二次創作小説(紙ほか)
- 第十話「海音と霧野の放課後」 ( No.30 )
- 日時: 2013/01/08 11:19
- 名前: 時橋 翔也 (ID: cSy8Cn7x)
「…あ、海音?」
図書室で本をあさっている海音を見掛けて霧野は近づいた
「海音何してんだ?」
「霧野先輩…」
海音は霧野を見た
「今日の宿題を終わらせようかなって思ったんです」
「宿題…ああ、魂についてのレポートか」
今日の授業を思い出して霧野は言った
剣城の他に、天馬達四人も海音と同じクラスで授業を受けている
「先輩こそ、珍しく一人なんですね…」
「神童と剣城はバイト、狩屋は遅刻の罰としてキッド達と博士にペンキ塗りを命じられてる」
霧野は言った
「天馬は?」
「補習だとさ」
…皆忙しいんだ…
「…なんで神童先輩と剣城はバイトしてるんですか?」
「前に神童と一緒にゲーセン行ったんだよ」
霧野は頭を抱えた
「あいつの親厳しくてさ…ゲーセン禁止されてるから嬉しかったんだろうな、思いきり金を使ったんだよ」
「…剣城は?」
「この世界のCDを買い込んだんだ…この世界しかないだろうって」
以外だ…二人がそんな…
「そういやお前もバイトしてるんだって?」
「はい …マカの家に住まわせてもらってるんで、バイトでお金稼いでます」
海音は言った
「…でもマカとソウルは、お金なんていらないって受け取ってくれなくて…仕方ないからブレアに頼んでこっそりデスサイズさんに渡してもらってます」
ブレアというのは海音と同じくマカの家に住んでいる猫だ
魔力が強く、人の姿にもなれるので魔女と間違われやすく、以前マカはブレアを魔女と間違えたせいで集めた魂を全て水の泡にしたのだ
デスサイズはマカのお父さん 本名はスピリット・アルバーン
女好きでマカには嫌われている
「デスサイズさんいい人ですよ、娘想いで」
「…でも俺一度、あの人に女だと間違われた」
霧野は顔をしかめる
くくっ と海音は苦笑した
「はあ…こんなんでワールドガーディアン見つかるのか」
「大丈夫ですよ 燈夜もいるし」
海音は言った
「…海音」
「どうしました?」
「男同士だけど…デートしようか」
霧野の言う意味が海音には理解出来なかった
…そういや先輩はまだボクのこと男子だと思ってるんだ
「デートってどういう…」
「嘘、冗談… 一緒に神童と剣城のバイト先行こうぜって言いたかったんだ」
霧野は言った
「バイト先に?」
「剣城をからかいにな…あいつらのバイト先的に」
「…?」
——————
二人がやって来たのは、マカが前に気に入っていると言っていたカフェだった
…ああ なるほどね
海音は理解して霧野と中に入る
「いらっしゃいませ」
カウンターにいる男は言った マスターのようだ
「あ、霧野に海音!」
すぐ横から声がした
神童がウェイターの姿で立っていた
「よぉ神童!頑張ってるな」
「バイトも案外楽しいぞ」
神童は言った
黒をモチーフにしたウェイターの制服がよく似合っている
「…なっ!先輩に海音…」
後ろには剣城もいた
もちろんウェイター姿
「剣城似合ってんなー(゜▽゜)」
「霧野先輩ッ!!」
「先輩、せっかく来たんだし、何か頼みましょうよ」
海音は霧野に言った
二人は近くの小さなテーブルに向かい合わせで座る
霧野はメニューを見た
「…霧野先輩、ホントはもう少し後で言おうと思ってたんですけど…」
「どうした?」
「ボク、女子です」
思わず霧野は持っていたメニューを落とした
「…え? お前女子なの?」
「はい」
海音は頷く
「…だから、ある意味これはデートですね」
「………」
剣城すまん 霧野は心底思った
「…ご注文は?」
ちょうどそこに剣城がやって来る
ヤバイ タイミング悪すぎ「ボクは紅茶とチーズケーキで」
海音は言った
「俺はコーヒーと…ホットケーキ」
霧野は言った
剣城はメモすると、その紙をマスターに渡した
「先輩甘いもの好きなんですね…」
「ああ …特にホットケーキはな」
しばらくすると、神童が注文の品々を持ってきた
「ありがとう神童」
霧野は言った
「霧野先輩って…見た目は女の子っぽいけど、中身は男らしいかなって思ってたら…以外と女の子みたいな所もあるんですね(*´∀`)♪」
「なっ…俺は男だ!(`Δ´)」
「………」
そんな二人を剣城はカウンターの方から見ていた
「仲良いなあの二人」
隣で神童は言った
「剣城悔しいか?海音を取られて」
「…いえ」
剣城は言った
「そういや海音ってどこでバイトしてるんだ?」
「郵便配達です …デスシティーの中だけなので、ワールドガーディアンもついでに探せるし」
海音は言った
「…にしても、以外と剣城ってウェイター似合うんだ…」
海音は呟いた