二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.289 )
- 日時: 2013/01/28 00:31
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第54章 バンVSカレンの推理対決Ⅱ 5年前に起きた誘拐事件の謎を解き明かせ!
(ストーリーモード:バン)
カレン・キャベルンと対峙していた俺はキッと睨みつけながら顰める。
5年前に起きた事件に関与していることが判明したのは、志穂に話を聞いたのがきっかけで調査を進めていた。
そしたら、調べているうちに意外なことが判明したからだ。それも含めて解き明かすべく、カレンを追い詰めることが先決。
「5年前に起きた事件って、例の?」
「そう、5年前に起きた事件っていうのは早間綺羅を誘拐したっていうアレだ」
「何で昔の事件を調べてたの?」
「なぜ、俺が5年前の事件を調べていたのか。志穂に聞いたからさ」
「志穂って、バンが通ってたバーで知り合った宇津野志穂ちゃん?」
「ああ、そいつはリンと綺羅のことを知っていたから聞いてきたんだ。そしたら、意外なことが分かった」
ハルたちは、俺が5年前の事件を調べていたことを知らなかった。もちろん、彼女たちに手を出したら困るって言うのもある。
まぁ、その間に事件の調査に乗り出したから良かった。リンと綺羅の関係とかも含めて話さなければならない。
「意外なこと?」
「ああ。このお守りに見覚えはあるか?」
赤い布巾着を手にしたのと同時にハルがようやく思い出して、あの日の夜に見たものだと納得する。
リンのスポーツバックに入っていたものだった。その中にはプリクラのようなものが入っていたから覚えていたのだ。
「これって、あの日の夜に見た--------------」
「そう、リンの大事なお守りさ。その中にプリクラが入っていたんだけど、5年前は当時12歳だったよな」
5年前は、当時12歳だった。2人に何があったのかは分からないが、事件が起きたことは間違いない。
そこに現れた外国人女性は、綺羅たちのところにやってきて呟いたのを見て聞いたというのだ。
「そもそも綺羅を誘拐しようとしたのには、何かの理由があるはず。綺羅に催眠術を施して、連れ去ろうとしたっていうのも有り得るよね」
カレンが誘拐を企てたのには、何か動機があってもおかしくないはず。
綺羅に催眠術を施すことで、敵だと思わせるために誘拐して連れ出すつもりだったのだろう。
催眠術を施した上で、リンたちに憎しみを抱かせるという方法もある。それを利用して誘拐した可能性も高まってきた。
「カレン・・・・・・おまえの動機は25年前に殺害された親父の敵を取るために、ある男を追っていたよな」
「ええ、そうよ。それがどうかした?」
「惚けんな、俺が何も気づいてなかったって言いたいのかぁ?」
「え? あなた、まさか-------------------」
「もう、謎はとっくに解けてるぜ。おまえが綺羅を誘拐したことに気づかせてくれたのも、志穂のおかげだしな」
志穂が俺に5年前の話を聞かせてくれたおかげで、どうにか解けてきたかに見えた。
だが、事件の捜査は思ったよりも難航した。苦労して捜査しつつも、徹底的に調べ上げた証拠を積み上げていった。
「綺羅を誘拐しようとしたのは、催眠術を施して連れ出す作戦を練っていたんだろう」
「作戦って、どういうことなの?」
「彼が誘拐される、だいぶ前から不審な行動をしていたという話も聞いたぜ。つまり、この作戦は綺羅に自分の存在を分からせて、ある場所に誘き寄せて連れ出すという仕組みだ」
綺羅に自分の存在に気づかせて、それを分からせるために誘拐を実行した。
それによって、綺羅は催眠術を施されたことでリンたちを敵だと思わせる格好になってしまった。
「ある場所って、まさか--------------------」
「そう、ある場所はキラード団のアジト。本当の目的は綺羅に催眠術を施して、悪さを企てるためだった」
「酷い・・・・・・こんなの酷すぎる、綺羅にそこまでさせなくても良かったんじゃないの!?」
ハルは怒りを見せながら、カレンを見て顰めた。ギュッと手を握って、震わせながらも怒りが込み上げてくる。
その怒りを感じ取るのにも時間はかからなかった。綺羅にそこまで手を出さなくても良いのにっていう気持ちがあった。
リンも全く、同じ気持ちでいたから複雑なところがあるかもしれない。幼馴染だということで、怒りを震わせてもおかしくないはずだ。
「ああ。でも、催眠術から目覚めさせるのには時間がかかる。綺羅は恐らく、心を閉ざしているんだ」
「心を閉ざしているって、いったい-------------------」
早間綺羅が心を閉ざしているのはなぜなのか?
周りに対する信頼を失っているから、他人を信用できずにいるのだろう。
心を閉ざした人間を元通りに戻すのにも時間がかかってしまう。そのリスクを承知で、綺羅に事件を起こさせるというメリットがあった。
「あいつはリンのことを忘れてしまっている。催眠術を施されたことによって、記憶が混乱してしまう可能性もあるからさ」
リンのことを覚えていない可能性も否めない。ただ、これだけは避けておきたかった。
催眠術から目覚めさせる方法を見出すには、時間がかかるから考えておかなければいけない。