二次創作小説(紙ほか)

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.318 )
日時: 2013/02/02 17:57
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第56章 ついに姿を現した真の黒幕・直野健一、真の目的とは?

(ストーリーモード:バン)

ついに姿を現した、25年前の事件を起こした犯人が俺たちの前に立ち塞がる。
冷静に汲み取りながら、目の前にいる男を見て状況を把握した上でゆっくり話しかけた。

「25年前の惨劇を起こした犯人である・・・・・・直野健一さん?」

直野健一(なおの けんいち)と呼ばれた男は25年前に起きた事件の犯人だった。
なぜ、直野が犯人だったのかということも含めて、真の目的を明かさなければならない。

「流石だな、山野バン。いつ俺だと分かった?」
「パソコンで調べた時に気づいたのさ。おまえがカレンの父親を殺した犯人であることが判明するまでに時間かけて調べまくったんだよ」

パソコンを使って、ゆっくり時間をかけて調査していた時に直野健一という男性の名前が浮かび上がった。
直野健一とカレンの父親が25年前の事件に関わっていた可能性があると見て考えながら推理していたのだ。

「でも、25年前って・・・昔のことじゃない?」
「そうだけど、これには理由があるんだよ」
「ええっ、何の理由があって追い詰めたわけ?」
「その理由は、これを見れば分かるさ・・・・・・・」

25年前に関する資料を持ってきたので、ハルたちに渡して見せる。
その資料を漁りながら、慎重に目を通すハルたちはやっと気づいて驚く。

「ちょ、これ・・・・・・」
「そうさ、25年前の事件を企てたのは直野本人だったということになるんだ。真の黒幕だと言える理由はキラード団のボスだったからだ」

25年前に起きた惨劇を通じて関わった少女はカレン・キャベルンであることが分かっている。
その一方で、直野は25年前の惨劇に深く関わっていることから連続爆弾事件を起こすようになっていた。
彼は父親との繋がりを断ち切るためだけに爆弾を仕組んだということを明かしているからだ。

「キラード団のボスって、まさか----------------------」
「その・・・・・・まさかだ。直野は前から連続爆弾事件を起こしているんだけど、厄介なことに指名手配されていたヤツだったんだ」

ハルたちは直野を見て、呆然としている。指名手配されていたのならば、逃亡してもおかしくない状況だ。
なぜ、彼が目の前にいるのか。連続爆弾事件の犯人として深く関わっているということも考えられる。

「指名手配されていてもおかしくないはずなのに、なぜ逃亡を続けていたのか?」
「僕がヤツに手を出してしまったから、殺しても良かったということさ」
「なるほどね、そういうことか。そもそも、おまえが仕組んだのは父親に余計なことをさせたくなかったからだろう?」

余計なことっていうのはいったい?
直野が余計なことに邪魔させてほしくないという気持ちに駆られていたからっていうのもある。
だが、本当の動機はカレンの父親を殺すためだけではない。その動機が何なのかも明らかにさせないといけない。

「25年前に仕掛けた爆弾は、あらかじめ用意しておいてあった懐中電灯に仕掛けておいたものだったんだよ」
「懐中電灯に爆弾を入れたってことは------------------------」
「そう、懐中電灯に爆弾を入れたのは起動させるスイッチを押してもおかしくない状態になっていたから」
「でも、その爆弾を押したら・・・・・・」
「ああ、カレンの父親はその事に気づいていなかった可能性もある。それも踏まえて、犯人が仕組んだものだったということが伺えた」

カレンの父親は恐らく、懐中電灯に仕組んだスイッチの起動に気づいていなかった。
そのことから考えれば、懐中電灯のスイッチを押した上で大きな爆発音がすると思ったのだろう。

「25年前の事件は、マフィアの組織によるものだった。おまえはカレンの父親との繋がりがあったんだ」
「父親との繋がりがあるって、どういうことよ!?」
「あれだけ爆弾事件を起こしておいて、カレンの父親との繋がりを忘れるはずがない。レベルの高い爆弾を仕組むまでに掴んだ、高度な技術と頭脳を併せ持つ人物は1人しかいないということになる」

爆弾事件を施して、カレンの父親を死に至らしめたのは復讐するため。
今回の誘拐事件も、直野が全て仕組んだものである。早間綺羅に目をつけたというのも、彼であることが分かっているからだ。

「本当の目的は、25年前の惨劇を実現させるため。その娘であるカレン・キャベルンを組織に入れたのは確かだ」
「流石だね、そこまで解けるとは大したもんだ。そう、僕がカレンの父親を殺した」
「だったら、なぜ綺羅やカレンたちを巻き込ませて・・・・・・おまえは何がしたいんだ?」

早間綺羅・カレンたちを巻き込ませておいて、いったい何をしたいのか。
その答えはもうすぐ見えてくるはずだと思って信じるしかない。

「早間綺羅というガキは、前から目に付けていた。そこにいるリンとかいう子との繋がりがあるって聞いてね、ククク・・・・・・」
「リンに手を出したら、ただじゃおかないぞ。リンは、俺の大切な家族だ!」

リンは親戚の下で育ったが、愛情に飢えていて孤独に苛まれてしまうことがあった。
俺のところにやってきてから、少しずつ心を開いていった。辛くても、俺たちがいるということを忘れないで欲しかった。

「バン兄さん・・・・・・」

その様子を見ていた健太と直太は少しずつ記憶が戻ることを確信していた。

「「---------------っ!」」

頭を抱えながら蹲ったのと同時に、リンと一緒にいた頃の記憶が鮮明によみがえってくる。
実の両親の元で育った時、健太は物心がついた頃からリンのことを慕うようになり、懐いていった。
だが、リンも健太や直太のことを可愛がっていた。それでも、実の両親は穏やかで優しくて、頼りになる人だった。
しかし、あの交通事故が起きるまでは想像もしていなかった。健太と直太はその日を境に心を閉ざしてしまう・・・・・・その記憶はずっと封印されていたもので、本当の記憶が戻ったのだと言える。

「健太、直太・・・・・・大丈夫?」
「っ、はい・・・・・・大丈夫です。それより記憶が戻りました」

健太と直太は俺を見て確信しながら、ゆっくり歩み寄る。直野の前までやってきたかと思えば、健太が意外なことを言い放つ。

「やっぱり、実の両親と繋がっていたんでしょ?」
「何で、そのことを-------------------------」
「やっと思い出したんだよ、あの日のことは忘れやしねぇ。あんたが親父に何を吹き込んだのかって言うこともな!」

健太は力強く言い放ちながら、直野を睨みつける。その様子を見ていた直太もコクリと強く頷いた。
2人を見て、何も言えない俺たちは素直に見守りながら気遣うしかなかった。

「俺たちの本当の過去、それについて話してやろうか?」

ついに健太と直太の記憶が戻った。そこで語られる、本当の過去とは?