二次創作小説(紙ほか)

第一話「異変」 ( No.2 )
日時: 2012/12/28 20:55
名前: 時橋 翔也 (ID: TaF97fNV)


目覚まし時計がうるさく鳴り響く
昨日は夜遅くまで練習したせいか眠い…
まだ寝たい まだ寝たい

しばらくすると目覚まし時計が鳴り止んだ
よし、これで心おきなく寝れる…
ん?まてよ?今日の朝練の時間て何時から?

確か六時半…
海音は重い身体をゆっくりと起こし、時計を見た

六時四十三分
時計はリアルにそう表示していた
状況を理解するのに海音は約五秒かかった
そして珍しく叫ぶ

「遅刻だーーーっ!!」

——————

凄い早さで泣き目になりながら海音はジャージに着替える
カバンを持って食パンを食べながら家を出た

髪はいつもに増してボサボサだった
「試合前日なのに〜!」
海音は食パンを食べ終わると言った
中学に入って一番の失態だ

そもそも何故あんなに睡眠欲求が芽生えたのか
海音にはよく分からない
万能坂戦、裁縫セットで縫合してまで試合にでたこの自分が

円堂監督は罰厳しいからな〜
前に天馬が遅刻して十五分間全力で走らされていたのを思い出す

ああ最悪だ

雷門が見えてくる
この時間帯まだ生徒の姿はあまり見当たらない

廊下を走るな!の表紙がでかでかと貼られた校舎を駆け抜け、海音はサッカー棟に突入した
「すいません!遅くなりました!!」
海音は大きな声で言った

『遅いぞ海音!』
『遅刻だな』
『よし 罰としてグラウンド十週!』

そんな声が聞こえると思っていた
だが しなかった
サロンには誰も居なかった
「あれ…?」
海音は辺りを見た
誰もいない…

まさか…
「もう屋内グラウンドで練習始めてる!」
海音は言った
部室に駆け込み、急いでジャージを脱いだ

まずい
マネージャーもいないし、もう絶対紅白戦してる

海音はユニフォームになると、屋内グラウンドに駆け込んだ
「すいません!寝坊しました!」

だが、屋内グラウンドにも誰もいない
「え…皆?」
海音は辺りを見るが、一人も見当たらない

あれ…今日河川敷?
海音は屋内グラウンドを飛び出し、サッカー棟を出た
すると雷門の男子生徒二人を見掛けた
同じクラスの男子だ

「あ!君たち!」
海音は二人を呼び止める
「あのさ、剣城とかどこに行ったか知らない?」
「剣城?」
二人は顔を見合わせた

「雪雨…剣城って俺ら見たことねーな どこかのクラスか?」

——————

どういうこと?
海音は河川敷に向かいながら思っていた

様々な部員の知り合いに聞いてみた
だが…誰一人として 雷門イレブンの事を知らない
「どうなって…」

河川敷が見えてきた
何かわかるかなと思いながら来たけど…
だがそこには驚きの人物がいた

河川敷グラウンドには ユニフォーム姿の剣城が立っていた
「剣城!」
海音は剣城に近づいた

剣城は海音を見る
「………」
「ねぇ剣城 皆どこで練習してるの? ボク寝坊したからわかんなくて…」
「……お前 誰だよ」
すると剣城は言った

海音は一瞬頭が真っ白になった
「剣城それ何かの罰ゲーム?寝坊したからボクをからかってるの?」
「………」

その時 剣城の前に黒いボールが出現した
それを思いきり海音に打ち付ける
「うわあっ!?」
海音は何とかボールをかわす
「剣城!罰ゲームだからって危ないよ!試合前なのに!」
「…お前、なぜ俺の名を知っている?」
剣城は言った

なんだろ…
剣城なんか変だ
「ちょっ…剣城どうしたの?ボクは海音だよ?忘れた?」
「海音…? そんなやつ知らねぇ」
剣城はキッパリと言い切る
一体どういう…

「どーした剣城」

ると向こうから霧野がやって来た
「霧野先輩!なんか剣城がおかしいんです!」
海音は言った
「剣城…こいつは?」
「わかりません 海音と名乗っています」
「海音?誰だよそれ」
霧野は言った

霧野…先輩?
「どうしたんですか二人とも…ドッキリ?」
「は?お前何で俺の名を…」
「君は誰?」

すると次に天馬と狩屋が来た
「天馬!狩屋!」
「? 君どっかで会った?」
狩屋は言った
「何言って…四人ともボクのこと忘れたの!?」
海音は言った

すると海音はあることに気がついた
四人とも、それぞれ右腕に黒いブレスレットをつけていた
「ねぇ…剣城そのブレスレット何?」
「…お前には関係無いだろ」
剣城は言った

「俺達はこの世界のワールドガーディアン…邪魔するなら消えてもらうよ」
天馬は冷たくいい放つ
「ワールドガーディアン?…なにそれ」
海音が言った時だった

「何をしている」
向こうから現れたのは 同じブレスレットを着けた神童だ
「キャプテン…」
「神童…こいつ知ってるか?」
「いいや」
神童は言った
「皆…本当になんかあったの?それに他の皆は…」

「言うだけ無駄さ」

その時
河川敷の外の道路から声がした
それは、まるで少女のような少年だ
「そいつらは俺が洗脳したから」
「君が…五人を?」
海音は言った

「…お前誰だよ この世界でコイツらの事を覚えているやつらはいないはずなのに」
「ボクは…雪雨海音だよ」
海音は少年に言った

「雪雨…ああ忘れていたよ そういやお前も雷門イレブンか」
少年は言った
「じゃあ…お前もワールドガーディアンにしてやる!」
そう言って少年は何かを海音に投げた

だがその時、海音の周りに結界のようなものが現れた
それが消えると、海音の目の前に焼け焦げた黒いブレスレットが落ちた

「な…一体どうなって…」
「…!?」
なに…今の…

「どうなってる…けどコイツらの記憶があるのは厄介だ…おいお前ら!雪雨海音を潰せ!」
「はい」
神童は言った

「え…潰す!?」
海音は言った
「俺はサテン …こいつらは俺の力でパワーアップしてるから手強いぜ」
少年は言った

「しかもお前一人…せいぜい頑張るこった」
サテンはそう言うと 消えた