二次創作小説(紙ほか)

Re: 【銀魂と】銀魂単体で黒月編スタート【コラボ】第二弾完結! ( No.19 )
日時: 2013/01/30 15:34
名前: 万事屋シャーリー ◆CwIDAY6e/I (ID: YxL1EeSq)

黒月篇


その壱


「新ちゃん。明日も銀さんのところへ行くんでしょ?だったら早くお風呂に入って、寝なさい」
「わかりました、姉上」

夜も深まり、不気味だが美しく輝く満月が江戸を照らしている頃。
お妙の気遣いに新八は快く受け入れ、着替えをもち脱衣所に向かった。
その途中、インターホンが鳴った。
お妙は仕事に行く準備を一旦やめ、玄関に行こうとしたが新八に止められた。

「姉上は早く仕事に行ってください。僕が行っておきますから」

お妙はかすかに微笑んだ。
新八は着替えを邪魔にならないように廊下の隅において、玄関に行った。

「こんな時間に誰かな。銀さんかな?」

呑気にそう構え、新八は戸をあけた。

「何です———」

新八の声は突然テレビのスイッチを切ったかのように途絶えた。
咳き込むと血が吐き出された。
何者かに胸を刺されていた。
その者は素早く新八の胸から刀を引き抜き、新八は音を立てて倒れた。
薄れゆく意識の中、お妙が駆け寄ってくるのが見える。

「新ちゃん!?どうしたの!誰にやられたの!?新———」

姉上……後ろ……あぁ、遅かった……。
その謎の人物はお妙の背中に回り、その無防備な背中を切り付けた。
謎の人物は新八の返り血とお妙の返り血を浴び、その口元が歪む。
新八はすでに気を失っている姉の顔が遠くに消えるような感覚を感じた。

僕は、死ぬんだ。

新八は最後に自分が最も親しんだ二人の顔を浮かばせながら、意識は闇に吸い込まれた。


翌日。
万事屋の二人は、それぞれの布団の中でもぞもぞと動かしていた。
町の人々はもう自分のやることをずっと前からやってるというのに、この二人はそんな時間になっても起きずにいた。
さすがにヤバイと思ったのか、銀時はゆっくり起きだした。

「ぅ〜……。昨日飲みすぎたせいか……」

ふすまをあけ、神楽の寝ている押入れを開けた。
神楽も寝てはいなかったが、起きるのをグズっていた。

「おい神楽ーそろそろ起きろー。10時半だぞ、10時半」
「ん〜……。布団の中が温かくて、外に出たくないアル」
「ゴチャゴチャ言うなよ。真っ当な人たちは朝6時とか5時に起きてんだぞ」
「真っ当じゃない人間に言われたくないアル」
「何だよ、俺はダメ人間って言いたいのーっ」

神楽はやっと布団から抜け出して伸びをした。
そして辺りを見回し……

「銀ちゃん。何で新八もいないアルか?いつも8時頃には来るのに」
「どうせアイツも寝坊してんだろ?その内来るって」

銀時はトイレしようと廊下に出たが、視線の先にある玄関に茶封筒が落ちていた。
拾ってみると差出人の名前はなく、筆で綺麗にかいた『万事屋さんへ』とだけしかかいてなかった。
銀時はその茶封筒を一旦テーブルに置いてから、トイレと着替えを澄ました。

「銀ちゃん、この茶封筒何アルか?」

着替えた神楽もその茶封筒に気が付いた。

「玄関に落ちてた。さって、見てみるか……」

封を切り、中を取り出すと、数枚を折りたたんだ紙と別に一枚折りたたんだ紙が入っていた。
まずその一枚の紙を開き、銀時が読んだ。

「えー、『万事屋さんへ。突然このようなお手紙をよこしてしまったこと、そしてこのような形で万事屋さんに依頼をしてしまう事を深くお詫び申し上げます。私は城宝雪と申します。私がこのような形でご依頼を申しますのは、一緒に同封されているものが大変危険なもので私もその一部に関与しているからです。今回私がご依頼したいのは、その文書を絶対誰にも見つからず、幕府の者に渡してきてほしいのです。と、言いますのも、今現在、私は自由が利かぬのと同時に信頼できる者が今おりません故。そして、先程も申しましたように、その文書は大変危険なもの故、その文書を狙う者が続出するでしょう。本当に絶体絶命の危機になったのであれば、その文書の内容をできるだけ全て覚え、文書を処分して頂きたい。そして口頭で幕府の者にお伝えください。幕府の者に文書、または口頭で伝えるときは一緒にこの手紙も渡してください。これがあれば、もし幕府の者に疑われたとしても、私、城宝雪が正しく万事屋に依頼したとわかるはずですから。それでは、万事屋さんお願い致します。この依頼が成功した暁には、存分に謝礼を差し上げましょう。重ねて申し上げますが、この手紙と文書は敵だと思われる方には決して渡さぬようお願いします。仕事の成功をこの牢獄から祈っています。城宝雪』……なっげぇ手紙」
「銀ちゃん!謝礼だって!存分にだって!やるよネ?この仕事、やるアルよね?」

銀時は一緒に同封されていた例の大変危険な文書を手に取り、中身を見ようとしたところで引き戸が開いた。
手をとめ、銀時と神楽は入口に目をやった。
そこには

「遅れてすいません、銀さん、神楽ちゃん」

新八が立っていた。