二次創作小説(紙ほか)

第9話 ( No.16 )
日時: 2013/01/21 19:24
名前: 時橋 翔也 (ID: oMcZVhE7)


「今日から練習だね!」
「信助早く早く!」
「ちょっと二人とも早いよ〜」
信助は足が速い天馬と海音に必死についていった まったくどうしたらこんなに速く走れるのか…

この日から部活動が始まる
昨日からずっと楽しみにしていた だって雷門でサッカー出来るのだから
そんな思いが海音と天馬の足を動かしていた 改めてサッカーが大好き何だと実感する
「こんにちは!」
三人は元気よくサッカー棟に入ってくる
サロンにはすでに二三年は集まっていた
「来たな新入生…」
神童はこちらを見て言った いつもにまして雰囲気は暗い

「今年は三人か… やはりあの試合を見ればな…」
霧野は呟く 毎年少なくとも十人は集まっていたのに…
「………」
海音は辺りを見回した やはり…剣城は来ていない
「どうしたの海音?」
「あ、いや…何でもない」
海音は信助に言った
「取り合えず練習を始めよう…その前に新入生は自己紹介してもらう」
三国は三人を見た

三人はじゃんけんして順番を決める 先行は信助からだった
「僕は西園 信助です! ポジションはDFです!宜しくお願いします!」
「俺は松風天馬です!えーと…ポジションはMFを考えてます! これから頑張ります!」
「えっと…雪雨海音と言います!FWです! 試合は黒の騎士団の時が初めてですけど、宜しくお願いします!」
それぞれ簡単な自己紹介ですませると、部員達は声を上げ始めた
「かいん?…変わった名前だな…」
南沢は呟く
「…あれで試合が初めて…だと?」
訝しげに神童は海音を見る あり得ない…初めての試合であそこまで得点力を持つ新入生など…
やはり雪雨海音は何者なのか…?

「…あの…すいません…」

サッカー棟にそう言いながら誰かが入ってきた
それは入学式に海音と少し話した葵だった
「あれ、葵?」
天馬は言った
なんで葵がここに…?
「あの…一年生の空野葵です!サッカー部のマネージャーをやらせてください!」
葵は言った
え…マネージャー?
「おっと…先を越されたな」
するとまた二人入ってきた
赤い長い髪の少女とみつあみのお下げの少女、制服のリボンの色からしてこの二人は二年生のようだ
「私は二年生の瀬戸美鳥 同じくマネージャー希望」
「二年生の山菜茜、二人と同じマネージャーです」

「宜しくお願いします!」

「三人ともマネージャー希望ね 歓迎するわ」
近くの音無は言った
「丁度良かった…黒の騎士団戦の時、マネージャー全員が辞めていたからな」
三国は言った
やはり…マネージャーらしき人が居ないと思ったら、そういうことだったのか
てか、剣城の影響力すご… シードってそんなに凄いのかな

海音は辺りの部員達を見回す 黒の騎士団には負けていたものの、かなりレベルの高いチームなのだろう 神童が化身を完全に扱えればさらにだ
「神童先輩…化身使えるし、やっぱり凄いよね」
海音の考えを読んだかのように、隣で天馬は呟いた
「……そうだね」
海音も頷いた 実際はまだ神童は化身使いとして覚醒していない させない何かがある気がした

「はい、これがユニフォームよ」
音無は三人にきれいにたたまれたユニフォームを手渡す ファーストの色使いだ
「いきなりファーストかあ…」
「なんか嬉しいね」
天馬と信助は言った
音無は向こうにある部室を指差す
「あの部室のロッカーで着替えてきてね、そしたらサロンに集合」
「わかりました」
海音は頷いた

一軍の部室にはロッカーが設置されてあり、部員達は皆ロッカーの前で着替えをしたりする 海音はロッカーに貴重品以外のバッグなどは入れておいた
「僕 サイズ合うかなー…」
「大丈夫!なんとかなるさ!」
天馬はジャージの上着を脱ぎながら言った

海音もジャージを脱いでTシャツとジャージの短パン姿になる そしてその上からユニフォームを着ようとした時だった
「あれ…海音 その傷どうしたの?」
天馬は海音の肩を指差した
海音のTシャツの首もとの近くには大きな傷痕があった 痛々しく、ちょっとやそっとの怪我ではなかった事を連想させる
「うん…ちょっとね…」
海音は言った そしてその上からユニフォームを着て傷痕は見えなくなった
「……?」
何故だろう 天馬には海音が一瞬酷く悲しげな顔をしたように見えた

「…それでは今日の練習を始める」

三人がユニフォームに着替え、サロンに行くと神童は言った
神童は持っていたボードに視線を戻す
「二、三年生は屋内グラウンドでチーム練習 一年生は第二グラウンドで基礎練習だ」
「基礎練習…」
海音は呟く 恐らく一年生は初めから二三年生の特訓メニューについていけないと考えたのだろう

そんなことを思いながら、海音は葵や天馬、信助と一緒に第二グラウンドに向かった