二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【カゲプロ】人影アルカディア【新楽曲公開】 ( No.287 )
- 日時: 2013/05/05 08:47
- 名前: 南倉 和 (ID: L11BZFL.)
- プロフ: カゲロウデイズ3待機中....
ー人影アルカディア14
「逃げたって・・・嘘だろ?」
全て話終え、始めに口を開いたのはシンタローだった。一方、スズミはと言うと頭を押さえながらしゃがみ込み、ガタガタと震えていた。
「こ、怖かったんだ。あのままソコに居ると消されそうで。怒られそうで、お、怒られるのは嫌だから・・・」
まるで子供。シンタローは見ていてそう思った。
「でも、それが逃げていいって言う理由にゃなんねーだろ!」
シンタローは、いつの間にか必死になっていた。
一体、誰を助ければ良いのか。ヤノかスズミか。この場に居る全員が混乱していた。
「だって!・・・・、やろうと思ってやった訳じゃないし・・・わ、悪いのは彼奴らじゃないか!」
スズミは顔を上げていつも以上の大きな声で言った。
「まるで、ガキだな。」
キドがやっと口を開いた。キッとスズミを睨むのでスズミは怯んで少し後ろに後退りして目線を反らした。
「だって、だって、、、、ぼ、僕は悪くない、、」
『言い訳』を探すのに必死になる子供。ブツブツと呪文のように呟く。
その時、斑がスズミの前に立ったかと思うとスズミの腕をグイッと引っ張り無理矢理立たせ、スズミの頬を叩いた。
「っ・・・・!?」
「おい!?斑!?」
全員が驚く。スズミは叩かれた頬を押さえて涙を堪える。
「それは、スズミが悪い。」
斑はスズミの腕を掴んで自分の方に顔を向けさせた。
「人のせいにしちゃいけない。分からない?ヤノがあんなに苦しいって思っているのに。」
脳裏にあの日のヤノの顔が浮かんだ。『痛いよ!スズミ!?』そんな音声と共に。
「スズミは『見捨てた』んだよ?一番、友達だって思ってくれてる人を。」
そんなことを話す斑の腕は何故か小刻みに震えていた。
「ち・・・・違う、違う違う違う!!!!」
スズミは目を真っ赤にして斑の手を振りほどいた。斑は驚いて後ろに下がった。
「違うくない!認めろよ。スズミ!」
何故、斑はこんなにも必死なのかな?スズミの心の中で誰かが呟いた。
「煩い!!ーーーっ!」
目を光らせ能力を発動させた。
斑は驚きに戸惑い足が動かない。ヤバい。そう思った瞬間だった。
「っ!?シンタロー君!?」
シンタローが、斑の前に出た。