二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.452 )
- 日時: 2013/04/06 14:43
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第60章の続き
(ストーリーモード:バン)
テツヤの類まれなる才能があってこそ、最大限の力を発揮できる。だからこそ、全力で戦うつもりでいた。
キョウヘイとヒュウは顔を見合わせながら、シントたちを見て顰めた。小学生相手に油断できないこともあり、キッと本気モードに切り替える。
「俺たちの力を見せ付けてやるよ、メイの仇を取ってやるぜ!」
「…言っておく。俺は今から怒るぜッ!!」
キョウヘイとヒュウがようやく、本気モードを出したことで小学生相手に戦いを挑むことを決意。
その決意は思ったよりも漲っていて、やる気が満ち溢れている。その2人で戦うリスクは重い。
例え、戦うリスクが重くても自分なりに戦えることができるからだ。楽しませてくれる戦いを見せつけようと目を見張る。
「…っ、どうやら本気を出してきたようだな…」
「まぁ、僕は戦わないつもりだし…シントとフジに任せるよ」
テツヤの台詞を聞いたシントとフジは顔を見合わせた後、静かにアイコンタクトを取って頷く。
LBXバトルで本気の戦いを見せ付けることで、すぐに決着が着くとは限らない。
「…こいつは面白いことになりそうだ、シント」
「そうだな、キョウヘイ君たちに俺たちの力を思い知らせてやるぜ!」
シント&フジ、キョウヘイ&ヒュウはお互いにCCMを握りながら、すぐに睨み合った。
【バトルスタート!】
キョウヘイはブライトを操りながら、シントのプロキオンに突っかかって襲い掛かる。
その瞬間、冷静に状況を見切ったシントは素早く、左手でカカカッとCCMを打ち込んだ。
「そうは行くか!」
「…フッ、それはどうかな?」
キョウヘイの目がやる気に漲っていることは確かだ。得意のLBXバトルを生かした発想力を武器に決め付ける。
「そのおかげで時間が稼げたぜ!」
上空にブライトがいることに気付いたシントは隙を突かれたと思って気付く。
しかし、その時はもう既に遅かった。キョウヘイがシントを睨みつけながら、ようやく必殺ファンクションを発動した。
「行くぜ、必殺ファンクション!」
キョウヘイがやる気に漲ったのを見て驚きを隠せない。ヒュウも頷き、フジを睨みつけた。
その瞬間、ブライトの必殺ファンクションが発動された。
【グロリアスレイ】
この必殺ファンクションは空に舞い上がり、エネルギーの固まりを放つ。
その技が発動されたことにより、プロキオンは大きいダメージを受けて倒れた。
「なっ…俺のプロキオンがブライトにやられたァ-----------------!」
「この俺のブライトを甘く見るなよ?」
キョウヘイはチッチッと右手で人差し指を使って振りながら笑った。
ようやく、ヒュウとフジのLBXバトルが今、まさに決着をつけようとしていた。
「これで決着が着いたな…」
ヒュウはニヤリと笑いながら、暗黒騎士アキレスを操る。フジはボルケイアを使って操作しながら、アキレスの猛攻に耐え続けていた。
「何でこんな展開に…」
フジは焦りながら、ヒュウを見る。年上だからと言って、侮ってはいけない。
LBXバトルをしている時は年なんて関係ない。だからこそ、思ったより熱い戦いを展開することができるのだ。
「俺たちをなめて見てるとやられるぜ?」
フジがヒュウの様子を見て気付いた時は既に遅し。アキレスがジャンプして時間を稼いだのだということを…。
暗黒騎士アキレスが右手にアキレスランスという黒い槍、左手にアキレスシールドという黒い盾を持っていた。
きっと、必殺ファンクションを決めるつもりだ。その時、ヒュウは勢いよく元気そうにフジを見て言い放つ。
「行くぜっ、必殺ファンクション!」
暗黒騎士アキレスの必殺ファンクションが発動された。
【超ブラズマバースト】
全身に纏ったプラズマを槍先に集めた後、相手に向かって放つ。その瞬間、大きい雷のようなものがボルケイア・プロキオン・レヴィアタンに炸裂する!
「なっ……」
「ば、バカな…」
「嘘…だろー!?」
シント・テツヤ・フジは呆然と見つめていた。ボルケイア・プロキオン。レヴィアタンはブレイクオーバー。
「よっしゃあ!」
「勝ったぜ、メイの仇を取ったぞ!!」
キョウヘイとヒュウがガッツポーズしながら、両手を突き上げた。メイが歩み寄り、キョウヘイとヒュウに向かって笑顔を見せる。
「よく頑張ったね、キョウヘイ君! それにヒュウも凄いね!!」
「へへっ、俺らの力を合わせれば、勝てるからな!!」
ヒュウはキョウヘイとメイを見て頷く。LBXバトルが終了した時点で、ヒロが勝者に向かって言う。
「勝者、キョウヘイチーム!」
まぁ、キョウヘイたちのことだから土壇場で見せてくれるはずだ。そう思ったとおり、よく頑張ったと言える。
でも、キョウヘイたちがなぜケンカしたのか知りたいというのもあった。下に下りていこうとした時に欠伸が出た。
「ふわぁー…眠いな」
「バン、またそんなこと言って…」
「ヒロたちと顔を合わせるのが辛いんだよ」
ヒロは俺の大切な後輩だし、悩みを聞いてあげたいというのもあったからだ。
実はヒロに呼ばれて、ここに来ていたからだ…LBXバトルが終わったのを見計らって、下に向かって階段を降りた。
「ヒロ、ちょっと良いか?」
「あっ、バンさん! それに健太君たちもいらっしゃい。リンちゃん、久しぶりだね」
ヒロは人懐っこい笑顔を見せながら、健太・直太・リンを見回して頷く。
リンはヒロのことも知っていたので、少なからずとも面識がある。ヒロはリンの過去についてもハルから聞いていたようだ。
「こ、こんにちは…久しぶりです、ヒロさん」
「まぁ、そう固くならないで。退院したんだってね、バンさんから聞いたよ」
「は、はぁ…」
「挨拶が遅くなってごめんね、退院おめでとう!」
「ありがとうございます」
リンはヒロに向かって、明るい笑顔を見せた。キョウヘイたちの方を見て思い出した。
そういえば、中学の時はそうでもないくせにLBXバトルばっかりしていたことがあった。
なぜ、キョウヘイたちがシントたちとケンカしたのか知りたい。ヒロに優しく話しかける。
「ヒロ、あいつらのことだけど…何でケンカしたの?」
「それが……」
ヒロはキョウヘイたちを見やった後、顔を顰めながら溜息をついた。
俺たちが来る1時間前、キョウヘイたちは楽しそうに話しこんでいた。その時にシントがLBXを操作して、キョウヘイの頭を殴ったことがきっかけだったらしい。
「悪戯したシントに向かって、キョウヘイがケンカ腰になって吹っかけそうになりかけた…ということか?」
「まぁ、そうなりますね…。僕たちもそれ見たときは驚きましたよ。それで、ケンカが原因になってLBXバトルをして決着をつけようってことになったんです」
ヒロは勝利に浸りながら喜んでいるキョウヘイたちを見やりながら、腕を組んだ。
どうりで、LBXバトルをやるって言い出したのか…。まぁ、ケンカはよくあることだ。
ふと、後ろから肩を叩かれた。振り返ると、レオンがいた。ニッと笑いながら、俺に突っかかってきた。
「よう、遅かったな!」
「いや…最初から来てたけどさ。久しぶりだな、レオン」
「おうよ、バン! あのさ、久しぶりにLBXバトルしねぇか?」
レオンの唐突な発言を聞いた瞬間、目を丸くする。LBXバトルって…ただ、俺は健太たちと一緒に見に来ていただけだ。
そういうことは考えてなかったから、興味がなくて気持ちを持たないで居るのが分かってしまうわけで…。
レオンに突っ込まれそうになりかけたけど、断ろうかと思ったその時。ヒロがレオンに向かって聞き出す。
「LBXバトルって言っても、誰がやるの?」
「4人で対戦するんだよ。2対2のストリートレギュレーションでやろうぜ!」
「でも、誰が出るかは決まってないよ?」
「いや、決めてある。ヒロ、お前はバンと一緒に組んで戦うって言うのでどうだ?」
レオンの言葉を聞いた瞬間、ヒロと顔を見合わせて首を傾げる。ヒロと一緒に組んで、LBXバトル?
「ちょっと待て、レオン…いきなり、それ言うか?」
レオンに向かって躊躇いながら、顔を顰めた。ニヤリと笑ったレオンは人差し指で一緒に組む相手を指差した。
「決まってんだろ、俺はハルと一緒に組むぜ!」
「えっ…ちょっ、何で私?」
「バンとLBXバトルしてみたらどうだい、ハルさんよ?」
その瞬間、ハルの心に蟠りができてしまう。俺とLBXバトルするのが嫌と言うわけではない。
彼女の気持ちを察していた俺はハルの肩を優しく叩きながら、コクリと頷いて励ました。