二次創作小説(紙ほか)

第2話 ( No.5 )
日時: 2013/01/16 16:43
名前: 時橋 翔也 (ID: Z6SnwTyI)


「なんの騒ぎだ」

そこにやって来たのは、黒い髪のサッカー部の監督らしき男だ
「ほう… じゃあ見せてみろよ」
少年は海音に言った
「俺からボールを奪って見せるんだ… そしたらサッカー部の存続を認める」
「…わかった」
「海音くん!?」
海音が頷くと音無は言った

そして監督を見る
「久遠監督!二人を止めてください!」
「………」
だが久遠と呼ばれた監督は何も言わない
仕方なく音無は天馬に駆け寄った
「大丈夫天馬くん?」
「は…はい…」
「海音くん…出来るの?」
音無は海音を見た
「…何とかなると思います…多分」
「多分って…」

——————

ジャージを着てきてよかったと今では思う

海音はグラウンドに立った 目の前にはボールを持った少年がいる
「俺は…剣城京介、フィフスセクターのシードだ」
少年は言った
シード?
「ルールは簡単…俺がキープするボールをお前が奪う、それだけ」
「わかった…剣城」
海音は言った
ボールを奪う…

「さあ…サッカーしようか…海音クン!」
剣城は不適に笑った

「…いくよ!」
海音は走り出した
剣城からボールを奪おうとするが、あっさりとかわされた
「うわっ!」
「なんだよ…そんな程度か?」
剣城は言った
「…まだだ!」
海音は次にスライディングをかける
それもかわされた

「…ダメだ、遊ばれてる」
グラウンドの外で見ていたサッカー部員の一人は言った
実力もセンスも違いすぎる
剣城はまるで海音を玩具のように扱っていた
「けど…」
もう一人は海音を見る
さっきからダッシュばかりしているが、疲れるどころか息切れもしていない
「あいつ…結構スタミナあるな」

「…よくこの程度でサッカーが語れたな」
剣城は海音を避けながら言った
「……そうかな」
海音は言った
「テメェ…どうしてそんな実力もないくせしてサッカーにこだわる」
「サッカーは……約束だから…」
海音は剣城を見た
「約束…だと?」
意味がわからない

「とにかく…ボクはサッカーしたいんだ!」
海音は言うと剣城に突進する
それも軽くかわした
その時
突然辺りに冷たい風が吹き始めた
「…?」
なんだ…?
今は春、こんな冷たい風は冬でもない限り吹かないはずだ
剣城は海音を見た、途端にゾクッとした
さっきと目付きが明らかに変わり、瞳はさっきと違い鮮血のように赤い まさかこいつが?
…いや、まさかな

「…もう飽きた、終わりにしようか!」
剣城はボールをすくいあげる
そしてそのまま宙に上げ、まるで突き刺すようにしてシュートする
「デスソード!!」
漆黒のシュートだった
周りの皆が青ざめる
あのシュートを直に受けたら…ただではすまない

「海音くん逃げて!!」
「海音ッ!!」
音無と天馬は悲鳴のように叫ぶ
だが海音は動じない

「俺はサッカーしたいんだ!この雷門サッカー部で!!」

海音は叫ぶ 途端に海音の足が冷気を纏い始める
そして…漆黒のシュートを思いきり蹴りつける
「…エターナル…ブリザード!!」
海音はシュートを思いきり打ち返す
氷塊のようなシュートは剣城のすぐ横を通っていった

そして次に大きな破壊音がした
皆が向こうを見ると、シュートは校舎の窓ガラスを破壊していた
「………!」
なんだ…こいつ…
しばらく剣城は動けなかった
しばしの静寂、これを破ったのは海音だった
「す…すいませんッ!!窓ガラス壊して…!!」
瞳の色が蒼にもどり海音は思いきりあたふたした

「今のは…」
音無と久遠は驚愕の表情を浮かべていた
今、海音が放ったのはかつてイナズマジャパンの吹雪が使っていたシュート技だからだ
「やったよ海音!勝ったんだよ!」
天馬は海音に言った
勝った…?ボクが…?
「ちっ…ふざけるな!!」
「ちょっ…ルールが違う…」
音無の制止も聞かず、剣城は海音に思いきりシュートした

だがその時
何処からかボールが飛んできて、シュートを弾いた
「え…!?」
海音は声を上げた
その時

「お前たち!神聖なグラウンドで何をしている!!」

グラウンドの向こうから声が飛んできた
海音と剣城、天馬達も向こうを見る
そこにはウェーブがかかった茶髪の少年が立っていた
色違いのユニフォームとキャプテンマークを着けている
「まさか…あれが…」
「来たか…」
剣城は呟く

「俺はサッカー部一軍キャプテン、神童拓人!」
少年は言った
次にその背後から次々と同じユニフォームを来た部員たちがやって来た
日の当たり方のせいか神々しく見える
「そしてこれが…雷門イレブンだ!」
神童は言った

あれが…本当の雷門イレブン?