二次創作小説(紙ほか)

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.8 )
日時: 2012/12/15 20:38
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第3章 LBXバトル大会Ⅰ ついに開幕!!

(ストーリーモード:バン)

居酒屋にやってきた俺たちは出場登録を済ませ、店員により案内された席に座っていた。

「バン、そろそろ始まるんじゃないの?」
「ああ、確かに始まるな」

時間はオールで夜8時から深夜3時までだと言っていた。
参加者は多いとのことで、AブロックからDブロックに分かれて戦うそうだ。

「店員さんが言ってたから、どのブロックになるか分かんないな」
「そうだね・・・・・・あっ!」

ハルが言ったのと同時に電気がフッと消えた。
スポットライトが当てられ、店長らしき人物がマイクを持って現れる。

「えーお待たせしました。ここで初のLBXバトル大会を行うことになり、果たして優勝は誰の手に渡るのか!」

ワァァァ--------------------------と観客の歓声が上がった。
何か盛り上がってきているな、これから始まるんだと思うと気を引き締める。
店長はテレビのモニター画面に向けてリモコンを押した。

「この大会のルールを説明します。レギュレーションはゼネラルレギュレーションになりますが、2人組によるLBXバトルが展開されます。続いて、出場者の中に注目するチームを紹介しましょう」

画面に全65チームが現れ、1回戦から決勝戦まで載っている。
しかも、Aブロック〜Dブロックの4つに分かれて戦う仕組みになっている。

「Aブロックは猛者揃いで、激しいバトルが展開されます。注目すべきチームは内藤豪太チームと金居修哉チーム!!」

2つのチームが紹介され、実力は確かなようで手強いかもしれない。
続いて、Bブロックは例の不良グループによるチームが現れた。

「こいつらが例の不良グループ?」

しかも体格が良くて、ガッチリしている男がリーダー格のようだ。
隣に居るのは、小柄な男で冷酷な性格を持っていそうな感じだ。

「そうです。1週間前に会ったヤツらだけど、何か微妙だな・・・・・・」

ヒロが首を傾げながら呟いたのを見て納得する。
そういうことなら、ヒロが怒るのも頷けるわけだ。

「そいつらが決勝に出てこない限り、勝たないといけない」
「そうですね! 僕らのチームはCかDみたいですね」

Cブロックは山野バンチームが注目される。
第三回アルテミスチャンピオン・山野バンと第4回アルテミスのファイナリスト・大空ヒロが出場することを伝えた。

「Cブロックは山野バンチームです! 何とアルテミスに出場経験がある2人が参戦することになりました!!」

ワァァァァ--------------------------と歓声がどよめき、人気があることを伺わせる。
俺たち、今も何か人気がありそうだからなぁ・・・・・・大学生になった今でも人気者になっている。
Dブロックの出場者も現れたが、そういう者はいなかったらしい。

「まずは予選を勝ち抜いてもらい、各ブロックを突破したチームは決勝に進むことができます。決勝は代表者によるバトルロワイヤルを行います」

各ブロックを勝ち抜いた猛者が出られるのは決勝、つまりファイナルステージ。
そこまで行かなきゃいけないので、ヒロとのコンビネーションを上手く合わせておけば良いだけの話だ。

「ヒロ、絶対に決勝まで行こうな」
「はいっ!!」

健闘を誓いながら、酒を酌み交わす。
やるしかないので、ここまで来たら勝負するつもりでいる。

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.9 )
日時: 2012/12/15 20:42
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

ついに予選がスタートした。
Aブロックは猛者が揃いながら、激しいバトルが展開されている。
その様子を見る限り、どれも手強いくらい出揃っているのだ。

「でも、何か凄いな」
「そうだね・・・・・・バンは勝てると思う?」
「平気だよ、ヒロと一緒に居れば何とかなるさ!!」

酒を煽りながら飲みつつ、夕飯を食べている。
それでも、こういった場所でのLBXバトルは初めてだ。

「何とかなるって・・・・・・・」
「ヒロがいるんだから、大丈夫じゃないかぁ?」

酒をお猪口に入れながら答える俺は苦笑しつつも、溜息をつく。
一方、テレビ観戦しているヒロたちは夕飯を食べながら、ゆっくり飲んでいた。

「でも、Aブロックが終わるまでは良いんじゃねーの?」
「えー何でよ、バン・・・・・・」

ブーッと言いながらふてくされたハル。
幼馴染だからというのもあるだろうが、心配性なところは相変わらずだ。
自分を支えてくれるという大切な存在がいなければ、ここまで生きてこれなかったかもしれない。

「ま、俺たちはCブロックだからさぁ・・・・・・そこまで飲んだら寝ちまうしな」
「あまり飲み過ぎない程度にしてやりなさいよ」

ポンポンと背中を叩きながら励ます彼女を見て頷いた。
あれだけ飲んだら寝てしまいそうになるので、飲み過ぎない程度にしようと思っていたのだ。




2時間後、Cブロックの予選が近づいていた。
少し飲み過ぎたのか、肘をつきながらウトウトしていた俺の肩を揺らす。

「バンさん、起きてください!」
「んあ?」

転寝しながら寝てしまっていたことに気付き、眠そうに目を開ける。
ヒロが心配そうに顔を覗き込んでいて、ハルも半ば呆れていた。
どうやら、Cブロックの予選が始まるようだ。

「そろそろ始まるのか?」
「はい。次はCブロックですよ・・・・・・そろそろ行きましょう」
「おお、そうだったな。じゃあ、みんな行ってくる」

そう言って立ち上がった瞬間、フラッとしてバランスを崩しそうになりかけた。
何とか維持しながら、ゆっくり歩いていく。

「バンさん、大丈夫ですか?」
「少し飲み過ぎただけだから、心配すんなよ」
「そうだと良いけど、あまり無理しない程度にしてください」

ヒロに突っ込まれながら、LBXバトルスペースに向かう。
そろそろ始まるのは何となく気付いていたけれど、いつの間にか知らない間に寝てしまったみたいだ。

「ごめん、これからは気をつけるよ」

ヒロに言って謝ると、すぐに許してくれた。
飲み過ぎない程度にして、様子を見ていたヒロが起こしてくれたことは幸いだった。



一番奥にあるLBXバトルスペースに入った。
いくつかのDキューブが置かれていたので、その指定された場所で戦うらしい。

「僕たちが戦う場所はあそこみたいですね」

少し離れたところに置かれているDキューブの前には、1回戦の相手が立っていた。

「山野バンと大空ヒロか・・・・・・俺たちに勝てるなら、やってみろよ!!」

1回戦の相手は守岡雄図チーム。
噂では、アングラビジタスで勝ったという実力派。
そこで戦うことになろうとは思わなかったが、ここからが本番だ!

「いや、こっちの台詞だ。俺たちに勝てるかな?」

冷静に言い放つと、そいつらはカッとなりながらキレた。
そこまで挑発されたら、ついLBXバトルしたくなるくらい熱くなる。

「行くぞ、イカロス・ゼロ!」
「行ってこい、イカロス・フォース!!」

俺はイカロス・ゼロ、ヒロはイカロス・フォースを繰り出した。

「行け、デクー!」
「行ってこい、カブト!!」

守岡チームはそれぞれ違うLBXを繰り出す。
今回のDキューブは地中海遺跡。そこに立った両者のLBXはそれそれ佇みながら見つめ合っている。

「行くぞ、ヒロ!」
「はいっ!!」

合図と同時に1回戦がスタートした!!


【バトルスタート!】

イカロス・フォースは槍と盾を持ちながら、デクーに向かって襲い掛かる。

「そうはいかねえ!!」

デクーはすぐに攻撃をかわしたが、その隙を突いて背後に回る。
イカロス・ゼロは槍でデクーの胸に向かって突き刺そうとした。

「甘く見てんじゃないぜ、勝つのは俺たちだ!」

そう言い放った瞬間、イカロス・ゼロは槍でデクーの胸を突き刺した。
同時にダメージを受けたデクーはあっさり倒れ込んでしまい、ブレイクオーバーした。

「一瞬、隙を突かれた!!」

大慌てしながら、1人の青年はあんぐりと口を開いた。
まぁ、後はカブトを倒すだけだからな。

「ヒロ、一気に挟み撃ちで倒すぞ!」
「はいっ!!」

2つのイカロスによるコンビネーションで空を飛びながら、カブトを追い詰める。
次第にバトルは加熱していき、カブトを追い詰めた上での作戦を実行する。

「行くぞ!」

合図と同時にCCMを操作しながら、イカロス・ゼロを操る。
イカロス・ゼロは槍を持ちながら、カブトの背後に回った。
その隙を突き、槍を振り回して倒そうとする。

「そうは行くか!」

相手側の小柄な青年はCCMを操作して、カカカッと素早く打ち込む。
カブトがジャンプしたのと同時にイカロス・フォースが待ち受けていた。

「待ってたんだよ、これで止めだ!!」

ヒロが叫んだのと同時にイカロス・フォースが2つの剣を構える。
それを見た瞬間、隙を突かれたと思ったのだろう。それはもう既に遅し。

「なっ・・・・・・!?」
「いっけぇぇぇ---------------------!!」

イカロス・フォースの二刀流による剣の見事な捌きにより、カブトを倒した。
ダメージを受けたカブトはブレイクオーバーした。

「山野バンチーム、2回戦進出!!」

ヒロとハイタッチしながら、笑顔を見せた。
2回戦進出を果たした山野バンチーム、余裕たっぷりの表情を見せつけながらも手を振っている。

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去(改) ( No.10 )
日時: 2012/12/15 20:43
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

2時間後、Cブロックの予選が終わった。
時間は夜11時になっていたので、決勝が行われるのは深夜2時からの予定だ。

「Cブロック予選決勝を勝ち抜いたのは、山野バンチーム!!」

ワァァァァ--------------------と歓声がどよめく。
流石はアルテミスに出場しているだけあって、豊富な経験を持つ実力派。

「予選突破しましたね!」
「ああ、そうだな」

Cブロックを制したのは、山野バンチーム。
その激闘を終えて、LBXバトルスペースから戻ってきた。

「お待たせー」

激闘を終えたかと思えば、椅子に座りながらも酒を飲む。
それでも、LBXバトルを楽しむことには変わらない。

「バン、酒を飲み過ぎないようにね」
「分かってるって! 決勝が深夜2時からだろ?」

酒を煽りながら、ゆっくり飲んでいる俺はテレビモニターを見つめる。
Dブロックの予選が始まり、1時半頃には終わるとのこと。

(うわぁ・・・・・・・流石に飲み過ぎたらヤバいかもな)

ヒロは楽しそうに酒を飲みまくりながら、陽気になって喋り捲っている。
代表として出るのは、俺になりそうだと思いながら考えた。

「ヒロのヤツ、あんなに飲んで大丈夫かしら?」
「さあな、酔い潰れたらおかしくないしな」

ハルがヒロの様子を見かねて言い出したことにも変わらないのに、飲み過ぎは良くない。
それでも、思いっきり楽しもうという気持ちを忘れたくなかったのだろう。

「でも、バンだって・・・・・・去年は飲みまくってたじゃない」
「うっ・・・・・・」

彼女に突っ込まれ、顔をしかめる。
確かに去年は酒を飲みまくって、たまには酔っ払って帰ることもあった。
俺が酔っ払って帰るときに、ハルと出くわしたこともあったから遊びに行っては寝てしまったことも何度かあったなーと思い出して苦笑するしかない。

「そりゃあ、飲み会に誘われることが何度かあったからな」
「でも、今日はそんな気分になれないの?」

ハルは苦笑しつつも、俺のお猪口に酒を注いでくれた。
彼女を見て、礼を言った後にゆっくり飲んだ。

「バン、飲み過ぎたら寝ちゃうでしょ?」
「まあな・・・・・・」

居酒屋の雰囲気は個人的に好きなので、そんなに嫌いなわけじゃない。
それなりに飲みまくったらいけないということで、自重するしかないのである。

「ヒロ、飲みまくると寝ちまうぞ?」
「大丈夫ですよ、バンさん! 僕は酔わない性質ですから!!」

酔わないねぇ・・・・・・そんなタイプに見えないと思うが。
それなりに飲みまくるって言うことは酒豪としか言いようがない。
流石にヒロを見たら、あれだけ飲みまくるって言うのはどうなのか。

「その証拠に頬が赤くなってるよ」
「平気ですよー僕だって、飲むこと自体は好きです!!」
「あ、そうなんだ・・・・・・」

ヒロのヤツ、あんなに飲んで大丈夫なのかと思いながら見守る。
ハルも同感していたらしく、ナオは慣れているから大丈夫だといって聞かない。

「ヒロは自力で帰れるみたいだから平気ですよ」
「だからって、飲み過ぎないようにして注意させるのが幼馴染の役目だろ?」
「そうなんですよね。あいつに言っても、『大丈夫だ』の一点張りですからね」

そうやって強がりながら、孤独との戦いを演じてきたヒロの様子が分かった。
その寂しさを紛らわそうと思ったのか、酒を飲んで帰ることだけ覚えたのだろう。
ヒロなりに考えて、酒を飲みながら生きることを実感するしかなかったかもしれない。
それは俺も同じだった・・・ハルが心配して迎えに来てくれたこともあったし、時には飲みに付き合ってくれたりして悩みを聞いてもらった。

(ハルがいたから、今の俺がいるんだ)

酒を飲まなければ良い人だということを認識させるためには、幼馴染として接する機会を設けるしかない。
彼女は暇な時があれば、飲みに付き合うことで俺の話を聞いてくれた。

「バン、どうしたの?」

俺の様子に気付いて見かねたのか、ハルに話しかけられた。
俺は別に何でもないと言って、物思いに耽った。

(毎晩、酒に溺れて寝ていた日々を思い出すなぁ)

去年はそんなに飲みまくっていたかと思うと、ハルに何度も心配かけられたことか。
そんなことを気にすることもなく、友達に誘われて飲みに行っては夜遅くまで遊びまくる毎日を送っていた。

(時には、ハルの家に行って寝泊りしたりして遊んだこともあったな)

酔っ払って帰る時、ハルの家に何度か遊びに行ったことがあった。
彼女の部屋のベッドに横たわって、すぐに寝てしまうこともあったけど・・・・・・ハルは溜息をついて、何度も俺を起こしてはソファベットに連れて寝かせてくれる。

(ハルのベッドにダイブしたとき、何度か咎められたことがあったな)

おまけにそのまま寝てしまい、なかなか起きない俺を気遣って毛布をかけてくれた。
そのおかげで風邪を引かなかったが、たまに2日酔いになることもあった。

(まあ、どうにかなる問題じゃないな)

ヒロのことは気にかけていたが、たまに調子に乗ってしまうことがあったから心配している。
後輩なので、飲むことを強制しないつもりでいるが・・・・・・何かあったら困ると思うので、少しずつゆっくり飲むことにした。


やがて、時間が経ち--------------------------
深夜1時になった頃には、既に酔い潰れて寝てしまった。
その時、テレビモニターのアナウンスが聞こえてきた。

「Dブロックを制したのは、奈良雄図チーム!」

眠そうに目を開け、顔を上げた俺はテレビを見た。
奈良雄図って・・・・・・あれ、警視庁の捜査一課で働いている警部だ。

「奈良ァ・・・・・・?」

舟を漕ぎながら、ウトウトする俺の様子を見ていたハルは心配そうに顔を覗き込んでいた。

「バン、飲み過ぎたね」
「ああ、ちょっとな・・・・・・・」

眠そうに目を擦りながら、上半身を起こす。
隣に座っていたヒロは既に爆睡中。しかも突っ伏して寝ている。

「あれ、ヒロもいつの間にか寝てたのか」
「そうみたいです。あれほど飲み過ぎるなって言ったのに・・・まったく、もう!!」

プーッと頬を膨らませながら怒るナオを見て、苦笑するしかなかった。
立向居・ハヅキ・直紀は酒に強い方なので、少しくらいなら酔わないタイプだ。

「バンとヒロが寝てるから、起こすのどうかなーって」
「なんだ、そりゃ」

直紀の言葉を聞いて、思わず苦笑する。
そういえば、この後に決勝戦が始まることを思い出す。

「そろそろ決めないといけないか」
「そうだね、ヒロを起こしちゃおうか」

爆睡しているヒロの肩を揺らして起こす。

「おい、ヒロ・・・・・・起きろ、代表を決めるぞ」
「・・・んー・・・・・・・」

ヒロは目を閉じたまま、眠そうに身じろいだ後に目を覚ます。
寝惚けているのか、俺を見る目はまるで虚ろな感じになっていた。

「ヒロ、目を覚ませ」
「・・・んぅ・・・・・・バンさぁん・・・・・・」

突っ伏したまま、眠そうに見つめる眼差しが俺を捉える。
捉えたかと思いきや、ヒロは目を閉じてしまった。

「おい、ヒロ!?」
「す---------------すか-----------------」

寝息が聞こえてきたので、そのまま寝かすしかない。
その時、ヒロの寝言が聞こえてきた。

「ムニャ、決勝・・・・・・任せておきますぅ・・・・・・・」

意外な言葉を聞いて驚く俺たち。ナオも呆気にとられて見つめてしまうほどになっている。
代表者は俺で良いのかと思いながら、気持ち良さそうに寝ているヒロを見つめた。

「うーん、俺が出るしかなさそうだな」
「そうみたいね、ヒロのことは私たちに任せて行ってきな!!」

ドンッと胸を押して言うハルを見て、コクリと頷く。
決勝で戦う各ブロックの出場者の中で唯一、アルテミス経験者は俺しかいない。

「ああ、決勝は任せろ!!」

ゆっくり立ち上がり、LBXバトルステージに向かう。

(絶対に勝たないといけない)

そこで待ち侘びた決勝では、どんなLBXバトルが展開されるのか?