二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.278 )
- 日時: 2017/02/18 22:56
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: KRYGERxe)
第53章 バンVSカレンの推理対決Ⅰ リンたちが誘拐された事件の謎を解き明かせ!
(ストーリーモード:バン)
地下室に到着した俺たちを待ち受けていたのは、カレン・キャベルンだった。
カレンは冷静に装いながら、余裕たっぷりに自信があるようだった。事件の謎を解き明かさないと気が済まない。
「カレン、おまえが犯人だって言うことは分かってんだよ。いい加減に観念したらどうだ?」
「その前に私が犯人だという証拠を見せ付けてよ。あなたの謎解き、お手並み拝見させてもらうわ」
「良いだろう、受けて立つぜ」
リンたちが誘拐された事件の裏に何があったのかも想像できるはずがない。
そこで、俺はあることを思い出して考え込みながら解き明かしていくつもりでいたのだ。
「まず、リンが誘拐されたあの日の夜に何があったのかについてだ」
まずはリンが誘拐されたあの日の夜に何があったのか。それに気づかせてくれたのは、幼馴染の人見晴香だった。
その日の夜遅く、スポーツバックを届けてくれたことがきっかけで事件の始まりだと気づかせるため。
よく考えてみれば、何もかも辻褄が合う。リンのことだから、何か手掛かりを残していったのかもしれない。
「リンはいつものように、空手部の練習を終えて帰るはずだった。そのつもりでいたリンはそこで、優と一緒に誰かに出くわしたんだ」
その誰かは、青年だという証言から分かったこと。その青年こそが、リンの幼馴染だった早間綺羅。
なぜ、キラがリンの前に姿を現したのか・・・・・・その理由は、あるトリックを施したものによって作られたものだった。
「その誰かは、青年だったということから考えると即答できる人物は1人しかいない」
「1人しかいないって、まさか------------------」
ハルが何かに気づいて、呆然としたまま青年の方を見る。
早間綺羅は虚ろな目つきで俺たちを見つめている。犯人であるカレンのことを快く思っていないように見えたのは気のせいか。
「そう、早間綺羅しかいないんだよ。キラは恐らく、カレンの催眠術によって、リンたちのところに来たんだろう」
カレンが施した催眠術により、操られたままやってきた。よく考えてみれば、キラがスタンガンを持っていた可能性も有り得る。
「カレン、おまえは車の中で操作していたんだ。リンたちが通りかかるかもしれないと思って考えた場所は河川敷。そこで待ち伏せするためだったのは、健太と直太の姉であるリンを誘拐して連れ出すつもりだった」
河川敷で待ち伏せして、そこに現れると思って考えた上でリンを誘拐しようと決めていた。
しかし、リンと一緒に歩いている望月優という少女を見て動揺する。それでも、リンと共にまとめて誘拐することを実行した。
「しかし、リンと一緒にいた優ちゃんを見て動揺したかに見えた。それでも、ターゲットを変えようとしなかった」
「フッ・・・・・・そこまで把握できているとは思わなかったわ。だけど、私が犯人である証拠はない!」
「いや、証拠ならあるさ。だったら、その証拠とやらを見せてやるぜ」
バッグから取り出した証拠品を出す。その証拠品は、スタンガンだった。
河川敷を通りかかった幼馴染のハルが偶然、リンのスポーツバッグを見つけた時に拾ったものだ。
その証拠を見て考えたのは、カレンが犯人であるという推理を崩さなかったから。それを踏んで、事件を解くために得たものを見せ付けるつもりだった。
「そう、スタンガンだよ。ハルがたまたま、河川敷を通りかかった時に見つけたんだ」
そこにスタンガンが落ちていたのはなぜか?
スタンガンが落ちていた理由は、樋田たちが通りかかった駐車場でリンたちを見つけた時に確信した。
「あの日の夜、優雅から連絡が来た。それを受けて確信に至ったのは、リンと優ちゃんが車の中にいたということがきっかけだ」
樋田優雅から連絡が来て、その時にリンと優が1台の車に閉じ込められていることを知った。
やっと、リンが誘拐されたことに気づいた時はもう既に遅かった。そこで電話してきた謎の声に違和感を感じた。
「その時、2人が誘拐されたときに気づいたんだけど・・・・・・俺は危うく騙されかかったよ」
優雅たちが駐車場にいた時、優雅のCCMを拾って電話してきた人物の声を聞いて違和感を感じた。
その人物の声は、まるで偽者のような感じだった。変声機を使って操ることができた人物がいるならば、キラード団に関与している可能性が高い。
「電話で聞いた人の声が違う感じだった。もし、キラが使っていたとしたらどうだ?」
「そりゃ、使われてもおかしくないはず--------------------」
「よく分かったな、ヒロ。そう、そこがポイントさ」
変声機を使ってもおかしくないはずだと思って考えたのは、キラにその道具を持たせて電話させた可能性が高い。
つまり、男の人だと思われても分からなくさせるため。よく考えてみれば、普通に話している人の声とは違った。
相手に聞きなれた声を聞かせるわけにはいかないので、あえて変声機を使用したことになるのだ。
「ちっ・・・・・・」
カレンは舌打ちをして、顔を顰めた。そういうところに目をつけたのは、実に鮮やかなトリックだった。
「あの日の夜、リンが誘拐されたことは何となく察することができたからね」
「確かにリンがいないと思っていてもおかしくない日だったよね」
「ハル、良いところに目をつけたな。スタンガンが落ちていたことから考えると、キラと一緒に誘拐を企てたということになるんだ!」
ハルの観察力は思ったよりもずば抜けていた。リンが誘拐されていても気づかなかった理由。
それは俺たちに多くのヒントを与えて、謎解きを助けてくれたからだ。彼女にはある意味で感謝しきれないくらいだ。
「あらかじめ用意したスタンガンと睡眠薬を使って、リンたちを眠らせたんだろう」
あらかじめ用意しておいたスタンガンと睡眠薬を使用して、2人を眠らせた。
2人を眠らせたのには、何か理由があると見ていいだろう。
つまり、リンたちが誘拐されるまでの間に何を施したか・・・それを目撃した人物がいたから。
「そもそも、事件が起きたのは夜中だったんだよ。スタンガンでリンを気絶させた挙句、優ちゃんには睡眠薬を飲ませて眠らせた」
スタンガンでリンを気絶させた後、優に睡眠薬を飲ませて眠らせた。それを目撃した人物がいる。
夜中に目撃したことのある人は少ないので、俺たちのことを知っている人に聞いたら判明したのだ。
「白井のおばさんが目撃していたんだ。この時点でリンは優ちゃんと一緒に誘拐されていたということになるのさ」
つまり、この時点で2人は誘拐されていたことになる。白井のおばさんが目撃し、そこを掴んだところまでは良かった。
しかし、その直後に樋田優雅たちが攫われてしまったのだ。もう1つの誘拐事件にも手を出そうとした可能性も否めない。
「その時にリンたちが誘拐されたことを知った直後、おまえは優雅たちに手を出して誘拐しようとしたんだ」
もう1つの誘拐事件は優雅たちが駐車場で何者かによって誘拐されたというものだった。
俺は優雅たちが誘拐されたことを把握した上で調査を進めていたが、そこで分かったのはもう1つのスタンガンと優雅のCCMが現場に落ちていたことだった。
「でも、優雅たちを気絶させた時点で証拠を消そうと思って捨てた。警察に知られたら、まずいことになってしまう・・・・・そうなったら、言い訳はできない」
警察に知られたくないためだけに、言い訳することはできない。
なぜなら、優雅たちを誘拐した時点でどうすることもできなかったが・・・・・・そこで変声機を使って、声をバレさせないようにするために考えた。
「警察の現場検証で、それを発見されたら言い訳なんかできるはずがない。おまえはそのことを知られたくなくて、あることを閃いた」
そこで考えた、あることとは何か?
変声機を使って、俺に挑発させることで時間稼ぎするしかなかった。
事件が発覚されるまでにゆっくり時間をかけて、リンたちを誘拐した挙句の果てに監禁させようとした。
「そこで、おまえは考えた!! 優雅のCCMを使って、俺に暗号メッセージを出して挑発させることで時間稼ぎをすれば良い・・・・・それを利用するため、事件が発覚されるまでにはゆっくり時間をかけて監禁させるつもりだったんだってね!!」
誘拐して監禁させた上でリンを殴ったり蹴ったりした。
それを見た優雅たちはどんな思いで彼女を見ていたのか---------------
俺もリンの気持ちが分からなくもなかったし、そこまで謎を解き明かさないといけなかったからだ。