二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.21 )
- 日時: 2012/12/15 21:25
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第7章 廃墟ビル探検Ⅰ リン&優の空手部コンビが見たものとは?
(ストーリーモード:リン)
2週間経ったある日、ミソラ学園高校で部活を終えた。
気付けば、もうすでに夜になっていたが・・・・・・空手部のチームメイトであり、親友の望月優に誘われる。
「リン、帰る前に例の場所を探検しない!?」
「--------------探検?」
いったい、何を言い出すかと思えば、いきなり探検か。
優の考えていることは何となく理解できたので、物凄く分かりやすい。
性格からして、いつも明るく天真爛漫なところもあるのに、なぜか好奇心旺盛だ。
「うん、トキオシティの裏通りにある廃墟ビルよ!」
「と、トキオシティ!?」
トキオシティの裏通りといえば、夜になると不気味になるっていう噂が流れている。
そこに行って、何をしようというのかと思いきや、優はバックからあるものを取り出した。
「これを使って探検すんのよ!!」
優が出したものは懐中電灯だった。
私の分も買っておいたのだろう、もう1つの懐中電灯も用意しておいてあった。
(優のヤツ、何を企んでるんだか・・・・・・)
そこまで言うなら、帰る前に立ち寄るのも悪くないか。
「しょうがないな、もう・・・・・・どうなっても知らないからね?」
「ニシシ、そうこなくっちゃ!!」
ニヤリと笑いながら、優は懐中電灯をバックに入れた。
仕方なく、私も懐中電灯を入れておくことにした。
(バン兄さんには何か言ったらいいかな・・・・・・)
とりあえず、自力で帰った後が問題だなぁーと思いながら考える。
兄のバンはたまに自宅の2階にある部屋で酒を飲んで寝ていることが多いので、起こすわけにはいかない。
弟の健太や直太はキャッキャッと2人でふざけ合いながら仲良く遊んでいる。
(そうとなれば、叱られるのも時間の問題だわ)
優に誘われたから、探検しに行ったと言えば呆れられるだろう。
それでも、兄のバンには知られたくなかったから行くしかないと思ったのだ。
「よし、行こうか!」
「え、リン・・・・・・」
「優、今回の探検には特別に付き合ってやるわ」
優の手を引っ張りながら、ミソラタウン駅に向かって歩き出そうとしたその時だった。
「あれ、リンじゃないの」
後ろを振り返ると、バン兄さんの幼馴染・人見晴香さんが立っていた。
隣には、見知らぬ男性が一緒に立っている。ハルの知り合いだろう。
特徴は黒と白を半分にした髪型を整いながら、両目が赤い瞳になっている。
「こ、こんばんは・・・・・・」
「こんなところで何してんの、あんたたち」
ハルさんが私と優のところまで歩み寄ってくる。
その様子を見かねた青年がハルに話しかけた。
「ハル、知り合いか?」
「うん。私の後輩でバンの妹がいるのよ」
「へぇーバン君の妹か・・・・・・ってあれ?」
青年はハルの前にいた2人の少女がいないことに気付く。
「消えた!?」
ハルは隙を突かれて、すぐに逃げ出したのだと推測できた。
「バン君に知らせたほうが良いんじゃないか?」
「よし、じゃあバンの家に行こう!」
ハルは青年と一緒に駆け出して、バンの家に向かった。
その頃、リンと優はミソラタウン駅に着いて電車に乗ったところだった。
「ハァハァ・・・・・・」
「間に合ったね!」
ハルさんにバレてしまいそうになりかけたが、その場所については何も言えないでいたのだ。
もし、バン兄さんに知られたら怒られてしまうのは間違いない。
「どうなることかと思ったけど、廃墟ビルを探検しちゃおうよ!!」
「良いけど、今回はあんたに付き合うだけだからね!!」
優に付き合うことにしたので、バン兄さんたちに心配かけてしまうのは確かだった。
それでも、私はCCMを持ってるから連絡できると思うんだけど・・・・・・まあ、みんなに知られたくないからっていうのもあるのだ。
「そうこなきゃね!!」
優はくぅーと背伸びしながら、ワクワクしている。
これから自由な夜の時間が始まると言っていいだろう。
トキオシティ駅に到着したのと同時に優の案内で廃墟ビルに続く道を通りながら、慎重に歩いていく。
裏通りに通じるかと思われる場所を特定し、廃墟ビルの場所について調べておいたのだ。
「あ、見えてきた!」
一番奥に佇む、不気味な姿を現した建物が建っている。
しかも、そのビルを見る限り・・・・・・廃墟を思わせる風格な感じが漂う。
「何か怖いけど・・・・・・」
「とりあえず、入ってみようか!!」
懐中電灯を取り出した瞬間、ライトをつけた。
周りを見る限り、何もない状態になっているようだ。
流石に長居はできないかもしれないが、できるだけ捜索しながら探検することにした。
「んー・・・・・・何か不気味だな、怖いけどね」
「あら、リン・・・・・・幽霊が出るとは限らないんじゃないの?」
「何をっ! そんなこと言ってる場合があったら・・・・・・」
そう言いかけた瞬間、ヒュッと風が靡くかのように吹いた。
どこからか風が来ているように感じてしまうのは、気のせいだろうか。
「さっき、風が吹いてきたよね?」
「これは何かあるかもよ!!」
優がワクワクしながら、腕を振り回して言う。
いや、何か嫌な予感がしそうでならない・・・・・・それどころか、物音が聞こえてくる。
「ちょっと待って、優・・・・・・」
シッと人差し指を立てながら、声を出さないようにして指示する。
どこからか、不気味な物音が聞こえてきた。
『カツーン、コツーン・・・・・・』
物音を聞いたのと同時に顔を青ざめながら、ゆっくり聞きたてる。
何かが迫ってきそうな予感・・・・・・それを感じるのに、時間はかからなかった。
「逃げよう!!」
ダダダダッと走り出しながら、通路を駆け抜ける。
開いている部屋を見つけ、その場所に入って閉めた。
『バタンッ!』
ドアが閉まったのと同時に背を預けて、様子を伺う。
誰かが来そうな予感はしていたけど、何か嫌な予感が的中しそうだ。
「あ、あんなところに頑丈そうなドアがある!」
優が指差した方向を見ると、1つの大きなドアが存在していたことに気付いた。
見るからに頑丈そうなので、試しにドアを押して開けてみることにした。
『ギギギーッ・・・・・・・』
大きな音がしたかと思いきや、目の前に現れたのは地下室に通じるかと思われる階段。
この先に何が待っているか分からないので、慎重に踏み入れた。
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.22 )
- 日時: 2012/12/15 21:29
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
数分後、地下室のドアの前に到着した。
ドアの前に突っ立っている瞬間、この先に何があるか分からない。
「じゃあ、行くよ」
「うん!」
慎重に地下室のドアを開けて入ると、目の前に現れた光景は神秘的な場所だった。
まるで、ダイヤモンドダストみたいな感じになっていて、まさに魅惑というよりも幻惑を惑わせるかのようだ。
「凄い、こんなところに神秘的な場所があったなんて・・・・・・」
「本当に綺麗・・・・・・なんていうか、凄すぎるよね!!」
優も満足そうに頷きながら、笑顔を見せて納得していたその時だった。
私たちの背後に迫る影がスウッと現れ、後ろを振り返ると怪しげな人物が立っていた。
「山野リンだな?」
男はニヤリと不気味な笑みを浮かべながら、私に向けてナイフを突き出す。
どうして、私の名前を知っているのか分からなかった。
「何で私の名前を知っている?」
「問答無用だ、その前に邪魔なヤツを殺してやるよ」
男はニヤリと不気味な笑みを浮かべた。
まさに絶体絶命のピンチとしか言いようがない。
こんな時に限って、とんでもないことに巻き込まれてしまうとは想像していなかった。
「くっ・・・・・・」
「どうする、リン?」
優があたふたと焦りながら、目の前にいる相手を見て呟く。
この状況で打破できるところではないが、このままでは殺されてしまう。
(どうすれば良いんだろうか)
バン兄さんなら、ブレイズキックで叩きのめせるはずだ。
でも、私の場合は強烈な回し蹴りを食らわせるしかなかった。
「一か八かやってみるしかないね!」
ハァァァァ------------------------と気合を入れてから、相手の男に向かって強烈な蹴りをぶちかました。
すると、そいつはいきなりジャンプして攻撃をかわした。
「お---------------こわー」
いきなり攻撃をかわした・・・・・・しかもジャンプしてかわされたというより、運動神経が良いかもしれない。
男は私を見据えながら、驚いた顔で話しかけてきた。
「女の蹴りじゃねーぞ、そりゃ」
「なんだとっ!?」
カッとなりながらキレかけたその時、男の顔がいきなり豹変した。
まるで野生児のような感じになって、暴力を否定させないかのようなオーラを漂わせた。
「うっ・・・・・・」
「だったら、俺のパンチをくらいな!!」
パンチが私に向かって放たれた瞬間、思わず目を閉じてしまった。
優もビクビク怯えながら、泣きそうな顔をしていた。
(やられる----------------)
そう思いながら、目を閉じていたその時・・・シーンと静まり返った。
私たちは首を傾げながら、閉じていた目をゆっくり開ける。
「・・・えっ!?」
誰かが男の左腕を握っている。
しかも強い力で握りながら守ろうとしてくれた。
「なっ・・・」
「-----------そこまでだ」
聞き覚えのある声を聞いて、後ろにいる人物を見て驚愕する。
ハルさんと一緒に居た青年が目の前にいたことに驚いた。
しかも冷たく放たれる、少し低い声を出しながら呟く。
「リンちゃんたちに手を出すんじゃないぞ」
「おっ、おまえは-----------------------」
男は動揺を隠せないかのような目つきをして、その青年を捉えた。
すると、意外な言葉を聞いて知ることになる。
「まさか、【秒殺の皇帝】と呼ばれた海道ジン!?」
両目の赤い瞳が男を見据えながら睨みつける。
そのオーラを感じさせないかのような目つきでキッと見据えた。