二次創作小説(紙ほか)

Re: 少年陰陽師1夜 『花』 ( No.3 )
日時: 2013/04/02 13:15
名前: 透明 (ID: xlcSC1ua)

日が差し込みはじめた頃、朝飯を食べ終えた昌浩がいつも通り庵を出ると、そこには一人の青年が立っていた
髪は白く、瞳は血のような暗い紅色
播磨陰陽師・神祓衆の夕霧だ
彼はかつて昌浩の婚約者として衆に推された少女・小野 蛍に仕える者でその問題が解消された今は、昌浩に体術を教えている
それは、容赦なくみっちりと
昌浩はそれをなんとかこなしているのだが、とにかくきついのが感想だった
俺よくも耐えてるなぁ、やれば出来るじゃないか
そう思ってならない今日この頃である


 さて、
安倍 昌浩は十六歳の見習い陰陽師かつ都一有名で偉大なる蔵人所陰陽師・安倍 晴明の末孫
そして安倍家の、晴明の後継者でもある
本来は陰陽生として陰陽寮にて出仕しなければいけないのだが、帝ならびに左大臣、陰陽頭らの力で播磨に籍をおいて暮らせるのだ
このことに関しては昌浩も感謝している
それはさておき

昌浩は夕霧の方へ向くと身構えた
対する夕霧も構えると一言だけ言った
「今日も死ぬ気でやれ」
昌浩は頷く。その瞳は真剣そのもの
風の音で、今日の稽古がはじまった