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>>707の続き

「もう今日は遅い、探すのは明日にしよう」
「でも……！まだ生きているかも知れないじゃないですか！」
「いや、望みは低い」
「何でそんなことっ」
「考えてみろ、俺達がここに戻ってきたのが１０時だ。そして、みんなで見張っていたんだが怪しい奴は来なかった。……どういうことか判るだろう？」
「……クソッ」
「けっ、それでも行くってんなら俺は止めねぇよ？てめえの自業自得だ」
「明日の朝みんなで探しましょう……ね？
」
「……はい」
☆★☆★☆★☆★☆★
次の早朝彼等の見た物とは……
人形と同じようにロープで首を絞められ、木に括られて風に揺られている翼の死体だった──
違うのは只一つ、胸にナイフがズブリと刺さっていること。それだけ。
留めに心臓に突き刺したのだろう。人形にナイフが刺さっていなかったのはあまりにあの人形が小さかったからだろうか。
「翼ァッ……つばさ……何で……何で翼が殺されなきゃいけねぇんだよ……どうして……っあぁぁぁっ……翼……」
その嗚咽に応えるものは誰もいない。森にたくさんいるはずの鳥でさえも、沈黙していた。五人の沈黙を消すように突然降ってきた雨が、まるで、涙の枯れ果てた翔の心を代わりに表しているようだった。