二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【カゲプロ】人影アルカディア【質問コーナー企画やってます】 ( No.164 )
- 日時: 2013/03/31 21:32
- 名前: 南倉 和 (ID: zG4YccRb)
- プロフ: カゲロウデイズ書こうと思いましたがもうコノハが出てるw。
—人影アルカディアⅦ
一分後。全てが狂った。
「ご主人!あれ!」
エネが、携帯の中で左に指を差す。シンタローはすぐに指でさした方に体を向けた。
そこには、大きなトラックと真っ赤な交差点。すぐに目に入ったものはその二つ。
次に、二つの小さな影。一人は、女の子を抱えている。一人は真っ赤になって男の子に抱えられていた。
ぞくっと、嫌な気配がした。
すると斑がシンタローを連れてその場から離れるように走った。
気づいてみると、コノハもヤノも消えていた。
「お前どうしたんだよ!?」
「ヤバいよ。彼ら。」
斑は、いつものきゅるんとした女顔ではなく真面目な青年の顔をしていた。こいつ、こんな顔もできるのか。とシンタローは内心驚いていた。
「ヤバいって・・・、確かにそうだけどよ・・・」
「そういう意味じゃなくて。」
斑は、そこで話すのをやめた。シンタローは、斑が何か隠しているように思えた。別のことでも。
「ま、とりあえずコノハも居なくなっちまったし帰るか。」
「はいっ!そうですね!」
斑はまた、いつものきゅるんとした女顔に戻った。シンタローは「うわあああ!くっつくなぁあ」と斑を引き剥がそうとする。
「う・・・ん・・・。」
「あ、スズミちゃん!体、平気?」
スズミが目を覚ますと、モモが先ほどスズミが鋏を落として散らばったビーズやらなんやらを拾っていた。
「あ、うん・・・。大丈夫。」
スズミには薄い掛け布団が掛けられていた。スズミは目を擦った。
「良かった!レイさん、スズミちゃん起きましたよ。」
「そう。教えてくれて有難う。」
レイが、コーヒーの入ったカップを手に持ちながらモモの隣に座った。
「え・・・っと、僕は・・・。」
「まあ、大丈夫。急に悪かったね。」
レイが申し訳なさそうに軽く謝罪する。スズミは「い、いえ!」とレイの行動に驚く。
「みんなは・・・?」
「ああ!えっと、お兄ちゃんとせっきー君は誰かに会いに行ってて、団長さんたちはどこかに行っちゃって。私たちが残ってるの。」
スズミが「マリーちゃんは?」と聞くと、モモが「部屋で寝てる。」と言った。
「とりあえず、まだ落ち着かないだろうから寝ていていいよ。」
レイが優しく言う。スズミはその目を見て落ち着くように、
「そうさせてもらいます。スミマセン。」
と言ってまたソファーに横になった。モモが毛布をかけてあげる。
「一体、団長さんたちはどこに行ったんだろー・・・」
「モモ。キドちゃん達には触れてあげないでね。」
レイがコーヒーを啜る。「何でですか?」
「今、なんだか嫌な気配がしたからさ。」