二次創作小説(紙ほか)

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.335 )
日時: 2013/02/04 00:02
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第57章 ついに記憶が戻った健太たち、その真実とは?

(ストーリーモード:バン)

健太たちの様子を見て驚きを隠せなかった。健太と直太の記憶が戻ったということは、もしかして本当のことを思い出したのか。

「健太、どういうことなんだ?」
「この人、どっかで見たことのある人だと思ってたんだよ」
「おい、まさか・・・・・・おまえ、直野のこと知ってたのか?」
「知ってるも何も、親父の同級生だったんだよ。あいつが親父を唆した!」
「唆した?」

唆したって、いったいどういうことだ?
健太が言うには、幼い頃の記憶に理由があるという。直野と父親の関係について知っていた可能性が高い。

「ああ。幼い頃、俺たちは実の両親のところで育った。当時はリン姉さんもいたし、俺は覚えてたんだ」
「お父さんは結構優しい人だったし、あまり怒る人じゃなかったから----------」

健太が言ったのを見かねて、直太も続いて話し始めた。
過去の記憶に何か関係があることは間違いなく読み取れる。健太の記憶が確かならば、実の父親と直野の関係も分かるはずだ。

「じゃあ、健太・・・・・・なんで唆したって言えるんだよ?」
「兄貴は知らないと思うけど、直野は親父の幼馴染だったんだ」
「幼馴染ってことは、ずっと仲が良かったのか?」
「仲がいい感じだったけど、たまにケンカしてしまうことなんかもあったりで大変だったみたいだぜ」
「それじゃあ、直野は父親の同級生だったってことか。なら、何で昔のこと思い出せなかったんだ?」

どうして、昔の記憶を思い出さなかったのか。記憶がなくてもいいってわけじゃない。
俺は2人の記憶が戻っても構わなかったけど、本当の記憶が戻ったとは言い難い。
健太と直太は俺に対して、信頼してくれるようになったからだ。心を開くのに時間がかかったのを覚えている。

「兄貴に本当のことを言う自信がなかった。直太もきっと、俺と同じ思いを抱いていたんだ」
「うん、兄さんの言うとおりだと思う。僕もバン兄ちゃんに言える勇気を持つことができなかったっていうのもあるし」

2人の言葉を聞き入れながら、前向きに受け入れるしかない。
直野はうなだれたまま、無言で健太たちを見つめていた。その様子を見る限り、幼い頃の2人を知っていることも考えられる。

「健太たちのこと覚えてるか?」
「ああ。覚えてるさ、小海の子供だったな。あれから逞しくなったんだな」

直野は健太と直太を見て、ようやく納得する。しかし、これだけで納得するはずがない。
健太たちが直野のことをどのようにして捉えたのかも知りたい。実の父親と直野の関係が気になっていたのだ。

「健太、親父さんはおまえのこと気遣ってたことあった?」
「うん、結構優しくしてもらってたから気遣ってくれたよ」
「そうか・・・・・・」

俺と健太の会話を聞いていた直野は顔を顰めて、ガクッとうなだれる。

「ちくしょう、健太たちのこと忘れるはずがないのに・・・・・・どうしてだ!」
「過去に囚われているって言うことも有り得るんじゃないか。そうだろ?」
「ちっ、そこまでバレていたなら------------------------------」

直野はズボンのポケットから取り出して、右手にある道具を持った。
その道具はナイフだった。これで、俺たちを殺すつもりでいたのか!

「ちょ、ヤバいよ!」
「ハル、黙ってな。厄介なことになっちまったぜ」
「でも・・・・・・っ、どうすんの?」
「どうするって言われてもよォ------------------------」

そう言いかけたその時、背後から聞き慣れない声が飛んできた。

「みんな、伏せろ---------------!」

その同時に皆で頭を抱えて伏せた瞬間、何かが飛び出してきた。
その何かは直野の右手にあったナイフを弾き飛ばした。そして、もう1つ聞き慣れない声が出た。

「いっけ-----------------------!」

衝撃波を繰り出してきたかと思えば、直野に命中してダメージを与えた。
そのダメージは思ったよりも高く、気にしてしまうほどの重傷を負うほどではないか。

「誰だ?」

頭を抱えて伏せていた俺たちはパッと顔を上げる。その少女の1人に見覚えがあったのか、黄瀬は顔を引き攣る。

「す、水連------------------------!?」

コロコロと転がってきたボールはバスケットボールだった。
水連と呼ばれた少女は黄瀬を見るなり、半ば呆れていた。

「やっと見つけたよ、お兄ちゃん。探し回ったのに、心配したんだから!」
「まぁまぁ、水連。落ち着いてよ」

水連の隣にいた少女は人懐っこく笑いながら、ゆっくり話しかけた。
2人の少女を見て呆然とする俺たち。黄瀬の妹らしき少女ともう1人の少女は何者なのか。