でも、ヴィーナスってどういう意味を示しているんだろう?
「はい。俺も目撃したんですよ、奈良警部も一緒に居たから分かります」
「マジで見たの?」
「はい・・・・・・奈良警部がやってきた時、いきなり閃光弾を出して逃げ切ったみたいです」
記憶を探って思い出しながら答える。
あの時、カレンは間違いなく閃光弾を出して消えた。
目の前から消えて、どこに逃げたのかも分からない状況になっていたのだ。
「なるほどね・・・・・・ある事件との繋がりがあると見て、逃亡先の日本に潜んでいた可能性が高いって聞いたわ」
逃亡先を日本に絞って、そこで何を企てようとしているのか。
そこが何となく引っかかるという由美さんはある事件について話してくれた。
「ある事件というのは、イタリアのマフィアという組織が起こしたものでね・・・・・・今から25年前に遡るんだけど、当時はイタリアのマフィアがいくつもの存在していたのね」
25年前、当時のマフィアにはいくつもの組織が存在していたという。
たくさんあったマフィアの組織は少なからずとも、血の繋がったファミリーでないとやっていけなかったそうだ。
「そのマフィアの組織の1つであるファミリーにカレンの父親らしき人物が入っていたらしいのよ」
「父親がマフィアに?」
「そう・・・・・だけど、ここからが問題の事件ね」
由美さんが言うには、25年前に起きた惨劇が関係しているのだという。
「25年前の・・・・・・惨劇?」
由美が語る、25年前の惨劇とはいったい?