二次創作小説(紙ほか)

第十一話「目立ちたがり屋な暗殺者」 ( No.35 )
日時: 2013/01/09 15:48
名前: 時橋 翔也 (ID: LCLSAOTe)


次の日
海音はいつも通り死武専の教室に入る
「…またカエルの解剖か…」
ソウルは机に座ると言った
ここ最近、シュタインの授業でカエルの解剖ばかりしている
…ただの博士の趣味なような気がするけど…

すると隣に剣城が座る
「剣城おはよ」
海音は言った
「………おう」
? なんだろこの感じ…
「どうしたの剣城…」
「……別に」

「ぎゃふん!」
するとまたシュタインが椅子にずっこけて転倒する
「…あーそうだ 海音と天馬のペア 今すぐ死神様の所に行ってください」
シュタインはその状態のまま言った

「死神様の所に?」
「…とりあえず行こうぜ」
剣城に言われ、海音は教室を出た

——————

「……?」
なんだろこの感じ…

海音はさっきから三人と一緒に歩いているが、違和感がする
「ねぇ三人ともどうしたの?」
「………海音…くん」
すると狩屋は海音を見た
「海音くんってさ、…女の子なの?」

海音はそう言われ、立ち止まる
「…海音?」
「うん …そうだよ」
海音は言った
「……マジで!?」
狩屋と天馬は声をあげた

しまった、霧野先輩に言うべきではなかった
「…霧野先輩から聞いた?」
「うん …もう皆知ってる」
天馬は言った
「ていうか、剣城も知ってたなら教えてくれればいいのに…」
「……別に」
剣城はそっけない

四人は死神様の部屋にやって来た
「あ 来たね〜」
だが死神様の他に二人ほど立っていた
青い短髪の少年に大人びた少女 少女の方は武器だと分かった
「死神様…この人達は?」
「職人のブラック☆スターくんと武器の中務 椿ちゃん 君達と同じクラスだよ」
死神様は海音に言った

「初めまして…ボクは雪雨海音です」
海音は二人に言った
「俺様はブラック☆スター!世界一bigな男だ!よーく覚えておけ!」
少年は言った
「私は中務椿 よろしくね海音くん」
少女は言った

「さて…君達にはある組織の偵察に行ってもらいたいんだ」
死神様は言った
「このデスシティーに居着くマフィアでね… かなり人を殺しているから、出来れば魂も回収してほしい」
「偵察?…ならもっと数を減らした方がいいのでは?」
剣城は言った

「…そのマフィアの数が多いらしいよ」
狩屋は言った
「しかも一人一人のレベルが高いし、単独で行ってもし見つかれば生きて帰れない」
「まあ、俺様のbigなオーラに勝てるはずもないけど!」
ブラック☆スターは言った
bigなオーラって…

「ごめんね…ブラック☆スターすごく目立ちたがり屋だから…」
椿は海音に言った

…そういえば狩屋は武器なんだっけ
何に変身するのかな?

——————

死神様の言っていたマフィアの本拠地はデスシティーの大きめな建物に存在した
表向きは普通の会社だが、本当の顔は人殺しを生業とする犯罪組織だ

「…なんか緊張してきた…」
建物の屋根裏に来ると天馬は言った
今のところまだ魂を一つしか食べさせていない

「この下ではマフィアが会議してるのか…」
屋根裏の下を見て海音は言った
屋根裏は以外とボロボロで、歩くたびに小さな音がする
だが下の会議の声のお陰で何とかまだ気づかれていない

「…ブラック☆スターって暗殺者なんだろ?こういう課外授業よくするのか?」
狩屋は訊ねる
「うん …でもね…」
椿はそう言ってブラック☆スターを見た

だが、ブラック☆スターが居たところには穴が空いているだけだった
「え…ブラック☆スター?」
「またか…」
椿が頭を抱えた時にはもう遅かった

「マフィアどもよーく聞け!俺様は世界一bigな男 ブラック☆スターさまだ!!」
下では会議をしていた円卓の真ん中でブラック☆スターが周りのマフィア達に堂々と言っていた
暗殺者なのに目立ってどうする!

「あのばか…」
そう言って剣城は穴から飛び降りる
「…ブラック☆スターって本当に暗殺者なの?」
海音は呟き、皆と一緒に下に降りた

「…お前ら死武専の生徒か」
そう言ったのはこのマフィアのボスだ
黒い帽子を被っている
「……このマフィアのボス 殺人鬼スレイヤー ね」
椿は言った
「貴方の魂いただきます」
「できるものならな」
スレイヤーが言うと、周りにマフィアの者達が集まり始める

「…じゃあ俺達もいくか」
剣城は大剣に姿を変える
「狩屋お願い」
「…わかってらあ」
狩屋は言うと、ボウガンに姿を変えた
狩屋ボウガンなんだ…

「てめーら!俺より目立つんじゃねー!!」
ブラック☆スターは叫び、椿も鎖鎌になった

「会議を見られたからには…死んでもらう」
スレイヤーが言うと、一気にマフィア達が襲いかかる

天馬はボウガンを構え、打ち付けていく
ただまだ慣れていないのか、少しぎこちない
『天馬くんしっかり狙えよ!』
「わかってるって!」
どうやらあまり二人の波長が合っていないようだ

「椿!手裏剣モード!」
ブラック☆スターが言うと、椿は次に大きな手裏剣に変わる
どうやら椿は様々な武器に姿を変えられるようだ

ブラック☆スターは襲いかかるマフィア達に手裏剣を投げる
威力は高いようで、一気に数人が倒れた
「よし!」
「ブラック☆スター後ろ!」
天馬が叫ぶと、ブラック☆スターは後ろを振り返る

マフィアの一人が剣でブラック☆スターに切りかかろうとしていた
「やべっ…」
「魂の共鳴!ライトニングソード!」
海音は叫び、素早くブラック☆スターに切りかかろうとしていたマフィアの剣をはじき、倒した

「大丈夫?」
「てめー!あの程度俺に太刀打ち出来ないとでも…」
『助けてやったのになんだよ!』
「うっせー!俺より目立つな!」
『ブラック☆スター!助けてもらったんだから…』
椿は呆れる

「けど…こんな人数どうするの?」
ボウガンを撃ちながら天馬は言った
倒しても倒しても、次々に新しいのが出てくる

これじゃキリがない
「…仕方ない」
「ブラック☆スター?」
「退散だ!!」
そう言ってブラック☆スターは思いきりジャンプして屋根裏に上がった

「ちょっ…退散!?」
「仕方ない!行こう」
天馬に言われ、海音も天馬と屋根裏にジャンプした

そしてそのまま全速力で死武専に戻っていった
…退散っていいのかな?

——————

「…と言うわけで、普通に失敗したんだ、まぁ俺様にかかれば退散くらいちょろいもんで…」
死武専に帰ると、ブラック☆スターの話を最後まで聞かずに死神様は強烈なチョップをブラック☆スターにお見舞いさせた

「まったく…まだ私魂食べてないし…」
椿は言った
「よし、ブラック☆スターは明日補習ね」
「えー!」
「えーじゃないだろ!」
剣城は言った

「…あのマフィアの討伐にはマカちゃんとキッド達を行かせたよ 多分大丈夫だ」
死神様は言った
「すいません…ボクらが失敗したから…」
「元はと言えばこいつが…」
「俺のせいか!」
「他に誰がいるんだ」
どうやら剣城とブラック☆スターは仲が悪いようで

「死神様!今終わりました!」
すると死神様の目の前の鏡にマカとキッドが写った
「海音達がだいぶ倒してくれたお陰で、何とかボスの魂を奪えました」
「よかった〜」
死神様は言った

「…父上もどうかしている、ブラック☆スターをあんな隠密を必要とする場所に行かせるなど…」
「ブラック☆スターは暗殺者の一族の生き残りだからね〜 暗殺者の特訓をした方がいいと思ってね」
死神様はキッドに言った

…父上?
「え、死神様とキッドって親子?」
「ああ、知らなかったのか?」
キッドは海音に言った
「マジか… ってか死神なら自分で武器つくる必要ないんじゃ…」
「自分で武器をつくりたいんだ」
キッドは言った

「とにかく皆お疲れ様、戻っていいよ〜」
「はい …失礼しました」そう言って皆は死神様の部屋から出ていった