二次創作小説(紙ほか)

Re: 暗黒の世紀を切裂く—— 第8話更新 ( No.33 )
日時: 2013/11/30 18:03
名前: 風死  ◆Z1iQc90X/A (ID: 68i0zNNK)

 冒険王ビィト 暗黒の世紀を切裂く——
 第9話「戦士達の世界へ Part9」

 最初に現れた魔人は青を基調としたマントを羽織(はお)り右手に巨大なたてを携(たずさ)えた三本角の偉丈夫だった。
 その姿を見たクルスが叫ぶ。

 「ライオ、そいつがレジアドルです!」
 「なっ!?」
 「弱いとは良く言ってくれたものだな。表層しか見ない阿呆の顔をしているわけだ」
 「ぐわぁっ!?」

 しかし遅かった。
 ライオの槍は回転する盾により砕かれ、ライオの体は一撃のもと吹き飛ばされる。
 着地に失敗し地べたに激突するライオ。
 しばらくの間芋虫のようにはいずり立ち上がれない。

 「レジアドルゥ、単独先行は止めろって言ったろおぉぉぉ!?」
 「カルナッツオォォ、あんたがくるのが遅いのがいけねぇよ」

 悶(もだ)えるライオに近づくレジアドルにかけられる低い声。
 どうやらカルナッツオが遅れて登場したようだ。
 赤い皮膚に一本角、そして蝙蝠(こうもり)のような羽が特徴的だ。
 右横と左横にそれぞれ2人ずつ、魔人がいる。
 彼らは皆一容に揃いの鎧を着装(ちゃくそう)していて姿はわからない。

 「カルナッツオと以前から組んでいた魔人は4人だったか。どうやら全員揃ったみたいだな」

 ゼノンは抑揚のない声でつぶやく。
 それと同時にライオの胸が炎のように赤く光りだす。

 「燃え盛る業火(ごうか)よ、闇を飲み込め。出(い)でよバーニングランスッ!」

 凝縮(ぎょうしゅく)された天力が姿を作り、炎の槍が顕現(けんげん)される。
 バスターの力の最高峰。
 才牙。
 多くのクエストと努力を積み重ねてきた生粋(きっすい)のバスターのみが召喚(しょうかん)できる力の象徴(シンボル)。
 上位天撃を習得した者しか至れない奥義だ。
 立ち上がったライオは全力でそれを投擲(とうてき)して、鎧を纏った魔人の1人をいきなり屠(ほふ)ってみせる。

 「なっ、グラスコッ!?」
 「なーに、ビビってんだ? 始まったばかりだろ戦いは。ちょうど良い数だぜ。なぁ!」
 

 カルナッツオの顔に険が滲(にじ)む。
 1人の魔人の死を開戦の合図とし、双方が動き出す。
 カルナッツオ達が率いてきた大量の魔物たちもそれと同時に動き出した。
 
 
 

  

——————

 End

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