二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.246 )
- 日時: 2013/01/21 19:39
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第51章 囚われの身になったリンたちの居場所を掴め!
(ストーリーモード:バン)
俺たちはアジト内の上層部を捜索しながら、リンたちの居場所を特定しようとしていた。
だが、リンたちがどこにいるのかも未だ掴めないままでいる。その場所の位置を特定するのは極めて困難である。
「くそっ、リンたちの居場所を掴むのが難しいなんて」
「ここは上層部だし、どこにいてもおかしくないはずだと思うよ」
「ハル、のん気に言ってる場合があったら手伝えよな。どこにいるか掴まなきゃな」
問題は、リンたちの居場所がどこを示すのか。そのヒントを掴むまでに時間がかかりそうだ。
その時、恵寿があることに気づいて考え込みながら呟く。それを聞き逃さなかった俺たちは目を丸くする。
「もしかしたら、上層部のどこかにある部屋に何か隠されていそうな感じがします」
「部屋か、それも考えられるな・・・・・・でも、リンたちが無事でいてくれれば大丈夫なんだけどな」
「みんなで手分けするにしても無理だと思うんです。そこで、みんなでその部屋に乗り込んで探すって言うのはどうでしょうか?」
恵寿の意見を聞いて、顔を見合わせる。確かにその可能性も含めて捜索する必要がありそうだ。
実際、みんなで探してみて見つかれば良いだけの話。問題は、黒幕が誰なのか。
その証拠を掴むために、そこの部屋で手掛かりを見つけ出す。それしか方法がなかった。
「くそっ、みんなで乗り込んで行くしかないよな」
「私たちも一緒に行くよ!」
「ハル・・・・・・・」
ハルの様子を見て驚く。ヒロたちもコクリと頷いて、一緒に手伝うんだということを示しているのだろう。
こいつら、最高の仲間だと言いたい。とりあえず、その部屋の捜索をすることにして決めた。
「そうだよな、ハル・・・・・・みんなもそう思うよな」
「はい、リンちゃんたちを見つけ出して推理してみなきゃ分からないですよ」
「ヒロ、俺たちで謎を解き明かすぞ。ハル、みんなも部屋の捜索する用意はできてるか?」
やる気が沸いてきて、みんなを引っ張って捜査しなければならないんだということを察した。
でも、きっと何かできることがあるはずだと信じたい。リンたちを見つけ出すべく、上層部にある部屋を目指す。
「「「「「「おう!」」」」」」
みんなの元気な声を聞いて、コクリと頷いた俺は踵を返して走り出す。
「いくぞ、みんな!」
リンたちの居場所を掴むため、まっしぐらに上層部の部屋を目指して駆け出していく。
数分後、俺たちは上層部にある部屋の中に突入した。中は真っ暗になっていて、様子を伺うことができない。
手探りで電気のスイッチをつけると、誰かの部屋のようだった。そこには、本棚やテーブルなどが置かれていた。
「ここは、誰の部屋かな?」
「さぁ・・・・・・誰の部屋かは分かんないけど、調べてみる必要がありそうだな」
「ちょっと待ってください、バンさん」
ヒロが何かに気づいて、耳を澄まそうとしている。どうやら、どこからか物音が聞こえてきたようだ。
微かだけど、どこから音が漏れているのかも分からない。
「さっき、何か物音がしませんでしたか?」
「ああ、下から聞こえてきたぞ。ん、待てよ・・・・・・」
その時、何かに気づいた瞬間だった。床に屈め込みながら考え込む。
床に何かが隠されているような気がしてならなかった。どうも、違和感を感じる。
どこかで引っかかるような気がしたのだが、気のせいではないらしいことが分かる。
「もしかしたら、この下に何かあるかもよ」
「えっ、どういうこと?」
「ハル、この下から物音が聞こえてきたとする。その物音が漏れているのはなぜだか分かるか?」
「そりゃ、何か仕掛けを施しているとか?」
「そう、そこだよ。まさに引っかかっていたのが、この仕掛けさ」
この下に何か仕掛けがあるということは間違いなかった。だが、それを証明できる道具とかないと困る。
そう思い込んだ瞬間、恵寿がナイフを差し出してきた。
「これで掘ってみたらどうでしょうか?」
「あ、これで掘れるな。借りるぞ」
恵寿空ナイフを受け取って、ガツガツと床を掘り出す。すると、目の前に現れたのは蝶番だった。
ここに蝶番があったということを示すのは、仕掛けのトリックが隠されているという証拠。
なかなか、手の込んだ仕掛けを施しているようだ。そこに隠し扉があったということは、間違いなく仕掛けこんだ可能性が高い。
「こんなところに隠し扉って------------------」
「いったい、どういうことなんですか?」
黄瀬とシントが目を丸くして驚きを隠せず、首を傾げていた。
ここに隠し扉が施されていたのには、リンたちを閉じ込めるために使った可能性も有り得る。
「リンたちの居場所が、この下だったとしたらどうだ?」
「あっ、もしかして犯人は何らかの理由で隠し扉を使って閉じ込めたっていうことになるってことか?」
「そのとおりだよ、立向居。犯人が使った扉は、恐らくリンたちを隠すのに打ってつけの場所だと思う」
「それじゃあ、まさか-------------------」
「ああ、リンたちがそこにいてもおかしくない状況だ。だったら、この蝶番の謎を解き明かすしかない」
「よしっ、やってやろーじゃんか!」
青峰大輝が笑って、自信満々に腕っ節を見せた。その様子を見ていた黄瀬は呆れながらも、溜息をつく。
「ちょっと、青峰っち・・・・・・この扉の仕掛けを解くの難しいっすよ?」
「うるせぇ、黄瀬! 俺たちで考えるのもありじゃんか!!」
「確かにそうかもしれないけど、何かおかしくないっスか?」
「おかしい?」
黄瀬の言葉を聞いて、ちょっと引っかかることがあった。何らかの理由で犯人がこんなところに隠すって言うのがおかしい。
そこは確かに気になるところでもあるが、何か仕込んだという可能性も否めない。
「この扉、偽者とかっていうのは有り得ないんじゃない?」
「偽者って、どういうことだよ・・・・・・」
「大輝、それも有り得るぜ」
その会話を聞いていた太陽が納得しながら、蝶番に合わせて屈み込む。
少しだけ分かったかもしれないという青峰太陽の様子を見て、その仕掛けのトリックが解けてきそうな感じがした。
「太陽、何が言いたいんだ?」
「バンさん、この床の下に隠し扉があってもおかしくないですよね?」
「そりゃ、確かにそうだけどさぁ・・・・・・・太陽、何か気になることでもあるのか?」
「ええ、ありますよ。隠し扉があって、この床の下に何か仕込んだっていうことも有り得ますよ」
青峰太陽は満足そうに頷きながら、腕を組んだ。数秒間、考え込んだ末に辿り着いた結論。
それは隠し扉に偽のドアが施されているという推理。それを証明するためには、実際にやってみないと分からない。
(もし、俺の推理が間違いじゃなかったとしたら------------------)
ドアの役目をつかさどる蝶番があってもおかしくない。このトリックは間違いなく、犯人が仕組んだものだ。