二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.189 )
- 日時: 2013/01/11 20:15
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第48章の続き(>>163)
(ストーリーモード:バン)
その謎を解き明かすには、どうすれば良いのか。謎を解くヒントさえ掴めば良いが、手掛かりとなるボーガンがあれば仕掛けのトリックを解くことができる。
(うーん、俺たちがこの部屋に来るまでの間に何が起きたのか? そこが問題なんだよな、ハルたちも困惑していて状況を掴めていない)
その謎に関する問題を解くには、死亡推定時刻をイメージした方が分かりやすいかもしれない。
直井さんを見たところ、硬直しているのは確かだ。だが、その謎を解き明かさないことには自信を持たないといけない。
「死亡推定時刻は恐らく、その前日orだいぶ前にやられていた可能性があるな」
「ええっ、どういうことですか?」
「まだ分からないかい? 俺たちがここまで来るのに時間かけて来たんだよな。その時間までに死んでいたということは、犯人がいたという証拠さ」
この部屋に来るまでの間に犯人は直井さんを殺害していた可能性がある。
つまり、密室殺人トリックを施したということになる。犯人が何らかの理由で、そのトリックを施して分からないようにさせたというのが賢明だと言っていい。
「ってことは、まさか・・・・・・」
「そう、間違いなく密室殺人だ! 容疑者はカレン・キャベルン、高遠遥一、早間綺羅の3人だけということになるな」
カレン・キラ・高遠の3人は容疑者、つまり犯人はその中にいるということになる。
直井が誘拐される3日前に怪しげな男と絡んでいたという情報が出ていたというハルの証言を元にして推理するしかない。
「ハル、直井さんは3日前に怪しげな男と絡んでいたって言ってたな?」
「ええ、奈良警部が言ってたの聞いたわ」
「他に何か新しい情報は?」
「確か、奈良警部は身長が高かったとも言ってたな」
「身長が高い・・・・・・?」
「そうよ、身長は190cmくらいだって言ってたけど・・・・・・」
ハルの言葉を聞いて、何か引っかかった。身長は190cmだって言っていた。
俺より背が高い人といえば、幼馴染の船津直紀と青峰航一郎の2人だけしかいない。
「うーん、背が高いヤツはコウと直紀の2人だけか」
「直紀も背が高いよね。コウもそうだけど・・・・・・」
「ちょっと待て、コウたちが犯人だと言いたいのか?」
「ううん、そう言いたいわけじゃ・・・・・・」
「そうだよな。あいつらが犯人じゃないとしたら、それ以外の人物がいたということになるな」
「それじゃあ、誰が犯人だと言いたいの?」
ハルに突っ込まれながら、思わず苦笑した俺は溜息をついた。手掛かりさえあれば解きやすい。
その時、ヒロたちが駆け寄ってくるのが見えて、その様子だとボーガンを見つけたようだ。
「バンさん、例のボーガン発見しました!」
「おう、見つけたか。そこに置いといてくれるか?」
「分かりました!」
問題は、ボーガンがどこに置かれていたか・・・・・・そこが重要になるので、気を引き締めて推理していく。
ヒロたちに話を聞いてみないと分からない。その謎を解き明かすのに、重要なキーワードさえあれば良いので聞き出せるだけ話しかけてみた。
「おい、そのボーガンはどこにあったか覚えているか?」
「はい、この部屋の奥にあったところに置かれてました」
「奥に何かあるのか?」
「はい、あそこに見えるのが置き台みたいな感じです」
ヒロの指差した方向を見てみると、そこには置き台があった。もしかして、そのボーガンは置き台を利用して使ったのか。
あるいは、ボーガンを駆使していくことで何かの矢を用意した可能性が高い。
「なるほど、そういうことか・・・・・・」
「えっ、どういうこと?」
「ちょっと、そのトリックが分かってきたような気がするんだ」
「えっ、何のトリック?」
「ボーガンを使ったトリックさ。ちょっと実験してみないと分からないから、早速やってみよう」
ヒロたちも首を傾げていたが、早速やってみようかということになった。
直井さんの代わりになるダミー人形のようなものを、椅子に座らせる。その後は置き台にボーガンをセットするだけで、天井の辺りに糸のようなものを張り巡らせていた。
「準備できたよ、バン!」
「よし、これでOKだな」
「それで、バンさん・・・・・・」
輝姫が俺たちのところに歩み寄って質問する。俺は首を振りながら、思わず苦笑した。
俺の推理が合っていれば間違いないと思うので、さっそく検証する。
「ああ、このトリックは密室殺人トリックだ」
そう言い放つと、みんなはどういうことなのか分からずにいた。
さっきまで大人しくしていた黄瀬涼太がいきなり叫びながら突っ込みたがる。
「ええ、どういうことっスか? 密室殺人トリックって何スか!?」
「ゴタゴタ言ってねーで、バンの話を聞けよ! ゴルァ!!」
その声を聞いていた青峰大輝がいきなりキレて、黄瀬を殴った。そのダメージを受けた黄瀬は顔を顰めた。
流石は、キセキの世代と言っていいほど突っ込みたくなるのも頷けた。
「まぁ、2人とも落ち着いてよ。俺が言いたいのは、密室殺人トリックに隠された秘密がある」
「えっ、そこに隠された秘密!?」
「そう、このボーガンは犯人があらかじめ用意していたものだ。問題は、犯人がどうやって殺害したか」
犯人がどうやって殺害したかと言うところが気になる。そのトリックを解明することで、犯人の正体が分かるからだ。
「直井さんを殺そうと思った動機が何なのか、今も分からない。ただ、言えることはボーガンに隠された真実を解き明かすことだ」
そのトリックを解き明かすことで見えてくる犯人の正体が明らかになりそうだ。
よく考えれば、すぐに分かることだ。とりあえず、今はその謎を解かなければいけない。
「さっきも言ったように、密室殺人トリックを施していたんだ」
「施すって、どうやって犯人は仕掛けを・・・・・」
「そこだよ、ヒロ。天井に糸のようなものが張り巡っているよね?」
「あ・・・・・・」
天井を見て、ヒロたちはその糸のようなものが何なのか納得する。
糸の正体はワイヤーだった。そのワイヤーを使用することで、狙いを定めやすいようにした可能性が出てきた。
犯人はそこにある置き台を利用して、ボーガンを使った。それで、ボーガンに嵌める武器を使って殺害したということになるのだ。
「そうか、分かったぞ! 犯人はワイヤーを使って、狙いを定めやすいようにして仕掛けを施したということですね?」
「ああ、そういうことだ。ヒロは物分りがいいな、みんなも分かったか?」
ヒロを含む他の仲間たちもコクリと頷いた。ボーガンを使って殺害したトリックの正体を明かそう。
「犯人は、そこにある置き台を利用したのさ。それで、ナイフの柄に切り込みを入れて嵌めたんだ」
「そのナイフをセットしてから、狙いを定めるんですかね?」
「ああ。それで、このナイフに仕掛けを施して使ったんだ」
ボーガンに切り込みが入っているナイフをセットして嵌めた。いつでもいけるようにして準備はできていた。
「みんな、見とけよ」
狙いを定めて、ダミー人形に向かってナイフを放つ。すると、ナイフは円を描いたように回って腹に突き刺さった。
これが犯人の使った密室殺人トリックの正体だ。その謎の1つは解明できたが、直井を殺した犯人は誰なのか?
(犯人が誰なのかも分からないままじゃあ、解くことができない。直井をよく知る人物とかいればいいんだけど・・・・・・)
ふと、脳裏に何かが過ぎった。もしかして、過去に何か繋がっているかもしれない。
その時のことを思い出してみないと分からないので、記憶を手繰り寄せて思い出すことを試みることにした。