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二次創作小説(紙ほか)
- Re: 少年陰陽師1夜 『花』 ( No.2 )
- 日時: 2013/03/07 15:46
- 名前: 透明 (ID: 8comKgvU)
互いに幼かった頃に誓った
—俺が護る、君をこの命がある限り
愛おしい君を、この俺がずっと
たとえ、この身を犠牲にしても
けれどそれだと約束を守れない
だから、生きて君を護り続けられるように
俺はもっともっと強くなるから
—約束の、蛍……
俺が護る。藤を守る臣下として
俺が君を護り続ける
だからこそ
自分の想いに蓋をした
それなのに
—……私はどなたの元にも嫁ぐつもりはありません
わかっているはずなのに、君がそう思う理由を
胸が痛む。君の決意に、言葉に
—……いつか結婚するのか?
—……たぶん無理、そういうのは
それはいつかの会話
そう無理なのだ。彼女と自分が結ばれることはきっとない
だって彼女は
本当は手の届かない所へ、天に近いひとになるはずだったのだから
彼女は、君は栄華を誇る、藤の花
—左大臣の一の姫なのだから
あれはいつの日の会話だっただろうか
—……に見せるって約束したんだ
何を見せるのかと訊かれて秘密と笑った
あの子が喜ぶ顔が見たいんだとだけ、答えた
そう、もうひとつ約束した
だから、夏になったら
なにがあっても一緒に見に行こう
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