二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【カゲプロ】人影アルカディア【質問コーナー企画やってます】 ( No.194 )
- 日時: 2013/04/04 18:10
- 名前: 南倉 和 (ID: L11BZFL.)
- プロフ: 終焉ノ栞のナレーション、神谷さんですね!
——人影アルカディアⅸ
「き、キドちゃんが・・・・」
レイは、そう言ってアジトを出ようと扉に近づく。すると、それをシンタローが止める。
「落ちつけよ!悪い予感って何だよ!?」
「煩い!離せ!私は行く!」
レイはいつもの落ち着きを無くしただ、キドのためにとシンタローかわ逃れる為じたばたと腕を振る。
「うわっ!暴れるなって!」
「レイさん!」
モモもシンタローに加勢する。その時だった。刹那、扉が開く。
「そうそう。そんな取り乱さないでよ。副団長さん?」
そこには少女と少年が居た。少女の方は茶髪のツインテールを揺らし、少年の方は前髪で顔を隠していてよく見えない。
「お前ら・・・誰だよ?」
「私ですか?ワタシの名前は神無月美広!カンミって呼んで!宜しくね!こっちは・・・」
カンミと名乗った少女が後ろにいる少年を指さした。少年は、「ボク?」とカンミに言う。カンミはそうだよ!と少年を前に出す。
「僕は、四月朔日東也。トーヤでいい。」
トーヤと名乗った少年はそう言って後ろ頭をポリポリと掻いた。シンタロー達はポカンと口を開けた。
「そうそう!団長さんたちが大変なんだよ!」
「分かってるわ!てか、お前らの登場が邪魔だったわ!」
カンミが腕をぶんぶんと振り回す。そこにシンタローがツッコミを入れた。
「え!そっかー、じゃ行こうよ!」
「と、取りあえず、行きましょうか!」
モモがパチンと両手を合わせた。全く、カンミのペースについていけないシンタローとレイは顔を見合わせ溜息を吐いた。
——某交差点
「カノ!?大丈夫っすか!?ねえ!カノ!」
「おい!大丈夫か!?」
3人のもとへ、シンタロー達が駆け付ける。真っ先にレイがキドのもとへ駆け寄った。
「大丈夫!?けがは無い?」
「俺は大丈夫だ。でも・・・カノが・・・。」
キドが俯きながら泣きそうな声で言った。レイはキドが抱きかかえているカノを見た。
「カノさん!?大丈夫なんですか!?」
「分からない・・・。さっきから、魘(うな)されているようなんだ。」
そう言われて、カノの顔をモモが覗き込む。カノは「ぅ・・・ぐ・・」と呻いているようだった。
「何があったんですか!?」
「俺達にも分からないんスよ。突然白い髪の少女が出てきたと思ったら、この様ッス。」
それを聞いていたカンミが一言言った。「その子、目の能力持ってる子なんじゃないの?」
「そうか!確かに目が赤かったッス!」
セトが明るい声で言った。同意するようにモモとマリーも頷く。
「でも、どうしたらカノを救えるんだ?」
キドがそういうと、シンと盛り上がった雰囲気が静まり返るように冷たくなる。
「確かにな。」
「あ・・・あの。」
そこで、スズミが顔をあげた。全員の目が集中する。
「ぼ、僕に考えがあります。」